2016年09月29日

無断転載やパクりが何故「悪いこと」なのか、可能な限り簡単に説明する

それは、元の作品やテキストを作った人から、いろんな利益や権利を「奪う」「傷つける」「横取りする」ことだから、なのです。これを「著作権侵害」といいます。

著作権侵害はれっきとした犯罪でして、罰則もあります。罰金が発生することもあります。

誰かが著作権侵害をすることによって、例えば「その作品を作った人」が本来得られる筈だった称賛、金銭的利益、知名度といったものが、他の人に横取りされたりします。それは、その作品を作った人にとっての不利益になります。

作品やテキストを作れる人が不利益を受けると、結果的に作品を作れる人、作品を作ろうと思う人が減る可能性があります。作品を作れる人が減れば、世の中から面白い作品が減ります。だから無断転載やパクりは、結果的にみんなの首を絞めること、自分の首を絞めることでもあります。

パクる人、無断転載をする人たちは、要するに「自分では何も面白いものを作れないけどチヤホヤされたい、お金を儲けたい」という人たちなので、そういう人たちの為に「自分で面白いものを作れる人たち」が損をして、面白いものを作れる人が減ってしまうのは大変な損失です。だから、パクリや無断転載は糾弾されなくてはいけません。なによりも、面白いものを作れる人が増え続ける為に、ということです。



以上の話は、「著作権侵害」という言葉を思いっきりはしょって説明したことです。思いっきりはしょっているだけに細部は色々とアレなので、以下、もうちょっとだけ細かく説明してみます。既に著作権が何かわかっている方には当たり前のことしか書いてませんが、ご容赦ください。


1.「著作権」ってそもそも何なの?


一言でいうと、小説や、音楽や、絵や、映画、写真などの「著作物」を作った人が持っている権利のことです。

「著作権」という言葉には色々な権利が含まれているのですが、これもざっくり言うと「ある著作物を作った人だけが、その著作物を利用出来るんです」という言葉になると思います。

その著作物を作ったと主張出来る人も、その著作物を公表出来る人も、その著作物に自分の氏名を表示できる人も、その著作物を改変出来る人も、その著作物を売って儲けることが出来る人も、全て基本的には「作った人(著作者と言います)」だけだよ、というルールが著作権法です。



2.「著作物」って何なの?ただの文章も著作物っていうの?

言います。ただし、例外もあります。

著作物の定義は、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」です。著作物にも色々な種類がありまして、論文や小説、音楽、歌詞、絵画、彫刻、漫画などの他、写真やプログラム、建築物なんかも著作物の範疇に含まれます。他にも色々あります。


上記の定義に当てはまらない、例えば単なる事実の記録、絵や図の模倣品、ごく短い表現や文章などは著作物として認められないことにはなります。

(その為、例えばtwitterのツイートが著作物にあたるのかどうか、といった点についてはいろんな見解があります。リツイート機能を使わないツイートパクリがTwitterの規約違反であることについては変わりありませんが)



3.著作者自身がWebで公開しているんだったら、それを転載したりパクるのは自由じゃないの?

全然違います。

著作権法には、「公衆送信権等」という権利が定義されています。「著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。」つまり、「著作物をたくさんの人に送信したり、あるいはインターネットでダウンロードできる状態にする権利は著作権者しか持ってないよ」ってことなんですね。


なので、例えば著作権者以外がWebに著作物をアップすれば、それは基本的に著作権法違反です。著作権者自身が公開しているかどうか、はなんの関係もありません。



4.著作権者以外が著作物を扱ったら例外なく著作権法違反なの?

例外もないことはないです。

著作権には、「著作権の制限」という項目が定められています。こういうケースの場合、それは著作権の範囲外だよ、という項目ですね。


ここでは、例えば「教科書に掲載するのはセーフ」であるとか、「自分だけで楽しむならセーフ」「営利を目的としない音楽演奏ならセーフ」みたいなセーフ条項も設定はされています。

ちょっと重要なのは「引用」の項目ですね。

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

引用の条件については「自分の主張が主であり、著作物は従でなければならない」「引用箇所が明確でなければならない」といった明確な条件がありますので、まあ丸パクリが引用にならないことについて疑問の余地はありません。ちょっとだけ語尾を変えたり、一行だけ感想を付け加えたり、というのも引用には当たらないでしょうね。


あともう1点、「著作者の許諾があるならセーフ」という条項もあるにはありますが、これも無断転載に適用されないことは言うまでもないでしょう。




5.まとめると何が言いたいの?

ここ最近、「パクり」「無断転載」という事例を観測することがあまりに多く、しかも割と若年の人に「著作権」という言葉の理解自体がないケースも散見されましたので、可能な限りシンプルに書いてみたい欲求に駆られました。自分の子どもに説明する時なんて言おうかな、という意識でもあります。

言いたいことは

・ややこしい部分もあるけれど、取りあえずパクリや無断転載はダメだよ!!!
・著作者がイヤな気分になると結局めぐりめぐって自分が困るからみんな無断転載はやめようね!!
・無断転載や丸パクリで金儲けしてる人たちはお願いだから滅びてください

という3点だけであり、他には特にないことを最後に申し添えておきます。


今日書きたいことはそれくらいです。

posted by しんざき at 17:12 | Comment(1) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
結局何が言いたかったのか(´_`)
Posted by at 2018年01月12日 07:33
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