2008年04月27日
結婚生活を割と愉快に過ごす為のたった一つのキーワード。
大事なのは、関心量の調節、だと思う。というか、本当にそれだけだと思う。
最近幾つか、「結婚が上手くいかなかった人」の視点で書かれたお話を読んだ。この視点が注目を集めていることを見ていると、結婚に全然不満を持っていない人の視点も一応書いておいた方がいい様な気がしてきた。
なので書く。
例えば結婚生活が上手くいっている話とか、上手くいっていない話とか、色んな人のお話を聞く。色んな人のお話を読む。
決まって思うことがある。結婚生活が上手くいっていない人というのは、つまり関心量に大きな食い違いが出てしまっている様に見えるなあ、と。
関心というのは、大きく言うと勿論お互いへの関心である。更には、お互いが関心をもっているものへの関心、でもある。
AさんがBさんに関心をもつ。あるいは興味をもつ。何をしているのか、どんな人間なのか知りたいと思う。
全ての人間関係はそこから始まる。お互いへの関心のバランスが良ければ、お互いにとって丁度いい距離感が形成出来る。相手がやっていることへの関心をもっていれば、相手が体験している楽しさが分かる。相手が体験している苦労も分かる。気配りも思いやりもその後の話だ。
お互いへの関心のバランスが悪いと、コミュニケーションのバランスが崩れる。一方は反応欲求を満たすことが出来ず、一方は発信欲求を満たすことが出来ず、不満はどんどん蓄積されていく。
相手が関心をもっていることへの関心が薄いと、無理解のペースが速まる。相手が何を楽しんでいるか分からないから、楽しい時間を共有出来ない。相手が何に苦労をしているかが分からないから、相手のペース配分に納得することも出来ないし、相手の疲れに共感することも出来ない。仕事にかまけている旦那の家庭が上手くいかないのは、その多くが「関心の配分」の調整ミスに由来している。
奥さんの家事の苦労に旦那の理解がないというのも、旦那が集めていた鉄道模型を捨ててしまったとかいう話も、同じく「関心の配分」の調整ミスに由来している。
子育てが原因で家庭に不和、みたいな話をよく聞く。これは何が原因かというと、多分、子供に対する関心量のアンバランスだ。妻が子供に抱いている程の切実な関心を、夫が持てない。そうすると、夫にとってみれば「妻の自分に対する関心量」が純減したとしか感じられず、妻にとってみれば「自分がもっている重要な関心」を共有出来ない。当然色んなすれ違いを生む。旦那には子育ての苦労がよく分からないし、興味ももてない。奥さんは子供のことで頭が一杯で、そこまで旦那に関心を払えない。これで人間関係が上手くいく筈がない。
人間のキャパシティというものは、つまり関心の許容量である。どんな分野でもそうだ。そして、相手に関心が持てる人、相手がやっていることに関心を払い続けられる人であれば、いい関係を築く為の第一条件は既にクリアしていると思う。
「愛の反対は無関心」という言葉は、多くの人がその意味を誤解している。愛と関心は、実際の所はほぼ同義語なのである。反対語になるのは当たり前のことであって、それ以上でもそれ以下でもない。夫婦喧嘩が時として夫婦関係をよくするというのも、多分同じ様な原理なんだろうと思う。喧嘩は相手への関心なしでは成立しないから。
まとめると。夫婦の両方か、少なくとも片方が、上手く関心を配分出来る人であれば、夫婦生活というのは割と円満に進むんじゃないか、と、私はそんな風に思う。
さらに簡単にまとめると、こんな風になる。
あなたの隣で過ごしている人に、興味を持ち続けてください。結構面白いですよ、その生き物。
私に関する限り、私のすぐ隣に私以外の生き物が生きているというのは、それだけで十分な驚異だ。最近では更にもう一人、私以外の生き物が隣に増えた。これも物凄い驚異だ。しかもこの生き物達は、日々、少しずつ変わり続けている。昨日までの研究事例が、どういう訳か今日は通用しなくなったりしていることが割と頻繁にある。これも恐るべき驚異だ。
これから先も、私は色んな物に色んな関心を持つだろう。それでも私は、この生き物達への関心を、多分生涯失わないでいられると思う。
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もうひとつ必要。
いわゆる鈍感力。
感性を少しだけ鈍くしないとお互いの価値観が噛み合わないことに耐えられなくなる罠。
私は鈍感力って言葉あんまり好きじゃないですけど、「何かを気にしないようにする」っていうのも関心の調節の一環だと思いますよ。
妄想はもういいから、黙って婚活に勤しめ。な。