「まこなこ」様より。
現在のアーケードゲーム業界と業務用対戦格闘ゲームの状況
昔からなーんとなく頭の中でこねくりまわしていた話題なのだが、丁度まこなこ様が取り上げておられる。ちょっと考えてみよう。
で、今の業務用ゲームは死滅に近づいていってるんだよな。
昔ながらのゲームセンターは全国レベルで廃れていて、逆にプライズゲームや大型筐体ゲームなどを設置した大型店舗が中心となっている。この流れは既に5年近く前からの流れとしてある。
まず、これは前提というところだろう。掛け値なしの事実である。個人的な所感を言えば、「ゲーメスト」が廃刊になるかなり手前から、昔ながらのゲーセンの商売ってものにはもう相当なレベルで無理が出ていたのではないかと考えている。
具体的な数字に興味があるのだが、今のいわゆるアミューズメント施設において、UFOキャッチャーやレースゲーム、カードもの(三国志大戦とかマジックアカデミーとか)などの大型筐体とそれ以外の小型筐体の収支の比率ってどんなものなのだろう。根拠はないんだが、多分そーとー絶望的に差が開いているのではあるまいか。
ノスタルジーとか個人的感傷はとりあえずおいておいて、まずは考えてみよう。ゲーセンの役割というか必要性とは、というか、ぶっちゃけた話ゲーセンが消えると困るかどうか?
まず先に、かつて存在した「ゲーセンじゃないとダメだった理由」というものを挙げてみよう。
・ゲーセンでないと出来ないゲームがあった(スペース・値段の問題、性能の問題、タイトル個別の問題)
・ゲーセンでないと競う相手がいなかった(対戦型ゲーム、スコアアタック)
ざっくり割ると、ほぼこの二つに集約されていたんではないかと思う。二つの中にはそれぞれ小分類があるが、基本的にはこうだ。
で、小分類の方に話を移してみる。まずは、「ゲーセンじゃないと出来ないゲームがあった」の方の話。これは話が単純で、やりたいゲームがゲーセンにしかない、という問題である。
・スペース・値段の問題
この問題は今も継続している。というか、多くのゲーセンにとってはもう完全に唯一の命綱と化している。でか過ぎて家にはおけない、あるいは高くて買うことが出来ない、という理由だ。殆どの大型ゲームはこれに該当する。レースゲームや音ゲーなど、家でも出来ないことはないがやはり実際の筐体でやりたい、というのもこれだ。小型のゲーセンにとっては手の出しようもないアドバンテージではあるのだが、これがある限りアミューズメント施設の地位はある程度保証されている、といってもいい。
・性能の問題
消えた。
いや、つまり、かつてプレステ以前の時代に存在した、「家庭用では再現出来ないゲーム」がこれに該当するのだが、言うまでもなく現在の家庭用ハードの性能はゲーセンのゲームに劣らない。というか、家庭用版と同じ開発環境で作ってほぼ同時発売をやったりもしている。性能面におけるゲーセンのアドバンテージというものは、現在地上に存在していない。いや、音ゲーの音質とかを性能に含めたら多少話は変わるが。よって、基本的にはレトロゲーム畑の問題。
・タイトル個別の問題
「家庭用に移植されてねえ」という奴。これ、全く無い訳でもないと思うのだが、基本的にはレトロ畑の話になってしまっている。つまり、最近の新作で十分に話題性のあるタイトルというものは、ほぼ例外なく家庭用に移植される、あるいは家庭用とのコラボが前提となっていると考えていい(大型を除く)。そして、移植にあたって家庭用だと画面が粗い、という様なこともない。
よって、この問題でゲーセンに足を運ぶ人というのは、単純にそのゲームを買っていない人か、過去移植されなかったタイトルをプレイしに行く人に限定されてしまうという訳だ。私などにとっては最も重要な問題ではあるのだが、業界全体から見れば小粒も小粒の需要ではある。
まず、ゲーセンにいかないと出来ないゲーム、というのは大体以上の様な次第で、少なくとも「過去ゲー」の枠をとっぱらってしまえば、極めて零細な理由にならざるを得ないという訳なのである。
続いて後者の問題。「競う相手がいねえ」という話。
・対戦型ゲームについての問題
消えつつある。
いや、実際にはまだまだゲーセンの命綱の一つであり、特に一部の「○○のメッカ」と呼ばれる様なゲーセンにおいては、格ゲーをはじめとする対戦系ゲームは稼ぎ頭筆頭である筈だ。
問題になってくるのは「通信対戦」である。
格闘ゲームというのは厄介なモンで、特にマニアックな層であればある程緻密なプレイをする。現在の通信対戦はまだ問題も抱えていれば浸透度も低く、ゲーセンにいかないと出来ないレベルの対戦というものは今でも普通にある。
が、これは要は時間と技術力による課題なのであって、実際には既に通信対戦がゲーセンにおける対戦をじわじわと食いつつある。格ゲー自体がもはや下火、という問題もあり、ゲーセンなればこそ味わえる熱い対戦、というものはだんだんとレトロゲーム畑に移りつつある。過去タイトルで対戦が熱いゲームなどは消えると思われず、それらが新たに通信環境に移ったとしても依然としてある一定層は残り続けるだろうとは思う(金曜日に新宿モアに通ってる様な連中とか)。が、これも需要としては小粒化しつつある。
・スコアアタックについての問題
消えつつある。
いや、個人的には断腸の思いなのだが、まず第一に「スコアアタック」というもの自体がやはり現状既に下火であったりする。理由は色々考えられるが、まあ今はおいておこう。
そして、数少ないスコアアタック要素というものも、上記通信環境というものに吸収される下地が整いつつある。なにしろスコアには通信問題が発生する程の通信量がない。結果を競うだけなら通信で十分であり、ご家庭でも十分に楽しめる遊びでしかない。
かつてはゲーセンにこないと味わえなかった、「同じ筐体でハイスコアを塗り替え合う見知らぬアイツ」みたいな楽しみも最近はなかなかないのかなー、と思うと残念きわまりないが、なんにせよレトロゲーム畑の問題。
大体以上の様な視点なのだが、どんなものであろう。後、ロケテストの事情であるとか、基盤業界の問題なども大きいかも知れないが、ユーザー視点で言うとほぼ上記の様な状況に集約されるのではないか、という思いがある。
まとめると、
・対戦需要ってものがまだ結構あることはあって、それが一部ゲーセンの命綱になってっけど、このままじゃかなりの状態でやばいよね、っていうかゲーム業界におけるゲーセンの地位ってもうあんまないよね
・っていうかオレレトロゲーマーっていうか生きた化石だしむしろオレが個人的にやばくね?なんか他人事論評してる場合じゃなくね?
