しんざき家では、ほぼ毎晩絵本の読み聞かせをします。皆で布団にくるまってから絵本を一冊読んで、その後電気を消して寝ます。
長男が小さい頃から始めた習慣ですが、長男は小3くらいからもう読み聞かせではなく自分で本を選んで読むようになりましたので、今はもっぱら長女次女に読み聞かせをしています。長女と次女は代わりばんこに絵本を選びます。順番を抜かされそうになると泣きます(主に次女が)。
絵本は買うこともあるのですが、多くは図書館に頼っています。図書館に子どもたちを連れていって、読みたい絵本を選ばせます。で、まとめてどさっと借ります。目黒区はその点大変ありがたく、一度に20冊もの冊数を借りられる上返すのは区内のどの図書館でもOKなので、利用し倒させて頂いております。
で、やはり子どもたちにも「お気に入りの絵本」「そんなにお気に入りでもない絵本」というものがありまして、お気に入りの絵本は何度も読み聞かせ希望スタックに入り、図書館でも何度も借りたり本屋で買って欲しいとせがまれたりするのですが、何が凄いって五味太郎先生の絵本のお気に入り打率が凄い。今まで、五味太郎先生の絵本を読み聞かせて、それがお気に入りにならなかったことがない。打率10割です。
年齢層的には3歳〜5歳くらいボリュームゾーンの本が多いんですが、長女次女は今でもちょくちょく読み返したりしています。
たとえば、ご存知の方も多いであろう「きんぎょがにげた」。「金魚鉢から逃げ出した金魚が、部屋のあちこちに隠れている」という筋立てなんですが、幼少期の子どもたちは3人が3人ともこの絵本大好きで、延々「ここ!」「あ、ここ!いたーー!」などときゃっきゃしていました。何十回読み聞かせたかわかりません。
「きいろいのはちょうちょ」。少年がちょうちょを追いかける話なのですが、各ページちょうちょの部分に穴が空いていて、ちょうちょだと思っていたらめくってみると実は…!というのが繰り返される話。これも子どもたち全員お気に入りでして、何度も繰り返して読みました。最後の最後、本当にちょうちょが出てくるんですが、もう「あれはちょうちょじゃない!」と疑念民になって無視する少年に対して、「あ、ちょうちょいるのにー!」と次女が大騒ぎするのが専らでした。
「なんとなく」。パン屋さんとか、警察官とか、買い物のおばさんが出てきて、「なんとなく」自分の仕事とは全く関係ないことを始める、というお話。通行人のおばさんがなんとなく表彰台に登ったり、パン屋さんがなんとなく車を作ったりします。これも今まさにお気にいりでして、寝る前に限らずしょっちゅう読み聞かせています。
「だれかがいます」。イラストの中に参ページだれかが隠れていて、それが何かな?というのを考える。ページをめくると意外な正体にびっくり、というような本。
ことわざ絵本。これも有名だと思うんですが、色んなことわざとセットで、五味太郎先生のイラストと、先生一流の独自解釈やらオリジナルのことわざやらが付記されています。上四冊よりは微妙に年齢層が高いかも。
他にも色々あるんですが、きりがないので一旦ここまで。
こうしてざーっと並べてみると、これらの五味作品の共通点として、
・適度な奇想天外さ、意外性
・自分から働きかけることが出来るゲーム性
・非常に短いスパンでの答え合わせ
・自分から働きかけることが出来るゲーム性
・非常に短いスパンでの答え合わせ
というものがあるような気がします。
つまり、まず何よりも「意外性」がある。ちょうちょだと思ったものが信号だったり、風船だったりする。で、それ自体、全くの出鱈目という訳ではなく、ちゃんと納得が出来る程度の振れ幅なんですよね。奇想天外なんだけど、奇想天外過ぎない。距離感覚が適度。
で、そこに対して、「自分から働きかけることが出来る」「絵本からの問いかけがある」。これも重要だと思うんです。「金魚はどこ?」と聞かれる。「ここに隠れているのはなに?」と聞かれる。読み聞かせの時にも、親が子どもを絵本世界に巻き込みやすいと思うんですよね。
で、それも、紙芝居のような風情で、親がページをめくると即答え合わせになる訳で、子どもの興味が持続しやすい。これはもう、小さい子が皆好きになるわけだよなーと思う次第なんです。
親になって自分の目が変わったと思うことの一つは、「絵本に対する感受性が昔より明らかに増したなー」と思うことです。なんというか、絵本の凄さ、絵本の面白さにやっと気づいた、とでもいうのでしょうか。子どもの頃には気付かなかった面白さ、子どもの頃には分からなかった上手さみたいなものに、最近感心させられることしきりです。
五味太郎先生が物凄いことはもはや私の中では既定事実なんですが、他にも林明子先生の滅茶苦茶な絵の上手さに最近ようやく気付いたり、山脇百合子先生の絵の余りの分かりやすさに戦慄したりということが頻繁なので、それについてもまた書きたいと思います。
今日書きたいことはそれくらいです。
我が家でも大人気でした。
もっと遡れば、『いないいないばあ』『だるまさんが』シリーズ。
年長組の息子は、かこさとしの『地球』『海』『宇宙』に夢中。
私が『地球』を初めて手に取ったのも年長の頃でした。
『宇宙』は構成が素晴らしく、今見ても古くさくない。
科学全般に興味がある子どもにはオススメですね。