2016年11月17日

レトロゲーム万里を往く その136 食欲をそそるファミコンレトロゲームのお話・前編

FF15のおにぎりのグラフィックが話題になっていましたね。


大変美味しそうですよね。どうもFF15では、食事をするという要素も大変重要なものであるらしく、「美味しそうなおにぎり」をモデル化するのに並々ならぬ苦労をされた、というインタビューもみかけました。


元ツイートの方は批判的ですが、「ここにはこだわる」という意志があった上でこだわるのであれば、それはそれでアリなんじゃないかと私は思います。


ところで、「おにぎり」というのは食料のアイコンとしては極めて一般的なもので、かつてファミコンでも、数多くのゲームが「おにぎり」を体力快復のアイテムや空腹回避のアイテム、あるいはボーナスアイテムとして採用してきました。その範囲は和ゲーだけにとどまりませんでした。


一般に体力回復のアイテムとした「がんばれゴエモン」やそのシリーズ。

イベントアイテムだった、「桃太郎伝説」や「新鬼ヶ島」。

おにぎりを食うとなぜかごろごろ転がりだして無敵になる「東海道五十三次」。

川のぬし釣り。ケルナグール。熱血物語。水戸黄門。魔界島。


これらの共通点は、「グラフィックはチープなのになぜか食欲をそそる」という点です。

Goemon1j0000.png

分かって頂けるでしょうか?当時のファミっ子の間では、こんなグラフィックでも何故か十分に「美味しそう」だったんです。なんか梅干しおにぎりの味が口の中に広がって、妙に食欲がわいてきたんです。「夕飯おにぎりにして」と親にリクエストして、怪訝な顔をされたことも一再ではありません。

ここでおそらく重要なのは、「統一感」と「没入感」。そのグラフィックが全体として「浮いて」さえいなければ、そのゲームの中に入り込むにあたって、そのチープさは全く障害にならない。この世界の中で、このおにぎりのグラフィックは十二分に「リアル」なのです。

その世界に没入することが出来てさえいれば、グラフィックのチープさは必ずしも問題ではない。私はかつて、それを「おにぎり」から教わりました。


ということで、今回の万里では、おにぎりに限らず「食べ物が出てくるファミコンタイトル」を幾つかピックアップして、その「美味しそう感」を皆さまにも味わって頂きたいと思います。


1.オバケのQ太郎 ワンワンパニック

Obake no Q Tarou - Wanwan Panic (J)0000.png

FC初期の食い物ゲーとしては非常に著名な一作です。Q太郎が空を飛んだりジャンプをしたりで犬を避けつつ、その辺に浮いている食べ物を食いまくってエネルギーを補給、友人たちのいろんなトラブルを解決します。

恐らく、コンシューマーゲーにおける「満腹度」「空腹によってゲージが減っていき、ゼロになるとミスになる」というシステムの草分けであると考えていいでしょう。そういう意味では、遠く「風来のシレン」や「ダンジョンマスター」の始祖であると言っても過言ではありません。あ、過言ですか。そうですか。

このゲーム、おにぎりやキャンディー、ケーキなどのグラフィックもさることながら、Q太郎が食べ物アイテムを食べる時の「ぱくっ」という効果音が妙に印象的で、音も併せて「なんかケーキ食べたくなる」という効果がかなり強いのです。ゲーム自体は若干理不尽難易度ゲーな側面もありますが、バンダイ作品の中堅どころと言っていいでしょう。


2.デビルワールド

デビルワールド.png

デビルワールドです。すいません、ちょっと画像が見えにくいかも知れないですが、ソフトクリームと、タマゴンの右下にある黄色いのわかるでしょうか。これ、目玉焼きなんですよ。

ソフトクリームの妙に気合いの入った造形もさることながら、目玉焼きを食べる時の「もきゅ!」という感じの効果音が、ワンワンパニックと同じくこれまた絶妙でして。このゲームやってると目玉焼きを食べたくなること請け合いです。

ただ、ソフトクリームと目玉焼きってあんまり食べ合わせよくないような気もするんですが。目玉焼きの原料とか考え始めると食欲なくなるんで注意です。


3.プーヤン

Pooyan0000.png

プーヤンです。母さん豚が一番おいしそう、とかそういう話ではなくて、これ骨付き肉を投げてるところなんですが、分かりますか?

