大至急速くしなくてはいけないSQLが一個あった。朝から久々にクエリチューニングに時間をつぎ込み、他人が作ったねじくれSQLを徹底的に分解して、まあまあ満足のいくパフォーマンスが出た辺りで、別件でユーザー側と連絡をとった。
そのついでに、速くしたクエリを使っているシステムについて、挙動の様子を聞いてみた。ふふーん今回は自信作だぞ、とか思っていたら。
「ああ、そういえば今は普通に動いてますね」
おいこら、応答速度で200倍くらいになってる筈だぞ。普通って何だ、普通って。俺涙目。
ああ、何と言うことか。彼らには、「問題がないこと」と「凄く順調であること」の区別がつかないのだ。応答速度に3秒かかれば大騒ぎをするのに、それが0.01秒になっても気付きもしないのだ。後者にどれだけのコストがつぎ込まれているのか、想像が出来ないのだ。
アラン・チューリングよ、彼らを許し給え。
思うに、我々はインフラに対する期待度が高過ぎ、それに比して評価は低過ぎるのではないか。
電気は流れているのが当たり前、水道は蛇口を捻れば流れ出すのが当たり前、電車は定刻通りに動いているのが当たり前であって、止まればそれは「異常事態」なのが日本と言う社会な訳だが、実際の所インフラをインフラとして運用するだけでも、コストはかかるし腕も要る。
システムなんぞ何をかいわんやで、元来「不安定な状態」がデフォルトかと思いたくなるくらいインフラとしては未成熟なのに、向けられる期待値は社会基盤のインフラに向けられるそれとあんまり変わらない様な気が、時折する。
構図としては、「健康のありがたみ」がどうとかいう話に似ている気がする。健康であり続ける為にもコストはそれなりにかかるのだが、そのコストに気付く為には病気にかかる必要がある。
11/28日記(待機任務日記)
・問い合わせをしてくる人というのは一様に「これはシステムのバグじゃないか」と思って電話をかけてくるのです。いや全くおっしゃる通りで。
・しかし調べてみると、ほとんどは人為的ミスなのです。コードが違ってたとか。
・しかしそれでも皆さん「これはコンピュータの処理ミスじゃないか」ということをまず疑う。これはわりと不思議なんだけど、人間というのはそういうものなのかも知れません。
システムというものがかなりの部分ブラックボックス化されているということも一因だとは思うが、インフラに対する期待値が高すぎることが、「一見社会的インフラの様に見えるけど、エラーの発生率は遥かに高い」システムが、何でもかんでも悪役にされやすい原因でもある様な気がする。私なんかはインハウスのSEで結構好き勝手にやっているのでだいぶマシだが、クライアント先常駐のSEさんなんて大変だろう。
まあ、アレです。皆さんも、御社でお使いのシステムが順調に動いている際には、時折SEに優しい言葉をかけてやって下さい。
システムが順調に動いているってことは、結構腕がいいと思いますよ、彼ら。
システムが動くって凄いことですよね。
コメントありがとうございます。
色々理不尽なこともある業界だと思いますが、気楽に頑張ってください。
-100 〜 0 〜 +100
の線表で例えるなら、決して右半分に評価の針が行かない状態というか。
#自分もお客さん先で開発しておりますが、今関わってるシステムが「マジック」とか言われてます。
#先輩曰く普通に動いてることが不思議だとか。こんなシステムは嫌だー
>-100 〜 0 〜 +100
の線表で例えるなら、決して右半分に評価の針が行かない状態というか。
うまいたとえだと思います。
普通の人は、システムに対する評価軸が凄い勢いで左にずれていると思う。
>#先輩曰く普通に動いてることが不思議だとか。こんなシステムは嫌だー
ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル
いざという時はバックダッシュだ。