さて、ここで問題です。「3個で400円のリンゴ」と「2個で300円のリンゴ」どちらが高いでしょう?
答えは勿論、「3個で400円のリンゴ」ですね。400円と300円、普通に考えればどちらが高いかは一目瞭然。一個当たりの値段なんて知ったこっちゃありません。純粋に「買うのに幾らかかるのか」という視点をもった時、どう考えても前者の方が100円高いのです。こんなもんは絶対値の問題、算数の問題、引き算の問題である筈なのです。
世間に「前者の方が安い」と考える人が一定数、というかかなりの数存在するというのは、まったくもって私の理解の埒外の事象です。
「でも、3個必ず食べるなら400円のが安いじゃん」て。違うやろ。そこは、「3個必ず食べるなら」ではなくて「3個必ず必要なら」と考えるべきなのです。
あなたは本当に3個のリンゴを必要としているのですか?実は2個で十分こと足りるところ、「一個当たりの値段」というものに惑わされて、ついつい3個のリンゴを買っていないですか?あまつさえ、一度には食べ切れずに「3個の新鮮なリンゴ→1個の古いリンゴ」などという価値の暴落を引き起こしてはいないですか?冷蔵個に「一個当たりが安いから」という理由で買った食べ物が古くなっていませんか?
そんなあなたは、「単価の罠」にハマっていると私は思うのです。
思うに、われわれは普段「単価」という言葉に惑わされ過ぎなのではないでしょうか。「お得」という単語に惑わされ過ぎなのではないでしょうか。
単価という考えを持ち出す限り、我々は必ず「一個多い方」を買わざるを得ません。分母が大きい程単価が下がるのは当たり前のことなのですから。2個のりんごで十分お腹一杯になる場合には、3個のりんごを買うのはお得どころか有害ですらあるのですが、「単価」という概念に毒された人はそれに気付きすらしません。なんという販売者の権謀、なんというラベリング効果。
つまり、単価至上思想には、二つの致命的なデメリットがあると思うのです。
・必要・不必要に関わらず消費量をかさ上げしてしまう点。
・総額で考えれば、明らかに支出が多くなってしまう点。
私は思う訳です。安いか高いかを判断するなら総額で考えるべきだ、と。買うか買わないかを考えるなら必要・不必要で考えるべきだ、と。
冷凍庫を開けて凍ったおかずが転がり落ちてくる時、そう思う訳です。
って、最近西村和雄とか読む必要に迫られてるんで予習してるんですけど、ミクロ経済学ってこういうこと勉強するんですよね?
あ、全然違いますか。そうですか。
2008年01月28日
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すいません、りんごの相場が全く分かりませんでテキトーに書いてしまいました。
多分ドーピングコンソメリンゴなんだと思います。
そうなったらそうなったで、握り潰して花山さん気分を味わえばいいんですよ。
ああそうだ、リンゴやおかずが余ったのなら、うちに持ってこればよいのですよ。何か適当なモノと物々交換しましょう。
学生時代に悩んだ末にしんざきさんと
同様の「それが必要か?」理論に基づき
「2個300円」を買うということで
決着をみた訳ですが、
次に現れるハードルとしては
「一度に1個しか消費できないニンニク、
1個150円の国産と3個100円の中国産
どっちを買う?」問題になるんですよ。
一応社会人になってからは
「1個150円の国産」になんとなく
落ち着いていますが、未だにすっきりしません。
人心を惑わす中国産。
3つのうち1個のりんごはもっと高い林檎ジャムに
化けるのです。
いやそれが必要かどうかはおいといて(爆)
家族がもっと増えればー!
中国産の一山と、国産一個が同じ値段ってどういうことなんですかあれ。どういう差があるのですかあれ。
>ああそうだ、リンゴやおかずが余ったのなら、うちに持ってこればよいのですよ。何か適当なモノと物々交換しましょう。
別に構いませんが、味噌汁が冷めない距離に引っ越してきてください。
>やさん
>1個150円の国産と3個100円の中国産
どっちを買う?」問題になるんですよ。
別途検討しなくてはいけない課題ですね。
なんか餃子の話も出てきましたけど。
>naoさん
>いやそれが必要かどうかはおいといて(爆)
置いといてどーする。
いや、リンゴジャムはおいしいですが、そういえば最近トースト食べてない気がするですよ。朝がぎりぎりで申し訳ない。
「慣れないうちは、
大きいのをまとめて買うんじゃなくて、
少量を毎回買い足すほうがよい」
というアドバイスを読んだ覚えがありますが、
そういった根拠があったのですね。
ようやく消化しました。
>少量を毎回買い足すほうがよい
そのアドバイスと上で書いた理由が重なるかどうかは分かりませんが、私の感覚でもそんな感じですねー。
大家族だとまた違うんだと思いますけど。