なんというんでしょう。正直なところ、潮流そのものはなかなか変えようがないとも思いますし、個人が頑張ってどうにかなる話でももはやない、とも思うんです。
同じようなスタンスの人に増えて欲しいとか、ブログ書きとしての矜持ということですらありません。ただ、私はこうして行きたいという話、言ってしまえば単なる所信表明というか、方針の確認です。
なんの話かというと、webにおけるPV至上主義の話です。
Twitterでこんな記事を教えて頂きました。
大統領選のようなマクロな話から、welqやまとめサイト、あるいははてブのようなミクロの話まで、2016年という年はほんとーに、
いやという程「PV至上主義」の弊害を見せつけられた年だった、と思っています。正確には、以前から山のように積みあげられていた弊害が、これ以上ないくらい可視化された年、というべきでしょうか。
興味をひく記事がいい記事だ、読まれる記事がいい記事だ、読ませたい、読まれたい。たくさんの人に話題にして欲しい。
その欲求やスタンス自体が悪いとは思いません。書いたら読んで欲しいというのは自然な欲求ですし、それが収益と結びつくなら余計そういう欲求が表出しやすくなるもんでしょう。
ただ、その結果として、剽窃や盗作が横行したり、ねつ造や炎上狙いの記事・発言が飛び交ったり、どこかで見たような記事が相互ブクマでホッテントリに載りまくったりしているのをみていると、「もうちょっと何とかならんのかなあ」と思ってしまうのは致し方ないところなのではないかと思うわけです。
てっけんさんのツイートを引用します。
shinzaki / しんざき
RT @tekken8810: 問題の根っこはおそらく、「デマでPVを稼ぐ」という行為そのものではなくて、彼らがわりと本気で「手段はどうあれPVが稼げているということは自分たちは善いことをしている」と思い込んでるところなんですよ at 01/03 14:29
これ、てっけんさんは企業のメディアやwebメディアを想定されていると思うんですが、個人のブログでもほぼ同じような状況が多々見られると思っているんですね。昔からブログやらニュースサイトやらやっている人達が警句を発しても、「え?何が悪いの?」「老害が嫉妬してなんか言ってる」くらいにしか捉えられていないことが多いように思います。
もう10年以上前のことですが、「ブログを書く目的」は、「書きたいという欲求」と「反応が欲しいという欲求」の二つに支えられている」という話を書いたことがあります。
私は当時、「書きたいという欲求と反応が欲しいという欲求、二つがバランスを崩すとあんまりよくないことが起きるんじゃないかなあ」と思っていました。そこから考えると、現在の状況、「反応が欲しいという欲求」が収益モデルと結びついて大きく肥大化し、いろんな弊害が発症してしまっているメディアやブログが多くみられる、ような気がしています。
個別個別に、たとえば剽窃や盗作を取り締まったり、著作権侵害を訴えたりといった対応をすることは可能ですが、根本的なところで「PV至上主義」とでもいうような潮流が堅持されている限りは、同じような弊害はずっと発生し続けるでしょう。Googleが根っこから検索ロジックを変更したり、あるいはアドセンスの方針がどかーーんと変わったりしない限りは、状況が大きく変わることは期待出来そうにありません。
だから、せめて自分は、そういうところに飲み込まれないでいたいなーと。
書きたいという欲求に忠実に、読者のニーズなんてひとかけらも気にせず、自分に書けること、自分にしか書けないことを書き続けていきたいなーと。読んでもらえるのはありがたいことですが、たくさんの人に読んでもらえたとしたらそれは飽くまで「私が書きたいこと」が何かを堀当てた結果であって、始めから鉱脈を狙って既存の炭鉱を掘り返しまくったり、あるいはよその炭鉱から鉱石を盗んでくるようなことはしたくないものだなあ、と。
「「ニーズ」に死を」とまでは思いませんが、元々あちこちにある「受けそうな傾向」「受けそうな記事」を探るよりは、そんなこととは全然関係ないところで好き勝手やっていた方が、新しい何かにつきあたる可能性は高いんじゃないか、と。
誰に勧めるわけでもありませんが、少なくとも自分はずっとそういうスタンスでやってきたし、今後ともそういうスタンスでやっていきたい、と思うわけなのです。
読者の皆様にこういうのも申し訳ないのですが、私はみなさんのニーズを一切斟酌しません。今までもこれからも、自分が思いついたこと、自分が書きたくなったことだけを書きます(あとレトロゲームの記事)。それでも「なんかこれ面白そうだな」と思ったら読んでやってくださいませ。
今日書きたいことはそれくらいです。
あ、あと全然関係ないですけど個人的かつピュアな欲求としてNAVERまとめには潰れて欲しいです。ご検討の程、よろしくお願いいたします。
そういう意味では今更警句を並べようと信頼に乏しいということなのでしょう