ということで、いつも通り割とてきとーな話題に戻ろうかと思う。
漫画に関する思考実験というのは色々あるが、最近たまに考えるのは、「あの漫画の設定であの人が描いていたら」というシミュレート、というか妄想である。これがなかなか面白い。
デスノートを島本和彦が描いたら「それはそれ!これはこれ!」とか言うLが見られるかな、とか。テニスの王子様を鳥山明が描いたらもしかしたらあんまり変わらないかも知んない、とか。そういう感じの。
まあ、Webにはこの手のネタを挙げている人が多分たくさんいるだろう。どうせブログはネタと既出で出来ているのだ。ここから、ちょっとレトロげに話題を絞る。
話は「らんま1/2」について、である。知らない人にはわけわかんねー話になることがたやすく想定出来るが、あんまり気にしていない。
・らんまにまつわるいくつかの妄想。
らんま1/2、という漫画がある。高橋留美子が1987年からサンデーに連載した漫画で、主人公が「水をかぶると女性になり、お湯をかぶると男性に戻る」という特異体質を背負っていることが特徴のラブコメである。
参照:Wikipedia:らんま1/2
高橋留美子がその地位を不動のものにした作品、と言っていいだろうと思う。彼女はこれに先立って「うる星やつら」「めぞん一刻」というヒット作品を世に送り出している訳で。連載漫画が二作ヒットすれば大御所と言われる業界にあって、犬夜叉まで描いている氏の大御所っぷりはいまさら言うまでもない(勿論、この定義に従うと手塚治虫や藤子不二雄は大御所どころかS級妖怪になるが)
高橋留美子は勿論ラブコメの大家であるから、らんまも素っ頓狂な設定を縦横無尽に生かし切り、格闘漫画のエッセンスも相当分に加えた、すげえ完成度の高い長寿作品に仕上がっていた。後半は若干ダレたかも知れないが、日常系長寿漫画の宿命だと言ってしまえばそれまでである。この漫画を自然な形で仕上げられるのが、果たして高橋留美子以外に存在したか、というのは割と興味深いテーマになりそうである。
ということで、らんま1/2という素っ頓狂な設定の作品を、他の作家さんに描かせてみたらどんな感じになるか、ちょっと妄想を繰り広げてみたよ。
浦沢直樹が描いた場合 :序盤から呪泉郷の由来に関わる謎・伏線が張られまくるが、20巻辺りで主人公が失踪する。
車田正美が描いた場合 :途中から女性キャラが登場しなくなる。
福本伸行が描いた場合 :博打王キングの回が単行本6冊くらい続く。
花咲アキラが描いた場合:格闘ディナーの回が単行本12冊くらい続く。
大友克洋が描いた場合 :良牙が獅子咆哮弾を完成させた拍子に東京が崩壊する。
原哲夫が描いた場合 :上記の展開の後、なんか全体的に凄いことになる。
青山剛昌が描いた場合 :毎回殺人事件が起こる。(もしかするとチャンバラものになるかも知れないが)
江川達也が描いた場合 :最終巻で夢から覚める。
新沢基栄が描いた場合 :最終巻で夢から覚める。
島本和彦が描いた場合 :7巻くらいで、その場の勢いで呪泉郷に関する設定が消滅。そのまま野球漫画になる。
赤松健が描いた場合 :女性キャラが、どういう訳か全員乱馬と同じクラスに在籍する。
なかなかうまくいかないもんだな。ゆうきまさみやあずまきよひこが描いたらあんまり違和感ないだろうか。意外なところで、沙村広明なんか結構普通の作品に仕上がりそうな気もする。
冨樫義博が描いた場合?そうだな、超絶ひねりが利いた内容になるかも知れないけど、取り敢えず季刊連載になるんじゃないかな。
と、ここまで書いた所で、というか赤松先生が描いた場合の妄想をしてみて、二点疑問に思った。
・らんまは、いわゆる「ハーレム系漫画」なのか?そうでないとすればその差はどこにあるのか?
