2005年11月21日
「ゲーム攻略本」はどこから来て、どこへ行くのか。
ところで誰か、今ゲーム攻略本ビジネスってどんな感じになってるかご存知ないですか。
外野からの所感では、様々な要因で多分大半は壊滅状態で、付加価値の方向性を変えてやらなけりゃあやってられん、って状態になってる様に見えるんですが、むかーしの編集関係のお知り合いでそっち系に詳しい人が皆会社やめてた。
取り敢えず、以下データ無しの当て推量。私の理解が明白に間違っている場合、よかったらどなたか指摘してやってクダサイ。
・ゲームの攻略本は「データ・専門書系」と「画集・設定系」に二極化しつつあり、それ以外の「参考書」的なかつての形態の攻略本はほぼ絶滅しかけている。あるいは絶滅した。
・上記は、当然のことながらネット上にユーザー発のゲーム情報があふれ返っていることに起因している。詳細は以下の通り。
・人気があるゲームは情報が流れるのが早いし、情報量も豊富である。人気があまりないゲームは、そもそも攻略本の需要が薄い。
・その為、かつての「完全攻略」ものの様な、ゲームの「教科書」もしくは「参考書」的立場にある書籍の需要は地上から消滅した。
・本を売る為には価値が必要である。メーカーは、ユーザーでは手間がかかり過ぎるなどの理由で入手出来ない(細かい敵やアイテムのデータなど)、あるいはそもそもユーザー側には存在しないデータ(原画、設定画など)をメインにするか、あるいは本ならではのハンドリング性を売りにせざるを得ない。その為一項目の状況が生じる。
と、試しにここまでを前提と考えてみる。正確じゃないかも知れないけど。
で、少なくともFC・SFC時代くらいまでは、ゲーム業界と攻略本業界っていうのはかなりの勢いで相互依存というか、相互交流の構図があった。これはちょっと外野からは想像も出来ないくらい深いものになる場合も結構あって、時には開発フェーズまで攻略本の人たちが食い込むことが普通にあったらしい。某S社のお抱え攻略本会社が出来た背景には、この辺の事情も部分的にあった訳だ。
で、当時の枠組というか影響力がまだある程度残っている場合、「集めゲー」及び「絵ゲー」が増えている理由のひとつに「まだ多少なりと攻略本で稼ぐ為」という理由がちらっとあったりしねえか、とか考えてみた訳なのだが。いや、この前久々に大型書店でゲームコーナーを見てみたら、すげえ分厚い電話帳みたいな本となんかエロゲーの原画集にしか見えない本の二種類しかない様に見えたんで。ちょっと気になりました。識者求む。
って、本当はこれを準備稿にするつもりだったんだが、なんか思ったこと大体書いてしまった。まあいいや別に。
ということで、多分次回か次々回辺りの「万里を往く」のテーマは「攻略本いまむかし」ということで。気が変わるかも知れないが。

この記事へのトラックバック
私の周りは30前のゲーマーばかりなので参考にならないかもしれませんが、周りが良く買うのは設定資料集や、攻略ではなくモンスターやアイテム図鑑とかですね。攻略本は1回こっきりだけど、図鑑は何回も重宝するので。特にネットゲーム系だけど。
というのも、(ネットゲームは私はやらないので除外して話しますが)今のゲームは「隠し要素」が当たり前のように存在していますが、私のように「ぬるいゲーマー」ではそれ見つけたり網羅したりってなかなかできない。
有名な・売れているゲームであればネットで攻略情報拾えますが、ちょっとマイナーなものだと、いくらネットでもそうそう「確度の高い」情報が「まとめて」拾えるとは限らない。
それに、やっぱりライトなゲーマーは、「ゲームでは楽しみたいけど、難易度の高い部分や手間がかかる部分などは、金払ってでも攻略本にお世話になってサクサク進めたい」って考える人、結構多いと思いますよ。私の周りにも「攻略本出るまでやらない」って人いますしね。
まぁ、ゲーマー全体としてそういう人がどれくらいいるのかはやっぱり分かりませんが・・・
それからncdさんが指摘するように、質量ともなった攻略サイトやまとめサイトを見つけるのも意外とめんどくさいと思います。
参考書系の攻略本だと、SRPG系にまだ結構生き残りが多くありそうな気もしますが、どんなものでしょう?
>攻略本は1回こっきりだけど、図鑑は何回も重宝するので。特にネットゲーム系だけど。
手元にデータ集をおいておけると便利、っていう需要は結構ありそうですよね。やっぱ、ネット見ながらゲーム出来る人ばかりではないので。
ところで最近仕事が忙しくて人狼が出来ませんチクショウ。調子はいかがですか。
>ncd108さん
>「参考書系」も一定の需要は保っている(勿論昔に比べれば全然にしても)ような気はします。
>有名な・売れているゲームであればネットで攻略情報拾えますが、ちょっとマイナーなものだと、いくらネットでもそうそう「確度の高い」情報が「まとめて」拾えるとは限らない。
なるほど、需要はまだ見込めるんですね。
ただ、上みたいな話を書いた理由の一つに、私が知っている出版社がどんどん売れない部分を切り捨てているという話を聞いたことがありまして。
攻略本作成のノウハウって結構特殊なので、「需要の小粒化に伴う人材削減→ノウハウをもった人材の消滅→攻略本シボー」ということになりはせんかとちょっと危惧しています。
>テトランさん
コメントありがとうございます。
>質量ともなった攻略サイトやまとめサイトを見つけるのも意外とめんどくさいと思います。
超大作でない限り、まとめサイトとかWIKIって結構見つけるの大変ですよね。ぐぐってもぐぐっても藪の中。
>参考書系の攻略本だと、SRPG系にまだ結構生き残りが多くありそうな気もしますが、どんなものでしょう?
