2005年07月27日
レトロゲーム万里を往く その37 〜コナミとペンギン達の足跡〜
コナミの話は難しい。
コナミ。なんとゆーか、昔からのゲーマーにとっては、おそらくひっじょーーに複雑な匂いのする単語であろう。これは何故かというに、ゲームメーカーとしてのコナミがものすごく多面的な顔をしていて、世代世代の評価が同じ会社とは思えない程にずれるからだ。
例えば、「グラディウス」を始めとするとんでもないスケールのシューティング群を送り出していた頃のコナミ。サンダークロスや沙羅曼陀、ファルシオンやA-JAX。
例えば、「矩形派倶楽部」を擁する音質のコナミ。バブルシステム基盤の起動音に、一部シューティングの冗談の様に格好いい音楽群。
例えば、アクションゲームのコナミ。ナムコとはまた違ったライトな雰囲気の、遊びやすさとやり込みの両立。グーニーズやがんばれゴエモン、悪魔城ドラキュラ。ナムコゲーが油絵とすれば、水彩画の趣きの良作集団。
例えば、キャラゲー・恋愛ゲーのコナミ。ツインビーのキャラクター売り出しに始まり、恋愛ゲームの草分けと言える某ゲームの登場により、コナミといえばキャラクター売り一色と言われる程にキャラゲー色に染まった時代。ついでに訴訟。
そして音ゲーのコナミ。ビートマニアにぽっぷんミュージックを始めとする、ゲーセンを変えた音ゲー王国。ついでに訴訟。
まあその他、サッカーゲームのコナミや幻想水滸伝のコナミから新入社員とおるくんのコナミまで色々とあり、当然きっちりと時代時代を区切れる訳でもないのだが。その他諸々、好評価から様々な悪評まで、つくづくコナミというメーカーの評価は混沌としていて定まらない。
私などは昔からのTAITOっ子だから冷静に知ったかぶりも出来ているが、例えばグラディウス時代からのコナミファンの方なんか、相当なアンビバレンツに陥った方もいるのではあるまいか。ファミコン全盛の昔からゲーム業界のリーディングメーカーの一角であり続け、常に業界への影響力を保ち続けていることは文句のつけ様がない事実なのだが。
まあ、コナミ自体の話は取り敢えずおこう。今回のテーマは小ネタだ。
ペン太の釣り冒険DX、というコナミの携帯配信ゲームを最近知った。ペンギンが主役の釣りゲームである。
コナミには何故か昔からこだわっているキャラクターがある。まあ、ナムコのパックマン程にはイメージキャラとして出張っていないのだが、いわばカプコンの弥七の様なもので、コナミにおけるマスコットキャラクターはモアイとペンギンである。
モアイは言わずと知れた、多分グラディウス出身のイースター島的謎オブジェクトである。グラディウスシリーズに欠かさず登場してはリングレーザーを吐きまくり、ファミコン時代にはコナミワイワイワールドへの出演に加え、モアイを主人公にしたゲームまで出た。えーーーとなんてタイトルだっけ、いかんド忘れした。まあいいや。
そしてペンギン。コナミとペンギンの付き合いは長い。
まずは「パロディウス」シリーズへのレギュラー出演が当然挙げられるだろう。ツインビーにビッグバイパーはまあわかるとして、何故にタコとペンギンがレギュラーだったのかいまいちわからないこの作品において、ペンギンは「こいつ」や「マンボウ」に埋もれそうになりつつもスプレッドボムをばら撒きまくる爆弾魔であった。
その他「夢大陸アドベンチャー(1986,アクション)」や「夢ペンギン物語(1991,アクション)」「ヒエヒエペン太(2001,プライズゲーム)」などなど、コナミのペンギンタイトルは意外な程に息が長いのである。コナミがMSXでゲーム作ってた頃からの付き合いだというのだから大概だ。
で、おそらくそういったコナミペンギンゲーの歴史の元祖にあたるのが、「けっきょく南極大冒険」ではあるまいかと思う。
けっきょく南極大冒険。1985年、MSXとファミコンにて発売。3D風の奥行きのある画面で、舞台は南極。
主人公のペンギンは何をどうとち狂ったか南極各国基地の周遊を志し、広い広い白銀の大地を奥へ奥へと突き進む。どうした具合か各ステージには時間制限があり、ぺんぎんはクレバスや突如顔を出すアザラシの障害を避けつつ、タイムリミットまでに次の基地へとたどり着かなくてはいけない。
