昔、ファミコンで「なんてったって!ベースボール」というゲームがあったんですよ。みなさん覚えてますか?
1990年にサン電子から発売された野球ゲームなんですけど、その一番のウリが「親ガメカセット、子ガメカセット」システムだったんです。
本体のソフトの後ろに拡張スロットがあって、そこに子ガメカセットを差し込むことで、追加の最新データで遊べますよ、っていうシステムです。
概念としては、今でいう「DLC」の走りですよね。まあ、子ガメカセットだけでもそれなりの値段するってこともあって、どうもあんまり売れなかったようで、結局子ガメカセットって「OBオールスター」と「'91開幕版」の二本しか発売されなかったんですけど。
早い話、「ゲームの内容を後から追加する」っていうのは、かつてそれだけ大がかりな仕組みが必要なことだったんですよね。
特に家庭用ゲーム市場において、ゲームというものは基本「買ったら買ったっきり不変のもの」であって、例えばどんなに大きなバグがあっても、どんなゲーム上の問題があっても、それが「後から解決する」ということはほぼありませんでした。当然、「追加データが出てゲームが拡充される」ってことも、上記のような極少数の例外を除くと、ほぼあり得ないお話でした。
ディスクシステムで何本か出てた「書き換え版」だって、あれ半分新作みたいなものでしたからね。
それが、現在では、DLCあり、アップデートあり、バグフィックスあり、追加コンテンツありと、「ゲームは後から内容が拡充されるのが普通」という世界になっています。むしろ、「最初の段階でゲームがすべて評価出来るとは限らない」というところまで来ています。
これ、簡単なようですけど、ものすっげえ話だと思うんですよ。開発者にとっても、ゲーマーにとっても。
たとえバグが入り込んでしまっても、バグフィックスでやり直しが効く。「もっとこんな風に遊びたい!」「こんなシナリオが欲しい!」みたいな声にも、答えられる可能性がある。ゲームが、遊んでいる内に、更に面白くなっていく。こんなこと、かつてのファミコン時代・スーファミ時代には、想像することすらできませんでした。パソコンのゲームですら、後からパッチやPKがリリースされることはあっても、ここまで「アップデートが当たり前」の世界ではなかったと思います。
「アップデート」「追加コンテンツ」だけの話ではありません。ラグが少ない通信対戦。物凄い発展性をもったAI。kinectのような新しい入力体系や、その可能性。AR、VRの例を挙げるまでもなく、今この瞬間にも、ゲーム業界は「ゲームの可能性を広げる新しい技術」を眼前に見続けています。
昔、こんな記事を書きました。
・映画並みの綺麗な音、映像・ワイヤレスコントローラー・カラーの携帯機、ソフトは据え置き機のものがそのまま使える、テレビも見られる、ワイヤレス対戦・画面に合わせて床が稼動するファミリートレーナー・ゲームキャラと同じ動作をするコントローラー・立体視出来るグラフィック・実際に乗り込んで上下左右に動く筐体・架空の世界に住む人達を、実際に通信回線でプレイヤーが演じるゲーム・通信回線で色んな人と遊ぶRPG・オンラインカジノこうしてみると、全く描写通りではないにせよ、殆どの「夢」が色んな形で実現していることが分かる。
確かに、「この時代をゲーム好きで生きることが出来て良かった」っていう時代が、かつてありました。80年台、90年台のあの時代、自由にゲームに触れることが出来たのは、私の人生においてかけがえのない財産という他ありません。今でも、「あの時代にリアルタイムでゲームが出来た人たち、凄いうらやましい」という声を聞くことは頻繁にあります。
ドルアーガの塔が、ゼビウスが、パックランドが、リブルラブルが、リアルタイムにゲーム業界に現れた時代。ダライアスが、奇々怪界が、バブルボブルが、ナイトストライカーが、リアルタイムにゲーム業界に現れた時代。
私にとっても「うらやましい」過去もありますし、「少しでもその時代にいられて良かった」と思う時代も勿論あります。
ただ、今の時代だって、いやこれから先の時代だって、十分に「ゲーマーにとって夢のような時代」であり続けているんじゃないかなあ、と。わくわく出来るような夢がかない続けている時代なんじゃないかなあ、と。
技術だけの話ではなく、すげえ面白いゲームも次から次へと生まれ続けているんじゃないかなあ、と。VRだって、ポケモンGOだって、それに当てはまるんじゃないかと。
我々ゲーマーは、今の時代、次から次に様々なゲームが生まれて、それが凄い面白いということを、もっと誇ってもいいと思うんです。他の時代に生きたゲーマーに対して、「どうだ、俺たちの時代はこんな凄いゲームが遊べるんだぞ!」と言っていい。それくらい、面白いゲームって今もたくさん出続けていると思うんですよ。
誇りを持って、ゲームを遊ぼう。
これから先、一体どんな「夢」が生まれて、そして叶っていくのか。一人のゲーマーとして、これからもそれを楽しみにしつつ、ゲームを遊び続けたいと思うわけです。
今日書きたいことはそれくらいです。
Counter-Strike: Global Offensive