SRPG系の攻略本は、むしろデータ系(マップとか)と読み物系(攻略要素以外の)で二極化しつつある様にも見えますが・・・スパロボとかは色んな種類のものが出ているみたいですね。
人狼BBS多弁者リスト、しんざきさん44位ですよ。さすがですね。
麻雀部にも入りましたのでこんど打ちましょう!
>人狼BBS多弁者リスト、しんざきさん44位ですよ。さすがですね。
おおっ、そんなページがあったとはΣ(・口・) って、ちらっとまとめサイトをみてみても見当たらなかったんですが、どちらでしたか?
毎回20発言を使い切るGOTYさんも相当高値につけてきてそうな。
麻雀はぜひー。
うちの日記に私の知り合いだけ乗せてますよ。
私は108位でした。
全登録者は9000人くらいらしいです。
攻略本ビジネスはわたしが思うに”雑誌まとめ”という感じに単行本的に生き延びている気がします。
雑誌で攻略を特集する副産物ではないでしょうか。
とはいえ、基本的に雑誌においても、攻略それ自体として、データに価値があります。
ご推察のようにデータ集・設定集の2つが主軸になっているような気もします。
新撰組の不逞浪士出没カレンダーなんて覚えきれませんでした。
ラストの方は攻略本にしか載っていませんでしたし。
雑誌のままで保管しておくと、置き場所を忘れてしまったり。
スクラップにして取って置くほどマメでもないし。
PCをいちいち立ち上げる必要もないので、攻略本はそれなりに重宝します。
レトロゲームは理不尽な展開をするゲームがあったので、攻略本に求められるものが多くあった気がします。
いきなりフィールドに一人ぼっちでよくわからない状況なんて、それこそ山ほどありました。
いまのゲームは比較的ヒントが多いので、戸惑う事も少なく、攻略本に依存する事も少なくなった気がします。
余談ですが、Wizardryだけは画集っぽい価値を感じるので手放してません。(ウィザードリィのすべて)
拝見しましたー。なんか知った名前がちらほらと。
いやー、ムラオサ村のあの多弁っぷりはつくづく凄かったですね。
>さぼりやさん
>わたしが思うに”雑誌まとめ”という感じに単行本的に生き延びている気がします。
むう、なるほど。雑誌自体の売り上げはそれ程でもなくても、単行本を数出して売り上げを稼ぐ、というあーゆーソレでしょうか。中堅どころの漫画業界に近い形態なのかも知れないですね。
>PCをいちいち立ち上げる必要もないので、攻略本はそれなりに重宝します。
そーゆー需要はまだ大きそうですね。攻略まとめサイトとかはまだ一般的でないのかな。
>
余談ですが、Wizardryだけは画集っぽい価値を感じるので手放してません。(ウィザードリィのすべて)
末弥先生の恐ろしさを感じます。
GBAのソフトは参考書タイプが最も多く、
「データ・専門書系」と「画集・設定系」が殆ど無い。
売上げランク上位のソフト&一部特異なソフトは「ゲーム序盤のみの参考書」、「完全版参考書」、「データ・専門書系」、「画集・設定系」と売られ
ものによっては分厚い完全版が複数の出版社からでる。
そしてそれらはソフトの売上げに比例して売れるためコーナーの大部分を占める。
ユーザーの年齢層にも合わせてあるんでしょうね。
レゲーとは言えない時代の話ですが
私は今PS2で出た「SIREN」の解析本、『SIREN MANIACS』を読んでいます。
これはいわゆる攻略本ではないのですが、ディレクター完全監修で物凄く濃い情報が載っていてとても面白いです。
SIRENの世界を「攻略」するという意味で、この本は攻略本と呼ぶに値してると思います。
中古で安く買えてラッキーでした!
情報&コメントありがとうございます。
>GBAのソフトは参考書タイプが最も多く、
>「データ・専門書系」と「画集・設定系」が殆ど無い。
なるほど、ユーザーのニーズの違いを失念していました。そりゃ、GBAの最大ユーザー層であるお子様方には、「設定・画集系」なんて要らんですな。
>ものによっては分厚い完全版が複数の出版社からでる。
「完全版」の出版に関しても、ちょっときなくさい話を幾つか聞きます。(出版社同士の足の引っ張り合いとか縄張り争いとか)またその内書くかも。
>しゅぺるたーさん
剣聖のモーターヘッドですか?
>これはいわゆる攻略本ではないのですが、ディレクター完全監修で物凄く濃い情報が載っていてとても面白いです。
設定系に入るのかどうか、ゲームの攻略情報以外の裏話ですとか開発秘話ですとか、そういった読み物的ジャンルの本も結構出ているみたいですね。
手間の割にあんまり採算が、みたいな話もちらっと聞きますが・・・
YES I AM!
というわけであの漫画が元ネタです。
よく考えると、一部のゲーム限定ですが
昔からアイテム物語だとか攻略じゃなく世界に関する本ってありましたね。
>手間の割にあんまり採算が
半ば製作者のボランティアというか、趣味の領域に入ってしまうのかもしれません。
攻略異常の情報を知りたいってゲーム自体少ないからイマイチ言い切れないですけど。
>昔からアイテム物語だとか攻略じゃなく世界に関する本ってありましたね。
そうですね。ただ、昔は「人気があるゲーム→後付けで裏設定や世界観が形成される」という順序だったと思うんですが、現在はある程度「最初から裏設定や世界観とかが用意されている」っていう順序の様な気がします。
ところでFSSの12巻は一体いつ出るんでしょう。