理系女子と文系女子の話が、一時期一部で盛り上がっていたらしい件に遥か乗り遅れた気配があるので、正統派SFファンの流儀にのっとって、「女子」の部分を「SF」に置き換えて話題をスゴイ勢いで転換したら色々とすっきりして楽しいんじゃないだろうか。主に俺が。
なに、心配することはない。ごく一般的な置換だ。疑うなら、はてな匿名ダイアリー辺りで「女性」「女子」「彼女」「嫁」という単語を全て「SF」に置き換えてみるといい。文脈には大して影響しないから。
というか、理系SFとか文系SFっててっきり一般名詞だとばかり思っていたのだが、ぐぐってみたら全然一般的じゃなくて俺涙目。別にいいけどさ。
取り敢えず私的な定義。
・文系SF:SFという舞台・SFという枠組みではあるが、語られている主題自体はSF的なものではなく、SF要素は小道具的な使われ方をしているSF。
・理系SF:SF的な設定や理論とかが前面に出ており、話がそれを主軸に展開するSF。テーマ自体がSF的なものであるSF。
なんかこう、短い文章に連続して同じ単語が出てくると訳が分からなくなってくるな。間違ったSEO対策でもやってる気分になってきた。
理系SFと文系SFの境目というのは、つまり「SF的要素がどこまで切り離し可能か」ということである。たとえば、「ソラリスの陽のもとに」というお話は、惑星ソラリスという重大なSF要素抜きには成立しない。が、「夏への扉」は、なんだったらタイムマシンが過去に戻る魔法であってもお話自体は成立する。
まあ私の言いたいことは、アシモフやヴォクトやホーガンはどちらかというと理系SF的な人で、ハインラインやブラッドベリは大雑把に文系SF寄りな人なんじゃねえの、ということだ。本当にそれだけなのだ。
勿論これはファジーな話で、作品一つ一つをとってみれば文系っぽいもの理系っぽいもの色々あるし、どちらに分類すればいいかよく分からない作家さんもたくさんいるだろうとは思う。
例えば、「幼年期の終わり」は文系SFっぽいと私は思うが、「2001年宇宙の旅」は多分理系SF寄りなんじゃねえかとか思う。
ティプトリーは文系寄りか理系寄りかといわれれば、私は理系寄りの人なんじゃないかとか思うけど、異論も結構ありそうである。
以前、オースン・スコット・カードの話をした。私の中では、「エンダーのゲーム」「死者の代弁者」は文系SFだったが、「ゼノサイド」はガチガチの理系SFだった、そんな印象がある。
じゃあ神林長平はどうなん、と言われると、結構困る。どうなんでしょ。どっちかというと理系っぽくね?
凄い勢いでまとまらなくなりそうなので、冒頭の話に戻ろう。
ちょっと実際に、「女性」「女子」「彼女」「嫁」といった単語を「SF」に置換する実験をしてみる。対象文書についてはランダムで選択。
はてな匿名ダイアリー
空気読まずにレス駿河、スイーツと呼ばれるような「髪をくるくる巻いて、化粧もばっちり☆ディズニーランド大好きな一般的なSF」というのは自分は嫌いじゃない。そもそもそういうSFって一般的ともいえないだろうし。ファッションしにあるようなのが普通だと勘違いしちゃう部分は理系SFも味噌系男子と変わらんのだなと思った。スイーツSFも理系SFと同様に私は普通じゃないと思ってるんじゃなかろうか。両立してるのもいるだろうし。
うお、驚く程違和感がねえ。なんだこの自然さ。
「化粧もばっちり☆ディズニーランド大好きな一般的なSF」とか、いかにもハヤカワSF辺りで出版してそうな気がしませんか?しませんか。スイーツSFはダメですか。そうですか。
ちなみに、スイーツ(笑)をSF的に置き換えると、スポック(笑)とかに多分なるんじゃないかと思う。例のスイーツ(笑)コピペをSF用語に置き換えたものを一瞬筆が滑って書きかけたが、途中で自分の存在が凄くウザく思えてくるという副作用が発生したのでやめておいた。アレ最後まで書ききれる人スゴイわ。
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(追記 07/11/13)
SF話は楽しい。ぬるくても楽しい。
珍しくなのか、ぶくまコメントにお返事。
>えーと。空想人文科学小説はどこへ行けばいいのれすか。『神狩り』とか『星の、バベル』とか『クリプトノミコン』とか『星を継ぐもの』とか
「星を継ぐもの」は、私の中ではすげえ勢いで理系SFだったりします。あの最後の考察の鳥肌具合は異常。神狩りは、んー、どっちだろ?
すいませんすいません、あと二作は未読です。ぬるくてすいません。ただ、クリプトノミコンってあんまりSFって印象がしなかったり。
何となくハインラインやニーヴン&パーネルあたりは体育会系SFっぽいような気がするけど…って、非セカイ系(社会構造や組織が描写のメイン)ってだけか?
>理系-文系軸以外に文科会系-体育会系軸でのSF分類ってのはどうかなあと思いつつ
あー、面白そうですね。脳みそ筋肉のSFとか。
私の記憶では、「ペルシダー」のシリーズはかなりの体育会系っぷりを発揮していた様な気がします。基本的には「力こそパワー」「美女標準装備」「力技万歳」という展開。脳筋だ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%89SF
>ハードSF (Hard SF,Hard science fiction) は、サイエンス・フィクションの一形式であり、科学性の極めて強い、換言すれば科学的知見および科学的論理をテーマの主眼に置いたSF作品を指す。また、そのようなスタイルを指す。
スイーツSFというと、何となくだけどSFライトノベルやジュブナイルSFのような印象を受けます。新井素子なんかのイメージかな。
ハードSFについては、どうなんでしょう、上の記事で私が書いた限りだと確かに、ハードSFと差がありませんですね。
>スイーツSFというと、何となくだけどSFライトノベルやジュブナイルSFのような印象を受けます。
すいませんすいません、そっちは全然マジメに考えてないんです。読み流して頂けると。