戦士の魂がさっぱり分からない。
そもそも世の中には、「貴様を倒すのはこの俺だ!」が大氾濫している。し過ぎている。その氾濫っぷりは、7月中旬のナイル川と比較して遜色ない。
その辺の少年漫画やゲームを紐解いてみるといい。特に戦闘格闘ものには、一家に一人は以下の様なルートを辿るライバルキャラがいる。大体いる。
1.「お前は殺す!」→2.「お前を殺すのはこの俺だ!」→3.「俺以外のヤツがお前を殺すのは許さん!」
この遷移を、仮に「お前は俺の獲物メソッド」と呼称してみよう。既にもっといい名前がついてたらすいません。
このメソッドを検証した際、私は改めて思うのだ。「分からん」と。
1番はまあ分かる。任務なんだか個人的恨みなんだか定かではないが、ライバルキャラも人の子だ。死んでもらいます、な気分になる時だってまああるだろう。執念深く主人公を付け狙うのも別に悪いことではない。
2番から既に私にとっては怪しい。死んでもらいます、な訳である。死んでもらいたい訳である。いいじゃん、別に自分で手ぇ下さなくたって。俺がライバルキャラだったら、主人公が他人の手にかかっちゃうの全然ウェルカム。すげえノープロブレム。超歓迎しちゃう訳だが。この辺なのか、戦士の美学って。難しいヤツらだな。
3番なんか、もう完全に私の理解の埒外である。ここに至ると、苦戦してる主人公をライバルキャラが助けちゃったりするのだ。「お前を倒すのは俺だと言っただろう!」ってヤツだ。いいのかよお前。執念はどうした。死んでもらいます、は一体どこのお空の彼方に飛んでいった。お前、実は「お前は俺の獲物」って言いたかっただけちゃうんかと。
およそ、3番まで遷移した上で、「じゃ、そういうことで」とか言いながら主人公にとどめをさすライバルキャラを、私は見たことがない。いや、私の見識が狭いだけで、実はごろごろいるのかも知れませんが。
「お前は俺の獲物メソッド」は、ライバルキャラを違和感なく主人公側に引き込む為の、作者の罠である。世のライバルキャラよ、思いとどまれ。「お前を殺すのはこの俺だ!」と言ってはいけない。言ってしまったが最後、「ノリで助けてしまったらなんかとどめさしにくい空気になっちゃったよ、あれー?」という渡辺さん状態になってしまうこと請け合いである。
そこで話はタイトルに戻るわけである。どっかにいませんか、そういう友情フラグクラッシャー。
つくづく戦士の美学とか戦士のプライド、戦士の魂というものはよく分からない。
ただまあ、私がこの「戦士の魂」を理解できない理由というのは、自己分析を進める内に段々わかってきた。
前々からうすうす思っていたが、実は私の職業は忍者ではないかと思うのだ。
「何をうすらとんちきなことを言っておるのだ」と思った人、気持ちは分かるが、ブラウザを閉じるのはちょっと待って欲しい。私が、自分のことを忍者であると思うにいたった理由は幾つもある。
・冬でも割と薄着。が、寒さに対する防御力は極端に高い。(アーマークラス的な条件)
・罠の解除とか苦手。超外し損なう。女性との会話で踏んじゃいけない地雷とか、解除出来た試しがない。(盗賊と忍者の間の越えられない壁的な条件)
・重たいものを装備出来ない。具体的には、ケーナやマウスより重くなると圏外。(戦士と忍者の間の越えられない壁的な条件)
・横断歩道をおばあちゃんが渡ろうとしていても、比較的手をとって助けたりしない。(GoodとEvilの壁的な条件)
これだけ忍者的条件が揃っているのだ、流石にこれは忍者だろう。かなりの忍者だ。不遜な言い方になってしまうが、世間一般の忍者の方、クリティカルヒットの練習ばかりしていないで私を見習って欲しいくらい忍者である。自分ではSE兼ケーナ吹きと自覚していたのだが、まあ最近は農家も多くが兼業だ。兼業忍者というのも別段珍しくはあるまい。
ということで、私が「戦士の美学」というものを理解出来ない理由は、背後からのクリティカルヒット上等な忍者だからなのではないか、という物凄くどうでもいい結論が導き出せた訳である。よかったですね。>私
後半部分はどうでもいいとして、一応まとめておく。
・「お前を殺すのは俺だ!」というルートを経た上で、きちんと初志貫徹するライバルキャラは凄く少なそうな気がする。
・戦士の美学よくわかんない。
・「お前は俺の獲物メソッド」は作者の罠。
あ、標題の友情フラグクラッシャーについては、引き続き情報募集してますので誰か教えてください。友情フラグをたてた上でさくっと主人公を殺っちゃうライバルキャラ、どっかにいませんか?
