いつも通り、こういう話を可視化するのも意味があるかなーと思ったので書いてみます。
長男、9歳。小学4年生になって一カ月。
最近になって、長男「一度塾というものに行ってみたい」というようなことを言い出しまして。お友達の中で中学受験を見据えて塾に行き出した子が何人かいることと、最近中学の文化祭なんかに行ってみて、「中学というのはこういうところなのか」ってちょっとお勉強意識が出て来たらしいんですね。
自分が中学受験を体験していないこともあって、私は正直、まだ小4の頃から塾なんか行かなくてもいいんじゃないのかなー?とも思っていたんですが、折角本人がやる気を出しているので、体験入塾をさせてあげたんです。ちょっと聞いてみた感じでは、「学校の勉強よりずっと難しい、けど面白い」みたいな、割と前向きな感想が出てきているようで、ああ悪くないのかな、と思ってたんです。
昨日の話です。帰りがいつもよりちょっと遅くなりまして、20時半くらいだったでしょうか。いつもならお風呂に入って寝る準備にかかっているところ、しんざき奥様と長男は何やら二人で算数の問題に向かい合っていて、なんか久々に空気が煮詰まっているように見えたんです。奥様の言葉を長男が受け入れない、聞かない、的な拗ねモードです。奥様もちょっと困っているように見えました。
ざっくり状況を確認してみると、算数の図形の問題で、図形の周囲の長さとか、図形の一部分の面積なんかかを限られた情報から導きだす、「あー、学校ではあんまりやらないよね」的な問題で長男が苦戦しているようでした。
あったあったこういう問題。しんざきは昔、補習塾で数年バイトをしていたことがありましたので、算数を教えるのは割と得意です。奥様には長女次女を寝かしにかかるミッションに入ってもらって、バトンタッチ。
パパと勉強してみる?と言うと、長男こっちを向かないで、何か黙々とレゴブロックを片づけ続けています。ああ、なんか抱えてるなーというか、何か我慢してるなー、と。
取りあえずちょっと気を緩めてあげたいと思って、「長男偉いなー、こんな難しい問題、こんな時間まで勉強するの大変だったろ」と言ったら、なんと長男、いきなり泣き出しちゃったんですね。
ああ、辛かったんだなあ、と。
正直長男、今までは、あまり学校の勉強に苦戦したことってなかったと思うんですよ。算数も国語も、自分では得意だって言ってましたし、分からないところも見当たらない。小学校時点ではあんまり珍しくない、一種の無敵モードですよね。
それが、学習塾っていう全然別のフィールドに出てみたら、いきなり「解き方が分からない」「理解出来ない」問題がぱかすか出てきた。自信家の長男にとっては多分、何よりもそれがショックだったんだろうなーと。
勉強で一番難しいことって何か、ってご存知ですか?
当たり前みたいですけれど、それは、「分からない」に対応することなんです。
「分からない」に突き当たった時、どう対処するか。対処出来るリソースをどうやって探すか。そもそも、「分からない」を明確に意識すること、言語化することが出来るか。人に頼ることが出来るか、教えてくれる人を見つけることが出来るか、見つけられないとしたら自分で調べることが出来るか、理解出来る参考書を探すことが出来るか。
これ、当たり前のようだけど、当たり前に出来ることじゃないんですよ。「分からない」に突き当たった時、そもそも「分からない」を言語化することも意識することも出来ず、勿論人に聞くことも出来ず、なんとなく分からないまま通り過ぎちゃう子、山ほどいます。ものすごーーーくたくさんいます。多くの場合、それは取返しが付かないくらい「分からない」が積み上がった後、やっと発見され、対処が可能かどうか(主に大人によって)検討されることになります。周囲の環境も含めて、正直運次第って部分もないではないです。
「分からない」を解決する為にはどうすればいいか、っていうノウハウはたくさんあります。けれどこれも、経験しないままだとずっと身につかない。小学校、中学校でずっと「分からない」を経験しないまま通り過ぎて、高校になって初めて「分からない」にぶち当たって、どうすればいいか分からず落ちこぼれちゃう子、とかも全然珍しくありません。
「分からない」を認識してそれに立ち向かうことって、それだけで、ある種の訓練というか、慣れを必要とすることなんですよね。「分からない」にある程度慣れていないと、そもそも自分が分からないことが分からない。分からないことを見過ごしてしまうんです。「分からない」を直視するのって、精神的にも結構大変なことです。
だから、ごくごく初期の段階で「分からない」を発見してきちんと対処出来る、っていうのは凄く難しいし、貴重なことなんです。
