ジャンプスーパースターズ、というゲームの存在を実は最近知った。
言うまでもなくしんざきの頭脳は8ビットで動いている。16ビット以上のゲーム機は基本的には私にとって次世代機である。
故にというか、プレステ2のゲームなどはかなりの関心を持っているタイトルでもないと情報収集が大変に甘くなり、ドすげえ有名ゲームでも存在を知らないということが割と頻繁にある。PSPもNDSもそれに準ずる。
ということでジャンプスーパースターズというゲームがあるらしい。昨日ゲーム屋の軒先で初めて知った。
収録タイトルは冒頭のリンクを参照して頂こう。私は一応ジャンプは毎週立ち読みしているが、読むタイトルがかなり偏っている為到底全部は分からない。銀魂とかボーボボとか読んだことがない。
ただ、ざっと眺めた感じ流れ星銀河やデスマスク様や大豪院邪鬼やミューラー君の姿はどうもなさそうだ。でもアラレちゃんは入っている。この辺り、いまいち時代感覚が良くわからない。まあ文句をつける筋合いのことでもないが。
そして、言うまでもないがこのゲームはファミコンジャンプであり、それ以外の何物でもない。異論の余地はあるまい。
「ファミコンジャンプ 英雄列伝」。1989年2月、バンダイより発売。ジャンプを愛する少年「橋本君(多分橋本名人だろうか)」が、何故かカリン塔と北斗の拳ワールドが同居していたりするジャンプワールドに紛れ込み、ピッコロ大魔王を倒す為にジャンプの(当時の基準で)新旧ヒーローズと共に冒険の旅を繰り広げるという設定。ジャンルはRPGであるが、戦闘画面は一部を除いて基本的にアクションである。
世の中にキャラゲーは星の数ほどあるが、その中で「複数原作のコラボレーション」というジャンルに関しては多分このゲームが草分けであったろう。その意味でこのゲームはある種革命的なゲームであり、同時にキャラゲーとしては一つの究極の形でもあった。
以前「キャプテン翼」の項でも述べたが、原作つきキャラゲーの最大の狙いは「原作ファンによる固定売上の獲得」である。故に、題材になっているキャラクターは人気があればある程良いし、ゲームの出来自体はそこまで重要でないと考えられる場合も多い。
そこで、世界観とか整合性みたいなものは「お祭り」の一言で完全に踏み潰して、「取り敢えず入れられるモン全部入れちまえ」という物凄く男らしい開発コンセプトで作られたのがこの「ファミコンジャンプ」である。実際売上も相当なものだった筈だ。
およそコラボレーションゲームというものは、バランスとかゲーム性の方がかなりの勢いでメタメタになることが多い。それはなんでかというと、登場するキャラクターの強さや能力を無理に整合させようとして、システム面にそのツケを回すからだ。「ゲームファンと原作ファンの板ばさみ」と表現してもいいだろう。言ってみればいちご100%の主人公がフリーザ様に喧嘩を売る様なもので、基本的には「無茶言うなヴォケ」の一言以上は要さない。
故に、ゲーム性をある程度成立させようとするコラボレーションゲームの多くは「原作の強さバランスは基本的にシカト」とか「原作キャラはアイテム扱い」とか、その他さまざまな抜け道的手法をとってバランスをとろうとする。その意味で、「スーパーロボット大戦」のゲーム成立っぷりは一種の突然変異だ。
「ファミコンジャンプ」の場合はその辺どうかというと、基本的には「原作設定シカト」の一本であり、実に分かりやすい。突込みどころはもう清清しい勢いで満載だがゲームとしては一応それなりに遊べないことはない、というナチュラルなバランスになっている。北斗の拳のケンシロウとついでにとんちんかんのぬけさく先生が素でタイマンはれそうなゲームではあるが、まあそんなこたァそれ程たいした問題ではない。
このゲームの真の恐ろしさはヘルナンデス君に凝縮されている。
ファミコンジャンプの醍醐味はラストバトルである。ラストの一戦のみコマンドバトルとなり、ヒーローたちは各原作の敵キャラ13人と戦うことになるのだが(キン肉マンのフェニックスとか、エシディシとかラオウとか)、この際基本的には原作同士の組み合わせより他作のキャラをぶつけた方が有利であったりする。キャラの相性は非常に重要で、DBの悟空がアストロ球団の敵選手に素でボコられた、といったことが普通に起きる。
