あったんですよ。
皆さんやってましたか?覚えてますか?ファミリーベーシック。
ベーマガの特選プログラムのコーナーとか、Dr.Dの投稿プログラム添削とか、懐かしいですよね。
「君だけのゲームが作れる!!」「君のゲームでマリオが動く!!」っていう言葉が最大の売りだった、ゲームプログラミングツール。1984年という、ファミコンの歴史からするとド初期に叩き込まれた、曲りなりにも開発プラットフォーム。
しんざきは、兄の門前の小僧で、このファミリーベーシックを遊んでいました。
しんざきと兄は5歳違いでして、当時兄は既に小学校高学年でした。一方私は幼稚園からようやく小学校に上がる頃。
それでも、「任天堂のファミリーベーシック入門」とか、「ぼくらのファミコン入門」とか見ながら、何時間もかけて参考プログラムをぽちぽち打ち込んで、散々エラーで怒られて、ついにRUNさせたらコントローラーでマリオが左から右に動いたりしたんですよ。
いや、これ、笑うところじゃありませんよ。
「自分が打ち込んだプログラムで、画面上のマリオがコントローラー操作に基づいて動いた」
んです。
当時、本当にこれだけでもドすげえ感動しましたし、たとえプログラミング入力に数時間かけて遊ぶのは10秒、という状況だったとしても、あれは間違いなく、私にとっては「ゲーム開発」以外の何者でもなかったんです。
そこから、何だかんだで、私数年はファミリーベーシック続けてました。
勿論そんな大したゲームが作れたわけではないです。プレイヤーに数字を入力させて、ランダムな数字を当てさせる数字当てゲームとか、サンプルプログラムをちょっといじってパラメーターを変えただけのゲームとか、精々そんなもんです。
ただ、今私が一応システム関係の仕事をしていて、最近はあんまりですけどなんだかんだコードも書いてたのも、根っこには間違いなくあの「ファミリーベーシック」があったと思うんですよね。
我々は、ファミリーベーシックで変数定義を学んだ。
関数を学んだ。
ルーチンを学んだ。
アルゴリズムを学んだ。
DEF MOVEを、IF THENを、行番号とGO TO を、CGSETを学んだ。エラー処理を、デバッグを学んだ。
たとえそれが、どんなに切れ端の知識であって、時にはファミリーベーシック以外ではなんの応用も出来ない知識だったとしても、あれって「何かの始まり」ではあったと思うんです。
ファミリーベーシックって、結局どれくらい普及したんでしょう?wikipediaの記載では40万台は売れたってことですけど、これがV3やらバージョン違いも全部合わせた数字なのか、国内だけなのか世界なのか、その辺はよく分かりません。
ただ、勿論、当時ファミリーベーシックを買った子どもたちが、皆が皆ゲームを作れたか、っていうと恐らく全然そんなことはないんです。
「ゲームプログラムモード」がハードル高いものだということは、任天堂も最初から分かっていたんでしょう。だから、大本のファミリーベーシックは、カリキュレーターモードとか占いとか、プログラムモード以外の遊びを入れざるを得なかった。ゲームプログラム以外の最低限の遊びも含めざるを得なかった。多分、「占いやミュージックモードをちょっと遊んで終わり」くらいの子どももたくさんいたんじゃないでしょうか?
ただ、ファミリーベーシックで任天堂がユーザーに言いたかったメッセージって、間違いなく
「作れ!!作ると面白いぞ!!!」
だったと思うんですよ。そこは、多分そこだけは間違いない。
あの時、実際に「作った」ファミっ子がどれだけいたのか。それは勿論想像するしかありませんが、少なくともそのメッセージが届いた子どもたちが、私を含めて複数人いたことは間違いない。そして、そういう子どもたちの中には実際、「作ると面白いぞ」という言葉を実感し、最終的には作る側に回った子どももいたんです。ゲームでこそないものの、私もその端くれです。
作るの面白いよ、というメッセージ。勿論、他にも多くのメーカーが発し続けてきたメッセージではありますけれど、任天堂にとっても、そのメッセージって多分特別言いたいことであり続けているんだろうなーと思ってたんですよ。マリオペイントしかり。miiスタジオしかり。最近でも、マリオメーカーなんてその代表例でしたよね。
で、NINTENDO Laboを見たんです。
姿も違うし、出来ることも、出来る範囲も、実際にやることもぜーーんぜん違うけれど。
これはもしかすると、時代を越えてもう一度「作れ!!!!」ということをユーザーたちに叫んでいる、ファミリーベーシックの再来なんじゃないかなーと。
かつてのファミリーベーシックと同じように、ハードルの高さを感じる人も、買ったはいいけどすぐ押し入れにしまっちゃう人もたくさんいるだろうけど。
その中で、多少の人数には「作れ」というメッセージがダイレクトに届いて、数十年後に全然違ったフィールドで何かを作るようになる子どももいるのかも知れないなー、と。
そんな風に思ったんです。
わたしは子供の頃、ベーシックやいわゆるコンピューターというものに触れても『つまらん!』と言うよりかは『なんじゃこれ?』でした。
大人になった今でも頭の弱いわたしは、子供の頃、何かを作るといえば主にブロックで戦艦を作りキン肉マン消しゴムを搭乗させて遊んでいました。
うちの子供達は何を作ることに興味を抱くのか…
その選択肢を増やしてやりたいとは思うんですが、親であるわたしの能力の足りなさに嘆く毎日です。
子供の頃に何かを作るって、夢中になるものと何の関心も示さないものと極端に別れませんか?
わたしは子供の頃、ベーシックやいわゆるコンピューターというものに触れても『つまらん!』と言うよりかは『なんじゃこれ?何をするもの?』でした。
大人になった今でも頭の弱いわたしは、子供の頃に何かを作るといえば主にブロックで戦艦を作りキン肉マン消しゴムを搭乗させて遊んでいました。
その影響があったのか、今は製造業に勤めています。
うちの子供達は何を作ることに興味を抱くのか…
その選択肢を増やしてやりたいとは思うんですが、親であるわたしの能力の足りなさに嘆く毎日です。
作るって楽しいって伝わっているのかも疑わしいんですけどね( 一一)