という様な結論になるのではないかと思う。
・・・取り敢えず新宿モアのナイストに布施ってきます。
ゲーセンなくなると寂しいです。
理由はやっぱり場の喪失感です。
ファミコン世代なのでレゲーは好きです。
お気にをアケで見つけると嬉しくなりますよね。
何が足りないんでしょうね。
我々の情熱は、いまだ衰えていないはずなのに。
つーか、なんなんでしょうな、あの時代の流れから取り残されたような空間は。
同系列の大型店では三国志大戦が平日で7〜9万ずつ稼いでいます。回転率が悪い機械なので幅は少ないそうです。
因みに鉄拳5は入荷当初、日Ave.で5万ほど入っていました。今はかなり落ちています。これも参考程度に。
>ゲーセンなくなると寂しいです。
>理由はやっぱり場の喪失感です
そうですね、同感です。といっても昔ながらの「ゲームセンター」の話ですけど、やっぱり空気が違うっていうか、わくわくする様な感覚っていうものがあるんですよね。格ゲーとかも、ゲーセンでやってこそ、というものが。
>何が足りないんでしょうね。
>我々の情熱は、いまだ衰えていないはずなのに。
情熱は私もすげえ勢いで燃えてるんですが。やっぱりメーカー側も、「昔ながら」に適合するゲームをあまり作れなくなっている、っていう面もあるんでしょうか。
>ゲーセンなくなっても、旅館のゲームコーナーとかで細々と生きていけるとみた。
旅館のゲームコーナーは秘境なり。ただ、最近のちょっと小奇麗なところは、ゲームコーナーの中身の台も結構入れ替えてたり。余計なことするなっちゅーねん。
古ゲー探しは旅館止まりの醍醐味ですな。
>バブシカさん
むむう、貴重なデータありがとうございます。プライズ・ビデオでざっと3:1ですか。
で、三国志大戦みたいのがそれくらいと。どれくらいの期間で筐体台がペイするんでしょうね?
ある日に気が付けばフロアの半分近くがプリクラになってたし、、、、
コメントありがとうございます。
>ある日に気が付けばフロアの半分近くがプリクラになってたし、、、、
そうですねー。私もいつぞや、新宿モアの二階がそっくりプリクラコーナーになっていた時は若干ショックでした。
まあ、収支の面から言うとビデオゲームの比じゃないらしいですから仕方ないのかも知れないですが。
三国志大戦の値段は確か600か700万だったと記憶しています。カード代とかを抜かし売上を考えると一月で元が取れるんですよ。
ただ大きい機械なので人気が落ちた時の扱いが大変ですね。現在ダービーオーナーズクラブなんかは何処でも手に余っていると思います。
追加情報ありがとうございます。やっぱり本職の方の情報は違いますね。
で、プリクラの話なんですが、どうなのかなーと。プリクラ目当てで来る人というのは、他のゲームでお金を落とすんでしょうか?プライズとかやるのかな。裾野を広げる効果と、その裾野が良客になる効果は両立してるのだろうか、という辺りがちょっと気になりました。
大型筐体は、負担も大きいですよね。使いまわしは効くんでしょうか?
マナー悪い奴が消えないからやっぱり対戦は
生でやりたいもんです。
あとSTGとかに置けるギャラリーの存在も大きいし。
ただ覗き客の増えた弊害もあって、最近でも女性とカップル以外立ち入り禁止のプリクラコーナーが多いくらいです。
その覗き客の殆どが不惑あたりのサラリーマンでした。女子高生=やれる……と云う報道が盛んになり始めた辺りでもあります。
大型筐体は使い回しています。どこでも使わなくなった物は事業所の倉庫行きです。
ダライアスやユーノスロードスターなどの筐体が廃棄されずに捨ててあります。D3ボスと云う可動筐体も置いてあった気がします。
コメントありがとうございます。
んー、対戦についてはホントおっしゃる通りなんですが、最近出ているゲームで対戦が盛り上がっているタイトル自体ちょっと少ないんですよね。
勿論一昔前のゲームは通信なんかで出来っか、という状態な訳で、ギルティとかスト2とか普通にゲーセンでやってる訳ですが、これからの推移はと言われるとちょっと考えところです。
>バブシカさん
>その頃は新規開拓客として必要だったんですよ。
なるほど、なるほど。
しかし、女性・カップル以外立ち入り禁止、というのは良く見ますが、覗きのせいでしたか。そういえば、昔「ゲーメスト」の投稿コーナーでそんな話をみた様な。
>ダライアスやユーノスロードスターなどの筐体が廃棄されずに捨ててあります。
もってかえりたいΣ(・口・)
しかし、置く場所がない大型筐体の運命は悲しいですねえ。