そういう意味では、長男は凄くいい経験が出来たなあ、と。まだほんのちょっとの期間だけど、塾に行きたいって自分で言い出して、いきなり「分からない」に突き当たって、しかもそれをちゃんと持って帰ってこれたってのはとても偉いなあ、と。更に、やたら忙しい時間なのにそれをちゃんと拾ってくれた奥様もありがたいなあ、と。
泣き出した長男は、しばらく抱っこしていたら落ち着きました。
その算数の問題自体は、なにせ昔何十人も教えていた問題なので、教えることは簡単でした。ただ、折角なので、「いくつもやり方があって、その中から自分に合ってそうなやり方を選ぶ」っていう経験はさせてあげたいなーと思いまして、何パターンか解き方は教えてあげました。多分一回じゃ身につかないんで反復させてあげないとなって思ってるんですけれど。
それはそれとして、傷ついているであろう長男の自信のフォローはしてあげないとなーと思いまして。最近長男ドラクエにハマってるんで、こんなたとえ話をしてみました。
長男は、今アリアハンからロマリアに出てきたところなんだ、と。
ロマリアに行くといきなり敵が強くなるのは当たり前のことで、苦戦するのも当然のことで、それはちゃんとゲームの展開に沿ってるんだ、と。
ロマリアの敵は経験値も多いから、あっという間にレベルが上がってちゃんと倒せるようになるから、ちょっとびっくりしたかも知れないけど、全然心配することはないんだ、と。
ただしいきなりアッサラームに行くと死ぬからよせ、と。
そしたらどうもたとえ話が刺さったらしく、きゃっきゃ笑って、その後は割と元気になりました。良かったです。
いきなりアッサラーム行くと死にますよね。やりました昔。あと昔奥様が、「ちょっと今日の夕飯は冒険かも」って言ったから「ドラクエ3でたとえるとどの辺?」って聞いたら「ロマリアに着いた直後、何も考えずにアッサラームの方にいったくらい」って答えが返ってきたことがありまして、あの時は「らめえええええ」と思いました。
「分からない」は発見することこそが一番難しいんだ、という話でした。
ということで、ちょっとした話でしたが、今日書きたいことはそれくらいです。
子供の頃、数学が苦手で父親に聞いても
怒った挙句に俺に聞くなよと返され、
母に聞けば数学なんて簡単なんだからと
解き方を教えてくれるけど
本人が理解していないので何もわからない。
それはさておき、
ロマリアから直でアッサラームに行くぐらいの
大冒険料理の結果がどうだったのかが
すごく気になります(笑)。
あばれざるのような料理ってw
まぁ子供のうちは泣いて親に頼ればいいですけど(ゲッソリ
なので、子供のそうした状況を救ってあげられる、察知できる大人が周りにいるかどうか、というのは、子供にとってとても大事ですよね。
子供達の「わからない」を拾ってあげられるようにしたいと思います。
ドラクエの例え話、今度使わせていただきます
ぱ ふ ぱ ふ
別の意味で早いですね…
私もしばらく、わからないと言えない
わからないと言ってしまうのは恥ずかしいという人間でして
これをうまく対処できると本当に人生
楽になりますよねえ。
でも、私が問題の解き方を教えてしまったんですよね〜。
この記事を読んで、もうちょっと違うやり方があったなぁと反省してます。
勉強ってわからないまま進むと詰んでしまいかねないので、今そこで解消出来るのはとてもラッキーです。
(煮詰まっているは誤用っぽいので行き詰っているですかね…)
確かに分からなくて「煮詰まって」悲しくなる経験は痛い程わかります。私もお子さんと同じくらいの年の頃は両親や兄に分からない事を訴えても満足する回答どころか、逆ギレされて勉強嫌いになりました。
それを踏まえて自分の娘には分からなくても頭ごなしに責めたり怒鳴ることもせず、娘の目線に立って緩く接して果たして良かったのかと思ってましたが・・・どうやら正解だと確信しました。
ありがとうございました
分からないことにぶち当たって呆然としてしまう、っていう体験自体が貴重ですね。
分からなくても平気になってスルーしてしまう子にならないで欲しい…と思います。
いずれ文章題が出現した際には日本語読解力が
重要になりますので、よく読書をするよう
勧めてあげて下さい。
中学生になって方程式を学ぶ際にこれが
きっかけで数学嫌いになる子が結構多い印象が
あります。
塾講師のご経験があるとのことですので、
釈迦に説法かとは思いますが。
「偉いね、大変だったね」という言葉をまずかけてあげることが私にできるだろうか。
これは勉強に限らず使えていいですね!
小4がロマリア アッサラームネタが解るくらいDQ3をやっている
何か臭いな
うちの男児は小3の9才だけど、ハグ(抱っこ)は結構するけどね。体重は35kgを超えたので持ち上げるのは少々きついけど。
未婚・子無のチーさんには、色々分からんだろうなぁ。
残念、既婚子ありです
自分の子どもの頃やうちの子が小4の時を考えてコメントしました
発達は人それぞれで遅れてる子も居るから、決めつけはよくなかったです、申し訳ない