CRMというのは、顧客の傾向をリサーチして、それに基づいた営業が出来る様にするシステム。なんとなく心に残ったのでメモっておくことにする。
妙にシステム開発に詳しい床屋さんだったが、そもそも何でこういう会話になったか、という導入は面倒なので省く。
彼曰く。システム会社がクライアントの注文に応じて開発するWeb系のCRMってのは、大抵ダメCRMだ、と。
「いや、単純な話。彼らが欲しがるCRMって、要は「お客さんごとに適した営業活動が出来る様にする」システムでしょ。それが既に発想としてダメなんですよ」
「へ。そーゆーもんですか。そのココロは?」
「そっすねー。たとえば。しんざきさん、こういう風にサクサク会話につきあってくれてますけど、正直床屋で会話なんてウザいなーと思うことあるでしょ」
「まあ、ぶっちゃけるとたまにあります」
「大抵のお客さんってそうなんですよ。じーっと黙って、「あ、この人は会話がイヤなんだな」って意思表示してくれるお客さんってすげー少数派。ほとんどのお客さんは、話好きみたいにサクサク会話をした上で、ある日ぱたっと来なくなっちゃうんです」
「まあ、そんなもんかも知れないですね。お客さんの反応で「こういう会話をしかけるといい」とか、そもそも判断すること自体がムダってことですか」
「そうそう。つまり、床屋の営業って、「何を出力するか」じゃなくて「何を出力しないか」じゃないといけないんですよ。普通のお客さんは、「これを話して欲しい」とか「こういう話題が好き」とか、そもそも思ってくれないですもん。お客さんから見ると、営業活動ってなければない程いいんです」
「でも、それもCRMってもんなんじゃないスか。相手が欲しがる情報だけ出す、みたいな」
「いや、「相手が欲しがる情報だけ出す」っていう思想じゃなくて、「相手が欲しがる情報以外は出さない」っていう思想で作られないといけない、って話ですよ。早い話、CRMって営業活動を支援するツールじゃなくって、むしろ営業活動を制限するツールであるべきだ、ってことなんです」
ははーーー。と思った。いや、床屋さんが言ってることが妥当なのかどうかは正直分からんが、話としては筋が通っている。
私自身はCRMにあんまり詳しくないし、自分で設計をやったこともないのだが、確か会社でセールスフォースか何か使ってたと思うので、気が向いた時に調べてみようかな、と。
以下は同僚との会話。
「へー、なんかすげえ詳しい床屋さんっすね。元SEかなんかですか」
「いやー、受け売りだって言ってたけど、何の受け売りかは教えてくれんかった」
「でも、そういう会話が出来る床屋さんって貴重ですよね。なんか面白そう」
「うん、まあ、面白いことは面白いんだけどね。でも当分行かないと思う」
「え。何でっすか。やっぱしんざきさん、会話自体うざい派ですか」
「いや。ただ単に下手だから」
「……まあ、確かに、割と独創的な髪型っすね」
「普通の床屋さんに独創性は不要なんじゃないかなあ…」
天は二物を与えず、というのはこういうことか。違うかも知れないが。
2008年03月12日

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島田紳助さんの
「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 (幻冬舎新書 し 4-1) (新書) 」
にそういう指摘が書かれています。
ある意味わかるけど
なんか言葉尻並べた感じがしなくもない。
情報どもです。元ネタ、それ・・・なんですかね?
折をみて読んでみます。
>bari閣下
んー、まあ、本人も受け売り言ってたくらいだからなあ。実際のところ、正しいのかどーかはよくワカランですはい。