2007年11月19日

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ライバルキャラ、ツンデレ人口多すぎ。
>めあさん
その装備で会社に行くと社会的にロストするんで、非常時以外は普通のACで我慢してます。
とりあえず誰かドレインしてください。エロ気味に。
口では何だかんだ言っても、もう大好きになっちゃったんです主人公のことが。
とりあえずお求めのライバルキャラとしては
・銭形警部
・龍鳳(スクライドの)
あたりどうでしょう。殺りはしませんが、初志貫徹的に決着をつけようとは試みておられます。
つまり彼らは「ライバル」という美味しい地位のために自分でもわかっている矛盾を働いているのでしょう
死んだら作品終わっちゃうし。
例えば魔王を主人公にすれば、ライバルキャラに倒されて終わり、というエンドも可能になるかも。その場合の勇者の書き方が難しいけどな。デスノートはその1例かもしれんが、Bはやっぱり有り得んな…。どう考えても友情フラグが立ってしまう。
サンジに襲いかかる味方のパールを倒す=3
↓
命の恩人(サンジ)だけは俺の手で殺す=2
↓
殺す寸前まで追いつめるも結局殺せなかった
……順序が違ってますね。
「こいつを倒さなければ自分になれない」
「自分で越えなければならない壁」って感じなんだろうと思いますが
だから自分の力で主人公を倒さなければ意味がない
永遠に超えられなかった壁になっちゃうから
実力でねじ伏せなければ意味がない
自分の心に悔いが残っちゃうから
要はコンプレックスを解消してすっきりしたいんですよ
まぁ、実際の所そこに行きつく前にライバルが主人公を「超えられない」と自覚するパターンが多いんでないかと
ベジータとかはそうだったしな
「俺以外のヤツがお前を殺すのは許さん!」と
言って一度味方になったのに
再度敵になってアーカード殺そうとしてた希有な例かも。
結局殺されたけど。
>次のレベルアップまでの経験値が莫大過ぎるのか、と思い当たりました。
間違ってGood属性の装備をしている可能性もあると思います。
金色のスーツとかで通勤されるのはいかがでしょうか。
>とりあえず誰かドレインしてください。エロ気味に。
その辺でサキュバスをみつけてきて頼んでみてください。
>Zhao師
>口では何だかんだ言っても、もう大好きになっちゃったんです主人公のことが。
えーダメじゃん。
スクライドはちょっと読んでないんですが、銭形警部はどうなんでしょうアレ。じゃれてる様にしか見えない場合が多いんですが。
>通りすがりさん
>つまり彼らは「ライバル」という美味しい地位のために自分でもわかっている矛盾を働いているのでしょう
既に話が通っていたとは。なんてこった。
>g3閣下
>そもそも主人公が殺される作品ってほとんどねえ。
>死んだら作品終わっちゃうし。
実は全くその通りなのだが、まあ細かいことは気にするな。
>デスノートはその1例かもしれんが、Bはやっぱり有り得んな…。どう考えても友情フラグが立ってしまう。
ダメかなあ、B。どっかに一人くらい、Bに至ってからでも初志貫徹してくれる人はおらんものか。
>Superさん
>ワンピースのギンはなかなかいいところまで行ったと思います。
あー、いましたね。なかなかシブい役どころだったけど、どうにもビジュアルが地味で割をくった人、と記憶しております。
>……順序が違ってますね。
あれ?
