不倒城では基本的に「今更」って言葉を死語にしているんですが、先日ゴーストトリックをクリアしました。iPhoneでも出来るみたいなんですが、私はAndroid使いなのでDS版を買いました。
もーーーーー、いやもーーーー。最高でした。最高でした。本当に素晴らしかったです、ゴーストトリック。ここまで良質なAVGを味わえたのは本当に久しぶりです。私、例えば逆転裁判シリーズでは3が一番好きなんですが、3をクリアした時と大体同じようなプレイ後感を、じーーんとしばらく味わってしまいました。なんで今までやってなかったんだよって感じです。私がやっていない名作が世の中には多すぎる。
ゴーストトリックは、「逆転裁判」シリーズの企画・シナリオで知られる巧舟さんがディレクターになったAVGで、「主人公が最初から死んでいる」「主人公は、「トリツク」「アヤツル」といった死者のチカラを操って、自分の死の謎を解こうとする」という舞台立てのゲームです。
まずは、ゴーストトリックをまだプレイしていない人の為に、ネタバレなしの感想を書いてみたいと思います。
〇操作・システム
当初想像していたよりもだいぶアクション性が高かったです。
PVをご覧いただければわかると思うんですが、このゲーム、基本的にはサイドビューの場面を見ながら、画面のあちこちにある「コア」を「トリツク」を使って次々飛び移っていき、「アヤツル」を使って状況を変化させていく、という形で進むんです。
ただ、この時「トリツク」対象がいつもいつもじっとしている訳ではなく、動いている対象にタイミングを計って「トリツク」をしなくてはいけない場合もありますし、ぼやぼやしていると遠くに離れてしまって手が届かなくなる、なんてこともあるんです。時には「何かをぶつけて対象を飛ばす時、ぶつかった後素早く飛ばされる対象にトリツキな押さないといけない」なんてことも。
場面はちょくちょく時間経過しますし、キャラクターや物品が刻々位置を変える場合もあります。単に「どれをアヤツったらどう状況が変化するか」を考えればいい、というだけではなく、「どのタイミングでアヤツレば状況が好転するのか」「どうタイミングを計れば目的の場所に着けるか」なんてことを考えるのもこのゲームの特色でした。
ただ、失敗しても何度でもやり直せることに加えて、状況によっては失敗したことで面白いイベントが見られる場合もあったりするので、試行錯誤は苦ではなかったです。ただ、謎解きの難易度自体はかなり高めだなーと感じました。一部の章については、ハマる人はかなりハマるんじゃないでしょうか。
〇キャラクター
もーーーー本気でいい味出してるキャラクターばかりでした。素晴らしい。本当に素晴らしい。キャラ造形のノリは「逆転裁判」のそれに近いように感じたんですが、更にそこからもう一段、軽妙さと奥深さのバランスが向上しているように思います。
このゲーム、基本的に「既に起きてしまった事件を力ずくで改変する」という展開になるんです。その為、前段の展開では割と遠慮なく人が死にますし、結構重たい状況になることも頻繁にあります。
ただ、それでもゲーム全体が重苦しい雰囲気にならないのは、「その事態に係るキャラクターが、みんな陽性のユーモアにあふれている」ことと、「主人公であるシセルというキャラクターの安定感」に由来しているなーと思ったんですね。
とにかく本作のシセルってキャラクターはとても魅力的でして、どんな場面でもクールで、基本的には自分の目的に忠実なのに、人を助ける時は一切躊躇せず、しかも絶対に諦めない。「クールな熱血漢」とでもいうべき、実にいいキャラクターなのです。
ヒロインであるリンネとの掛け合いではちょくちょく皮肉を言ったりジョークを言ったりもするんですが、たまに妙なことを知らなかったりして、ボケ側に回ったりすることもあります。リンネとの掛け合いは本作での重要な味わいの一つ。
一方、リンネを始め、サブキャラクターも魅力的なメンバー揃いです。とにかく、どのキャラクターも共通した「深刻になり過ぎない前向きさ」をもっていて、けれど決して何も考えていないわけではなく、考えて考えて、その結果、結論として前を向くことを選択しているんだってことがすごくよくわかるキャラクターばかりなんですよ。彼らの会話、掛け合い、人間関係が、このゲームの魅力の重要な一要素であることは間違いないと思います。
