こんな記事を読みました。
それによると、男性アスリートを表現する際に最も一般的な形容詞は「最速」「強い」「偉大」「卓越した」だった。他方、女性アスリートの場合は「独身」「既婚」「妊娠中」「年増」だった。
大坂なおみ選手が勝ったのか負けたのかすら知らない状態で、プレスカンファレンスルームに駆け込むことになる。そこで、まずは、他の記者の質問を聞いて、どのような試合だったのか、想像しながら質問を考えることになる。そして、ほとんどの場合、90%の記者が同じ状態であることに気がつく。つまり、全員、何を聞いたらいいのか、途方に暮れているのである。
大坂選手からしたら、「は? それ、本気で言ってるの?」みたいな質問しか来ない。
大坂なおみ選手の、試合後記者会見拒否に絡んでの話ですよね。
男性アスリートと女性アスリートの扱いの違いの話もさることながら、テニスの試合後インタビューの低質さについては、以前から批判される文脈を観測していた記憶があります。実際、ポイントを抑えたインタビューどころか、アスリートに対する敬意すら欠いたインタビューに不快感を感じることはしばしばあります。近年はアスリート自身が自分の言葉を発信するチャネルが増えて、それでもこの状況だということを考えると、認識されにくかっただけで以前はもっとひどかったのでしょう。
facebookで書かれた記事を読むと、「何故そんなことになるのか」を解説されていて、これまた興味深いですね。「しかし、テニスの場合は、直前に10試合以上が別コートで行われており、記者が全ての試合を観ることはできない。」というのは、物理的な問題として納得感がありました。試合見ないでインタビューとかありえないだろとは思いますし、いずれにせよインタビュー対象への敬意を欠いているのは同じだと思いますが。
それはそうと、私が知っている中で「もっともクオリティが高い試合後インタビュー」は何かっていうと、将棋の試合後インタビューです。
ちょっとこの記事読んでみて頂きたいんですが、
これ読んで、インタビュアーによる質問の物凄い質の高さにちょっとびっくりしませんか?直前の試合を踏まえた質問どころか、その試合のポイントポイント、見るべき局面について適切に指摘して、それに対する的確な回答を棋士からばっちり引き出している。
△8八歩(60手目)が強い手だと感じましたが?
とか、将棋の内容みてみるとまさにここがこの勝負のポイントで、渡辺三冠もご自分のブログでこの局面を転換点として触れていらっしゃるくらいの重要な局面(本論には関係ないけど、敗北した翌日の朝にこんな記事を書ける渡辺三冠も十分物凄いと思います)なんですよね。こんな質問、自身将棋に対する理解があって、しかも試合内容を完全に把握していないと出てこないですよ。
46手目に△8三銀とぶつけて飛車をさばきにいきました。その辺りはいかがでしたか。
これも質問者自身に相当の棋力がないと出来ない質問ですよね。実際、将棋の観戦記者さんって、元奨励会員だったり学生名人だったり、自身かなりの棋力がある人って多いんですけど。(参照:Wikipedia:主な観戦記者)
さり気なさ過ぎて気付きにくいんですが、この質問も、
2月に指された朝日杯将棋オープン戦準決勝をなぞるような展開になりましたが、お互いに想定だったのでしょうか。
当然ですが過去の対戦を踏まえていないと出てこない質問です。
ただ、これって特別この試合のインタビューの質が素晴らしかったわけでもないんですよね。むしろ主要な試合後インタビューは大抵この水準。このレベルのインタビューがほぼ「当たり前」であることが、イコール将棋の報道のレベルの高さを証明していると思うんです。
将棋の観戦記者さんってフリーランスの人も多くって、この記事は無記名なのでどなたがインタビューを担当されたかまではちょっと分からなかったんですが、他の分野に比べて記者の顔が見えやすい分野である、ということも指摘出来ると思います。当然、大盤解説会や控室でがっつり他プロの解説なんかも聞きこんでいらっしゃることが専らなので、それもあってのこの質問なのでしょう。
あともう一つ、藤井棋聖・王位ってもちろん恐ろしい程将棋が強いんですが、それだけでなく非常に人格的にも安定されていて、インタビューに対する答えも実に賢明だなーって感心することが多いんです。これ、藤井二冠ご本人に寄与するところが一番大きいのは当然なんですが、それに加えて「記者が面白おかしいコメントを引き出そうとしない」というところも大きいと思うんですよね。他のスポーツならよくみかける、「相手の若さにつけこんで、うっかりしたコメントを引き出そう」という質問を見かけない。これ、アスリートに対する敬意としては最低限のものだと思うんですよ。
もちろん棋界にも過去には色々ありまして、時には「これちょっとどうなのかな…」と思わされることだって全くなかったわけではありませんが、それでも全体として見ればこれ以上ないくらい報道の質は高いと思っています。
アスリートに対するインタビューの姿勢としては、一つ将棋のそれをお手本にするべきなのではないかと。
そんな風に考えるわけです。
一旦それくらいです。
「記者が面白おかしいコメントを引き出そうとしない」というのは確かにそうですね。たまにはありますが棋士の先生方もサービス精神が旺盛なのであまり批判は出ませんね。
ブームが去ったら消えたけど、8冠が見えてきたらまたくるんじゃないか
ボクサーに「38発目のジャブが入りましたが、手応えは?」なんて聞かんだろ?
逆に将棋はそういうところにしか価値がないんだから比べるのはナンセンス。
突っ込める所に突っ込んで、悦に入っているのか?
最終的な主張が何も伝わってこないんだが。
将棋にも質の悪いインタビューは存在していたから、何?質の高いインタビューに存在価値が無いって言いたいの?
将棋とテニスは違うんだから比べるな、ということ?つまり、この記事を取り下げさせたいの?
てか書いてる最中に気が付いたんだけど、しんざき氏が言ってる事を全然読めてないから、こういう上滑りしたコメントが書けるんだな、君たちは。