・何故、開始当初はヒロインの三分割を企図された様に見える、なびき・かすみがラブコメ中に参加しなかったのか?(なびきは後半にちょっとフェイントがあるが)
以下、参照URL。
参照:ハーレム漫画の祖は?
参照:Wikipediaの定義
なんかWebでは結構書いてる人がいそうな気がするなあ。ちょっと調べてみてから、気がむいたらまた書いてみる。
取り敢えずまとめとして、島本和彦先生が描いたデスノート超読みてえってことで。
いや、朝目新聞さんにそれっぽいパロディがあるにはあるんだけど。割と素で読みたいんですけど。「心に棚をつくれッ!!」とか言う月マジ見てみたい。
2008年01月25日

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るーみっく-ブログ-リンク Part4
Excerpt: うる星やつら-らんま1/2-るーみっく関連のブログリンク集
Weblog: らんま/考-(らんま1/2)
Tracked: 2008-01-31 21:39
高校の時、切なくてちょっと泣けた。
いやそれにしても、最近ちょうどらんま読み直したかったんだよね。
やっぱ買おうかなぁ。
宮下あきらバージョンがあったら絶対読みません。
さすがにおなかいっぱい。
月が「計算通り」と黒くニヤリと笑うところをガッツポーズつきで吼える。
あとLとテニスなんかぬるいことやってないで、堂々と名乗り合いタイマン。ノートなんか使う暇がない。
>ここだけの話、赤松氏は高校の先輩です。
おおおマジですか。高校時代は漫研だったりしたんですかあの方は。
>宮下あきらバージョンがあったら絶対読みません。
男乱馬がサラリーマン金太郎と同じ顔になるのは別にいいとして、女らんまが別人になりそうな気がする。
>しょうたさん
>あとLとテニスなんかぬるいことやってないで、堂々と名乗り合いタイマン。ノートなんか使う暇がない。
まあ、島本和彦版月なら素手と気合で人殴り殺せそうですしね。
〜流とか〜拳などのオリジナル格闘術が頻繁に出てくるところ
で、宮下版らんま
「あ、あれは飛龍昇天波!?すでに滅びたといわれる秘技をお主どこで・・・」
毎回技の起源解説入り
かすみは開始当初は接骨院の先生(名前忘れました)とくっつく展開が用意されてたっぽいですし。途中から完全に忘れ去られてましたが。
なびき・かすみのキャラ立ては弁天やおユキのように脇キャラとしてのキャラ立てではないかなと思います。
こういうの大好きです。
江川達也と新沢基栄が描く漫画は全部同じになるわけですねw
民明書房大乱舞になるでしょうか。なんか、原作らんまの方でも結構「怪しげな書物」が出てきていたので、割とその点相性がいい気がしないでもないですが。
>名無しさん
>途中から完全に忘れ去られてましたが。
東風先生ですね、確か14巻くらいしか一切登場しなくなったと。
いや、赤松先生が描くとしたら、舞台設定的には完全にハーレムものに持ち込むだろうなーと思ったんですが。考えてみると高橋留美子作品って、今のハーレムもの漫画と共通する部分って殆どないな、と思ったんですよ。
>名無しさん
おお、ファンロード。似た様な企画があったんでしょうか。
江川達也はともかくとして、新沢基栄先生は奇面組の印象が強すぎてもう。
bariさんではないのですが、赤松センセは高校時代はパソコン部で商用ゲーム作ったりして小銭稼いでたとか。
漫研入って漫画描き始めたのは大学入ってからだと聞いてます。
情報どうもです。
人に歴史ありですねえ。
http://www1.kcn.ne.jp/~iz-/
ここの赤松健論ネギま編に面白いこと書いてありますよ。
知ってるかもしれませんが一応。
おお、情報提供ありがとうございます。読んでみます。