「原始肉」というのはゲームにおいても一種特別な地位を占めている食料でして、ゲームにおいてはファイナルファイトで大きく出世したような気もしますが、コンシューマーでの「原始肉的な肉」の初出は多分これの筈です。狼に肉料理として食べられてしまいそうなところ、肉料理で反撃するというのは非常にウィットに富んだ演出ですよね。

ただ、やはりどちらかというと豚肉が食べたくなってしまうのが若干の問題点です。あと、プーヤンって最初にさらわれた子豚の名前なんですけど、ご存知ですか?母豚の名前は謎です。


4.アイスクライマー

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野菜枠ではアイスクライマーを外すわけにはいきません。ナスから始まって、ニンジンキャベツにトウモロコシ、かぶにかぼちゃにとより取り見取りです。めっちゃ食物繊維豊富。

造形がやけに細かいこともさることながら、ここでもやはりポイントになってくるのは効果音。表現が難しいんですが、とった瞬間の「むぎゅ!」という感じの音は、本来野菜食っても出るような音ではないんですが、なぜか妙に小気味よく、新鮮そうな野菜の色合いを含めて食欲をそそります。野菜大事だよねって思うこと請け合い。

一番うまそうなのは多分トウモロコシだと思うんですが、個人的にはキュウリのとぼけた表情もイチオシです。


5.サラダの国のトマト姫

Salad no Kuni no Tomato Hime0000.png

なにこの色艶。いや、実際には柿っ八は食料でもなんでもなく旅のお供でして、主人公もキュウリの戦士なので野菜枠なのですが、このグラフィックにおける柿っ八がやけにおいしそうだったので紹介してみます。

サラトマはみなさんご存知野菜や果物がキャラクターのアドベンチャーゲームでして、道中バナナロンやらウォーメロンやらモモ子やら、結構おいしそうな造形のキャラクターが出てきます。野菜嫌いの小学生にもお勧め。

柿っ八は主人公の所持品を勝手に持って落としまくってくれるという、なかなか印象的な相棒ポジションなのですが、実はあっち向いてホイをやってくれるのも彼なので割と重要なポジションです。間違ってもバナナロンに食べさせてはいけません。


6.くにおくんの時代劇だよ全員集合

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料理のグラフィック自体は出てこないのでちょっと番外ですが、個人的に非常に思い出深いのが時代劇。あちこちの食べ物屋で「そば」だの「うどん」だの「にぎりめし」だの「てんぷら」だのを注文できるのですが、それをかき込んでいるくに政のモーションが妙によくできていて、「ぎゅぎゅぎゅっ!」というような効果音もあいまってむやみやたらと食欲を煽るのです。

グラフィック自体は出ていないのにこの誘因力というのは、ある意味出色だと言っていいでしょう。このゲームやってると妙にそば食べたくなります。あと店員の女の子が地味に可愛い。


番外.アップルタウン物語

Apple Town Story - Little Computer People0001.png

食欲をそそるかどうかはちょっと別問題として、スクウェアの暗部こと「アップルタウン物語」にも食事シーンは出てきます。このゲーム、女の子「キャシー」と猫一匹の生活をただひたすら窃視するだけという、作ったヤツは一体何考えてたんだ的な恐ろしいゲームなんですが、元ネタの「リトル・コンピューターピープル」ではなんかよくわからないおっちゃんが窃視対象だったので、それよりは女の子にしようという判断がおそらく働いたのでしょう。

食事の時間になるとキャシーは1階に降りてきて、ちゃんと自分で冷蔵庫から材料を取り出し、コンロで調理してから食べ始めます。この時口を動かすモーションは結構よく出来ていて、スクウェアの底力を感じさせます。


ということで、速足ながらざっと見てまいりました。まだ前編ということで、他にも注目すべき「食事ゲー」はまだまだファミコンにあふれておりますので、残りは後編で、ということにしたいと思います。

posted by しんざき at 13:33 | Comment(1) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は個人的に、藤子不二雄は漫画の中で
食べ物を美味しそうに描く天才だと
思っていますが、あのゲームのケーキの再現度
は最高でしたね。
Posted by かなみん at 2016年11月18日 18:09
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