>名無しさん
>永遠に超えられなかった壁になっちゃうから 実力でねじ伏せなければ意味がない
>要はコンプレックスを解消してすっきりしたいんですよ
むう、なるほど。あまりコンプレックスを感じない忍者属性にはやはり難しい話ですね。
ベジータは、なんというか、ツンデレの最たるものなのではないかと思うことがあります。
>ORIさん
>ヘルシングのアンデルセン神父は「俺以外のヤツがお前を殺すのは許さん!」と
インテグラにそう言って、結局なにやらドイツ兵から護衛してたのは覚えてるんですが、アーカードにも似た様な展開ありましたっけ?
アーカードの場合、Bに辿り着くまでもなく全部自分で撃退しちゃうからなあ。
武装錬金のパピヨンはギリギリまでこぎつけましたね
再度決闘まで持ち込むも敗北
カズキの望む決着を受け入れて、蝶人パピヨンとして生きることに
スクライドは、アニメ版ですが、共通の敵に対して共闘したのち、決着をつけるためにタイマンでガチゲンカ(半ば殺し合い)って感じのはありました
これは決着はつけたようだけど最終的には両者生存
しかしまぁ、主人公が死ぬ例自体が滅多にないからなぁ・・・
殺りきった例はマジで難しい・・・
考え方として、ライバルキャラと言うからには、主人公とライバルなわけであって、主人公は漫画のメインだからめったに死なないという理由からライバルはBまで至っても逆に殺されてしまう場合がほとんど と言うことですよね。
でも、サイヤ人襲来編のピッコロ ってどうでしょうか?
強力なサイヤ人がやってくる→「孫、俺と手を組め」→「奴を倒すには俺の必殺がうんぬん」→「ピッコロー!早く!俺もろともラディッツをー!」→魔貫光殺砲→悟空(ついでにだが)死亡→ウマー
Bまで至って殺せてます…か?
→圧倒的に強い敵キャラが主人公の味方の剣士をボコボコにする。
→「お前はまだまだ強くなる。その命次ぎ会うときまでとっておいてやろう」
→敵、颯爽と立ち去ろうとする。
→剣士、立ち上がって敵を後ろから刺す。
→敵、死ぬ。
→剣士「命を掛けた闘いを何だと思っているんだ」
というシーンがありました。
まあ韓国のマンガなんで日本とはルールが違うのかもしれませんが。
★主人公をライバル認定
★対等な勝負がしたいので、ヒロインを連れてきて回復させてくれた
★帰刃後の姿がなんだかカッコいい。
★能力は主人公と互角の正統派物理攻撃で卑怯っぽくない
★いい勝負をしたけど負けた
★味方(主人公にとっては敵)に裏切られて瀕死
ブリーチのグリムジョーはツンデレ化flgが立ってるんですが
虚という種族自体が死神の敵だったり、
瀕死で足元に転がったままかれこれ半年放置されてたりで
別の意味でflgへし折りそうな感じです。
>でも、サイヤ人襲来編のピッコロ ってどうでしょうか?
>Bまで至って殺せてます…か?
う。どうなんでしょう。なんかあの場合、ピッコロさん本人にはあんまり悟空を殺ろうという気合の様なものが感じられませんでしたけど。
>→剣士「命を掛けた闘いを何だと思っているんだ」
ここだけ見ると結構説得力がありそうな気がしますよね。
>別の意味でflgへし折りそうな感じです。
そういえばグリムジョーってどうなったんだろ、って今日ジャンプを立ち読んでみたら、なんか凄い勢いで千本桜が舞ってました。ブリーチは色々と難しいです。
死亡フラグも立っていますけど。
ヒソカもですが、富樫先生は全般的に「分かっていて微妙に乗せてくる・外してくる」っていうパターンが多いので、材料としては色々と特殊だと思います。
実際のとこ、ヒソカと団長ってちゃんと戦えるんでしょうか。展開とか色々アレ的に。
お前を殺すのはこの俺だ的に助けて、実際にその後で殺し合いするライバルとかはわりといるよね