その中で、キャプテン翼からの敵キャラ、イタリアのゴールキーパー「ジノ・ヘルナンデス」君。ヤツがかなりの異彩を放っている。
彼の必殺技「黄金の右腕」は敵の攻撃を跳ね返すという技なのだが、これがもう物凄い勢いで並み居るヒーローを返り討ちにする。星矢の流星拳だろうがシティハンターの銃弾だろうが、「ヘルナンデスくんのおうごんのみぎうでだーっ!」の一言でカウンター。ああ、実はキャプテン翼って格闘技マンガだったんだね知ってたけど、という様な述懐を呼び起こす恐ろしい強敵だった。倒すにはケンシロウの夢想転生が一番なのだが、ともするとこれすらカウンターされてケンシロウ虫の息。中高生のスポーツ選手に瞬殺される北斗神拳伝承者など、そう滅多に見れるものではない。
原作でもゲーム版でも加速度的に冷遇されていったヘルナンデス君がここまで優遇されたゲームを、私は他に知らない。
また、さり気なくえぐいシステムがいくつか内蔵されていたことも見逃せない。例えば主人公には「善悪」というパラメーターがあって、基本的には敵を見境なく倒しているとがしがし減っていき、いろいろと不利になるのだが。
これを回復させる方法が、少年ジャンプを購読すること。
金に糸目をつけず取り敢えずジャンプ読めやてめえら、という意図が汲み取れる、資本主義的なステキシステムである。
まあ基本的にはネタ満載キャラゲーだったこのゲームだが、時代を遥か超えてNDSに復活したとなると、やはりジャンプの影響力というものは侮れねェなと認識を新たにしたお盆前であった。おしまい。
あ、ジャンプスーパースターズに関しては、任天堂だけあってそれなりに遊べるゲームにまとめてきそうな予感はします。買った人がいたらおせーて下さい。
2005年08月12日

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懐かしい。目頭が熱くなりました。
西の都になぜかシティハンターのリョウが住んでて、カオリにリョウ探索の依頼を受けたりとか、しませんでしたっけ?
たしかファミ通かなんかにラスボスたちとの相性一覧表が出てて、友達に見せてもらいながらやった記憶があります。
ディオ・ブランドーは1部、3部以降はDIOじゃないのかーっ!
これを機にファミコンジャンプもDSに移植されたりしませんかね。
今日発売のファミ通のクロスレビューでは
8.8.9.7点とかなりの高得点ですね。
それより!
ファミコンウォーズ最新作がGCで!
うる星やつらがDSで!!
どーですかッ!!>しんざきさん
それでは、失礼しました。
あー、原作自体も既に懐かしいので、二重三重の懐かしさですね。そういえばカオリはまだ健在でしたね、当時。
>Zhao師
Dioに関しては取り敢えず任天堂に抗議してみといてください。Let's Go。
>これを機にファミコンジャンプもDSに移植されたりしませんかね。
売れるかどうかは保証出来ぬ。
>USHIZOさん
流石任天堂というべきなのか、ファミ通だからちょっとなーというべきなのか。面白いんですかね。
>ファミコンウォーズ最新作がGCで!
>うる星やつらがDSで!!
なんですとっ!?Σ(・口・) うる星やつらはアレですか、モモコ120ぱ・・・いや、ラムのウェヂングベルの方ですか?って、なんか言ってる端からエラい勢いで勘違いをしている様な気がしてきた。
旅先から戻ったら真っ先に情報収集してみます。
私にとってジャンプ全盛時代のキャラ達ですからね。
あの頃のジャンプならどれだけでも語れますよ(笑)
お待ちしておりました(笑
いやー、ファミコンジャンプのキャラ群は熱かったですねー。思えば、あのころは悟空がまだ三頭身だったんですよね。
ただ、赤兜がボスにいるのに銀河が仲間にいないのが素で納得いかなかったり。
DS版ゲーム屋さんで見てきましたが、漫画コマ割りっぽいシステム面白そうだったり。
内容もシンプルでよくできてそうでした。
何故か犬の癖に必殺技を使う人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!いやあ、無駄に熱かったですねアレ。
ジャンプスーパースターズは何気に興味が出てきました。DSもってないけど。ファミコンジャンプDSと一緒に購入検討してみるかなあ。