時には某ドラえもん風のヘリコプターを頭につけて空を飛んでクレバスを避け、時にはクレバスから飛び出す魚に飛びついて舌鼓を打つその後ろ姿には、ただの一言の理由説明もストーリーもない。プレイヤーはただひたすら十字キーを操り、南極基地に旗を掲げるぺんぎん君の笑顔に心癒されるのみである。見方によってはすげえストイックなゲームだ。
曲はスケーターズワルツだったか、のどかな雰囲気がゲームの画面とぺんぎんののったりとした肢体にはベストマッチと言える名選曲だったのだが、プレイヤーがふと画面上部を見ると基地への残り距離と思しき「210km」といった数字がエラい勢いで減っていく。単位、キロメートルである。Oioi一体このぺんぎんは秒速何キロでつっ走ってるんだYo、という一抹の疑念を抱かせる辺りもアナーキーでステキなゲームだった。普通に考えるとアレ第二宇宙速度を突破してるんじゃあるまいか。いや、別にいいのだが。
以後のコナミペンギンが常に恐るべき耐久力と戦闘力を兼ね備えたツワモノ揃いであるのは、みなこの初代ペンギンのDNAを継いでいるからだ、という話も聞く。宇宙をカッ飛んでモアイ戦艦を返り討ちにする姿もむべなるかな。コナミペンギンの元祖に一礼を施すべきであろう。
ところで全然余談になるのだが、本来コナミの真っ当なイメージキャラクターとなる筈のコナミマンとコナミレディを、最近は全く見ない。一体何故だろう。やっぱアレか、コナミマンのあの格好はちょっと色々とまずかったのか。

この記事へのトラックバック
懐かしい。あれ難しいんだよね。
しかし、おかげで私はペンギン好きに。
先日、映画の「皇帝ペンギン」見てきたよ〜。
凄いかわいかった。
あまりのかわいさに悶え死ぬところだった。
ぺんぎんさいこー。
ペンゴはSEGAのゲームだたのねー
オレが言うのもなんだが、君も一体いつからゲームやってたのかなかなかわからない人だな。
皇帝ペンギン、ちょーど興味沸いて調べてみたところです。今度いってみっかな。
>ぷえるさん
時期はペンゴの方が前ですなー。あとペンギンげーの有名どころといえば、ぺんぎんくんWARS辺りかな?
こんばんは。
ペンギンキャラが多かったのは当時の色数の事情などがあったのかも
しれませんね。2.3色で表現できますし。
あと、コナミはサッカーゲーも優秀ですけどパワプロを
忘れてはいけませんよ(がんペナは忘れてやってくだせぇ)
あと日本プロ野球機構のゲーム内の実名使用権を買い取ったりとかの
きな臭いところと訴訟などもですが。
パワプロは初めてファミスタのシステムの亜流じゃなく
別のシステムで野球ゲームを作って、しかも商業的にも作品的にも
大成功したエポックメーキングなゲームですね。
(某社のスーパーリアルベースボールとかは大失敗でしたね)
あとはド硬派シューティングの中でなぜか異彩を放ったゼクセクス。
移植されないかなぁ。
それでは、失礼しました。
いらっしゃいませ。私、がんペナ意外と好きでしたよ。全体的にどことなく漂っているおバカっぷりがなんとも。
パワプロはいいゲームでしたね。ただ、私にとって新入社員とおるくんの存在があまりに大きすぎた為書きそびれてしまいました。
ゼクセクスは私も好きでしたが、行きつけのゲーセンでフェリオスの隣においてあったのがちょっと。狙いすぎだろ。
矩形派倶楽部で一番好きなのはグラディウス3のサントラについていた矩形派倶楽部の人たちの5分くらいのミニドラマ。
「じいさーん、てぃへんだていへんだていへんだ。(以下略)」今でも全部暗誦できたりw
おお、いらっしゃいませ。適当系レトロゲームブログですが良かったらごひいきに。
>「じいさーん、てぃへんだていへんだていへんだ。(以下略)」今でも全部暗誦できたりw
なんとっΣ(・口・) そらまたエラいところをもってこられますね。流石です。うぬ、なんか悔しい。
私はコナミのサントラというと、「 コナミゲームサウンドカタログ Vol.2」がかなりの勢いで好きです。サンダークロスとかファルシオンとか、ドラキュラとかもう。
多分あれがパロディウスの元なんだろうなあ、と。
コメントありがとうございます。
>けっきょく南極といえば、グラディウスとの二本差しで自機や敵のグラフィックがペンギンに変化したのを思い出します。
そんな裏技ありましたっけッΣ(・口・)
二本挿しって結構色々あった様な覚えはあるんですが、当時あんまりやらなかったからなあ。惜しいなり。