長男がふと「ゆるキャン△劇場版観てみたいな」と言いまして、折よく長女次女奥様がアイカツの映画を観に行くといっていたので、じゃあということで長男と二人で観てきました。
楽しかったし音楽めっちゃ良かったしごはん食べるシーンがひたすら飯テロでした。私蟹そこまで好きな方じゃないんだけど、今回は普通に蟹鍋が食べたくなりました。
ゆるキャン△って雰囲気が重要なコンテンツといいますか、人間関係の中にもゆったり流れる時間と景色、みたいなところをどう見せてくれるのかなーと思っていたのですが、そこがほぼ完璧に提示されていたのは素晴らしいなーと思いました。キャンプ場の景色とか、暗い中でテントから灯りが漏れているところとか、要所要所で描写される富士山とか、雪が降ってきてなでしこが空を見上げるシーンとか、そういう細かいシーンの見せ方がいちいち効果的で、「うわーこれゆるキャン△だわ……」ってなりながら見てました。この点は一切不満ありません。
あとサントラ欲しい。マジ欲しい。特にオープニング直後に流れてた笛メインの曲、あれなに?演奏したい。
以下はとりあえず雑感です。ネタバレも含まれるかもしれませんので、未見の方はご注意ください。
・映画に限らず、何かコンテンツを楽しむ時はまず「ピント合わせ」の作業が必要になると思う
・ピント合わせというのは、「このコンテンツはどこを楽しむコンテンツなのか」ということを腹落ちさせるための作業と言ってもよい
・今回、このピント合わせにちょっと時間がかかった
・時間設定が、そもそも「ゆるふわ女子高生キャンプ漫画」の10年くらいあとの時間軸、社会人になったなでしこたちを描くコンテンツだし、開始当初は仕事で苦労する凛とかも描写されるので、もうちょっとシビア寄り、現実的な障害を乗り越えていく苦労と達成感を楽しむコンテンツなのかなー、と思ったのです
・ただ、始まってみるとそこまでシビアではなく、出る人出る人みんないい人たちだし、障害に思えた部分もそこまでの苦労なく解決してしまう、一言で言ってしまうと「優しい世界」だった
・つまり、どちらかというといつも通りのゆるキャンノリ
・その点、「シビアさ」にピントを合わせていた自分の焦点が途中でボヤけてしまって、そこが元通りの「ゆるふわ」に戻ってくるまでにちょっとリードタイムが必要だった
・この「ピントが合わない時間」も楽しめるのが、映画観るの上手い人なんだと思う。私はどっちかというと映画観るの下手
・ただ、出てきた障害と、それに対峙する野クルメンバーの見せ方自体はとてもしっくり来たし好き
・お菓子を食べた後いちいちにっこりする凛がとても可愛い
・蟹鍋超うまそう
・凛の「無表情だけど実は感情豊か」という見せ方は本当うまいなーと
・なでしこは安定感凄いというか、高校時代のポジティブ体力おばけのなでしこそのまんまだった
・この「なでしこがなでしこのままで成立する」世界観がゆるキャン△世界観なんだろうなーと
・千明は、最初の「速攻山梨までタクシーを走らせるめちゃくちゃさ」と、「きちんと色んなところに了解を取りながら進める社会人っぽさ」がいまひとつピント合わなかったけど、あれは酔っているかどうかで変わるんだろうか
・あおいの小学校の話は、多分「変わらないゆるさの中にも流れるほろ苦い感じ」を味わうのが正しいと思うんだけど、これもどちらかというとちょっとピントズレ要因だった
・ただ、鳥羽先生とあおいが学校や生徒の話題で話が合っているのはすごーくほっこりした
・時々激嘘をつくあおいが教師になってるのは解釈一致
・恵那もほぼ違和感がなかったんだけど、こちらはなでしこと違って「恵那ならどんな世界観でもやっていける」的な違和感のなさ
・ランプを欲しがる女子高生を観てなでしこが昔を思い出すシーンは、これ絶対入ってくるだろうなーと思ったしめちゃしっくり来た
・鳥羽先生推しなのでもうちょっと出番が欲しかった気はする
・最後に凛のお爺ちゃんが出てきて〆る辺りは「分かっている」感がすごかった
・パンフレットにサーモン鍋のレシピ載ってたので満足
大体こんな感じでしょうか。
一方、長男はどこにポイントを置いて観ていたかというと「地名と交通手段」らしく、例えばあきるの行くならこういうルートかなーとか、地図がわかるシーンをもうちょっとゆっくり見たくって、パンフレットに地図がもうちょっと載っていればいいのに……とか言っていたので、本当楽しむポイントは人によって違うもんだなあと。子どもと一緒に映画観に行くの超楽しい。
なにはともあれ大変楽しめたですし、難しい題材をちゃんと映画に仕上げたスタッフさんの仕事は素晴らしいと思いました。
一旦以上です。