しかしミサイル。とにかくミサイル。今作のMVPが、リンネと一緒に暮らしている少女である「カノン」と、その飼い犬であるポメラニアン「ミサイル」であることは間違いないと思います。カノンさんかわいい。あとミサイルもかわいい。けなげ。
あと、一部キャラの動きのナゾのキレの良さは、逆転裁判時代から数段進化していると思います。カバネラ警部の動きが夢に出てきそう。
〇シナリオ
圧巻でした。
これについては、ネタバレを避ける為に最低限のことしか書きませんが、とにかく今作は「やっぱりそうくるか」と「まさかそうくるとは」のバランスが物凄く優れているなあ、と感じました。
つまり、「そこは当然そう来るよね」「そうこなくっちゃ」という、プレイヤーの期待を裏書きする展開と、「え、え、え?何?何がどうなってんの?」という、プレイヤーの予想を裏切る展開が、非常にバランスよく配置されているのです。それを繋いでいるのが、随所随所で「あとから考えるとそういうことだったのか!!!」ということがわかる、繊細絶妙な伏線の数々です。
今私もちょうど2周目をプレイしているのですが、「うわーーーそうだったか!!」とか「ぎゃーーそういうことだったか!!」と納得する機会がダース単位でありまして、恐るべきシナリオのち密さに目を回しています。全くアラがないかというとそういうわけでもないのですが、この「やっぱり」と「まさか」のバランス感覚については、「必見」と言っても言い過ぎではないレベルではないでしょうか。
ということで、以上がネタバレなしの感想でした。
ここから先は、ネタバレ配慮関係なく、思ったことを箇条書きで書きなぐるターンになりますが、ゴーストトリック未プレイで、かつプレイに興味がある方は、クリア後にご覧になることを強く推奨します。よろしくお願いします。
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・ミサイルが!!ミサイルがけなげ過ぎる!!!
・とにかく「〇〇ですとも!!!」という口調と、そのまっすぐさがプレイヤーの心を癒しまくってくれる上に、最後の最後の展開は本当に「ああ、本作って犬と猫の物語だったんだ」と思ってしまうに十分なものでしたよ
・というか、14章でのミサイル登場には割と本当にびっくりしました
・シセルの正体については9章時点で薄々予想がつきました(記憶を失っていることの内容から)が、それでも終盤のあの謎解き具合のカタルシスは素晴らしかった
・カノンさんかわいい
・死ぬのに慣れ切っているリンネさんが歩く死亡フラグすぎて大変可愛いと思います。
・満面の笑顔で「死んじゃった!」と発言する系ヒロインリンネさん
・食いしん坊女の子は大体かわいい
・カバネラ警部と管理人さんコンビも結構いい味出してますよね
・ジョードが再びコートを着る辺りの凄まじい燃え展開
・シス司令辺りのケレン味あふれるデザインも素晴らしい
・法務大臣助けるのめっちゃ大変だった。多分あそこだけで1時間くらいハマりました
・アレ複数回答あったりするんですかね?
・ロックシンガーとカレー好き辺りの話はもうちょっと掘り下げて欲しかった気もする。まあ大体想像は出来るんですが
・最終章での「オレもいる。」はもう本当に熱過ぎる
・エイミンさんの夜更かしが心配です
・食いしん坊女の子は大体かわいい
・カバネラ警部と管理人さんコンビも結構いい味出してますよね
・ジョードが再びコートを着る辺りの凄まじい燃え展開
・シス司令辺りのケレン味あふれるデザインも素晴らしい
・法務大臣助けるのめっちゃ大変だった。多分あそこだけで1時間くらいハマりました
・アレ複数回答あったりするんですかね?
・ロックシンガーとカレー好き辺りの話はもうちょっと掘り下げて欲しかった気もする。まあ大体想像は出来るんですが
・最終章での「オレもいる。」はもう本当に熱過ぎる
・エイミンさんの夜更かしが心配です
大体こんな感じになります。
とにかく、今作が超面白かったことは確かであって、未プレイの方はぜひ一度遊んでみられるのが良いんじゃないかなーと思った次第なわけです。よろしくお願いします。
今日書きたいことはそれくらいです。
YouTubeに巧舟さんが踊るテンテコの舞や、同氏作詞作曲のミサイルのテーマソング(?)も上がっていますが、そちらも楽しいです
普通のデキかな