2017年11月01日

基礎からのSteam版大航海時代II講座 第六回 海戦の基礎

ということで、ここ最近は私自身大航海時代IIを遊び倒していたわけなんですが、エルネスト先生でのプレイを終えて、今取りあえずジョアンで海賊し倒して公爵になったところです。そろそろ冒険しようかしら。(まだアフリカにも行ってない)

ということで、「基礎からのSteam版大航海時代II講座」最後は、三本柱の最後の1本、海戦についてのTIPSをつらつらと書かせて頂こうと思います。皆さんが着いてきているかどうかは気にしません。皆さんも気にしないでください。


〇海戦の歩き方・準備編

海戦をする時の準備は、大体こんな感じです。

・海戦に向いた船を用意する
・装備を用意する
・戦う相手を大体決めておく
・仲間の人数をそろえておく

順番に見ていってみましょう。


・海戦に向いた船を用意する

海戦に向いた船というのは、あなたが「どんな戦い方をしたいか」ということで若干変わってくるのですが、基本「水夫がたくさん乗れる船」というのが正しいです。

大航海時代IIにおける海戦は、大きく分けて「砲撃戦」「白兵戦」「一騎打ち狙い」の3つに分けることが出来ます。とはいえ、どれをやるにも水夫数は必須です。白兵をするなら言わずもがな、水夫数は攻撃力・防御力に直結します。一騎打ちも、水夫数が少ないと相手の水夫に一騎打ちを邪魔されてしまうケースがあります。砲撃をする場合だって、甲板に配置している水夫が相手の斬り込みで減ってしまうと、砲撃の威力がガンガン落ちてしまう訳です。

最低でも、甲板に100〜150人以上の水夫を配置できない船では、そもそも海戦は苦しいと言わざるを得ないでしょう。

そこから考えると、序盤から現実的に手に入る船舶で海戦向きの船というのは、

・フランダースガレー
・ジーベック
・ラ・レアル
・ベネツィアン・ガレアス
・ガレオン

これくらいになってきます。

この中でも、特にバランスがとれているのがジーベックであるということは論を俟たないでしょう。最大水夫数300は、最強の白兵戦ベネツィアン・ガレアスにも一騎打ちで対抗し得るスペックです。船速が速いことも◎。

フランダース・ガレーも、特に序盤、海戦に慣れる為に使う船としては大いにお勧めできます。ガレー船なので風を選ばず、商船隊狙いなら大抵の船に優位を取ることが出来ます。

ラ・レアルは、言うまでもなくその船足が最大の武器。最大水夫数が250なので、甲板に200人以上を配置すれば、商船隊やガレオンであれば十分白兵で圧倒することが出来ます。

そして、こと海戦という点から言えば、上記の船全ての上に君臨するベネツィアン・ガレアス。水夫数400人はやはり圧倒的で、白兵や一騎打ちをする限り、この船に勝る船はごく一部の隠し船舶しかありません。ある程度航海術や航海レベルが高くないと、戦闘時の機動力が下がってしまうことが唯一の悩みの種。

最後にガレオンはというと。この船の最大の強みは、「70門もの大砲を積めること」であって、砲戦でカノン砲をぶっ放すことが存在意義だとは思うのですが、大航海時代IIではそもそも砲撃戦がしんどいという大きすぎる問題点があります。

・甲板の人数が大砲の数を下回ってしまうと砲撃の威力が落ちる
・しかし、敵はすぐ懐によってきて斬り込みを行ってくるので甲板の人数維持が難しい
・砲撃自体、色んな条件を整えないと思ったよりダメージが出ない

という感じで、正直序盤は砲撃戦自体をお勧め出来ません。。。一部の隠し船舶に、某隠し大砲をどかーんと載せたりしたらかなり強くなるんですが。

ということで、序盤はどちらかというと白兵戦、ないし一騎打ちを狙うことをお勧めします。

一騎打ちは、「装備さえ整っていれば、格上の相手を狙うことも出来る」「旗艦だけ狙えばいいので楽」といったメリットがありますが、一方入る経験値は限定されてしまいます。

白兵戦は、「ガレアスなど、水夫数が十分な敵を狙うことは難しい」というデメリットがありますが、「白兵で相手の水夫をゼロにすれば経験が美味しい」というメリットもあります。

基本的には、一騎打ちをメインに、食えそうなら相手の船を白兵で食っていく、というのが一番お勧めの戦い方です。

なにをするにせよ、乗組員割合で「甲板」に人数を割り振るのを忘れずに!!


・装備を用意する

こちらから一騎打ちを狙うにせよ狙わないにせよ、ある程度強い「武器」と「防具」は整えておきたいところです。出来れば、「クレイモア」や「バスタードソード」など、威力A以上の装備が欲しい。

防御Aの鎧「プレイトメイル」はコペンハーゲンで普通に買えるのですが、特に武器では強い装備がなかなか手に入らない…

そうお悩みの方には、こっそり「闇アイテム」の存在をお知らせします。

港が寝静まった午前2時〜午前3時のタイミングでアイテムショップに入ると、何と通常では購入出来ないアイテムを買うことが出来るのです。そのラインナップは、服飾品や各国の免税証、私掠許可証まで多岐に渡ります。

そんな中、一部の店では強力な武器・防具を購入することが出来ます。それなりに値段も張りますが、入手出来れば一気に一騎打ちが楽になること請け合い。リューベックやブリストルにいけば、ランクAの武器を手に入れることも出来ます。

お金は非常にかかりますが、ナポリやトンブクトゥに行ってみると…?

ちなみに、闇アイテムの時間は結構狙いにくいですが、「海上で待機して、日付が変わった瞬間に入港」というタイミングで比較的簡単に当該時間を迎えることが出来ます。一度お試しあれ。


・戦う相手を大体決めておく

海戦で勝利すると、その勝利艦隊の国籍との貢献度が下がってしまうという問題があります。貢献度のマイナスが大きくなってくると、その国所属の港やその国の同盟港で逮捕される恐れが出てきたり、戦闘艦隊に狙われたりといったデメリットが。

敵対する国をある程度絞っておくと、貢献度がマイナスになってもそこまで気にせず航海をすることが出来ます。最初の内は、同盟港が少ないイタリアやオランダを狙うといいかも知れません。


・仲間の人数をそろえておく

海戦に勝つと、相手の船舶を奪い取ることが出来ます。奪い取った船を売り払うと大きな収入が入りますので、是非積極的に奪っていきたいところ。

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ただこの時、奪える船の数は仲間の数が上限になるということを覚えておきましょう。船長になれるヤツがいないと奪えない、ということですね。海賊行為でお金を稼ぐなら、ある程度仲間の人数は揃えておいた方がいいということです。


〇海戦の歩き方・実践編

さて、まずは商船隊など、比較的弱そうな相手から襲ってみましょう。船通りが多い海域で待っていると、適当な船が通りかかる筈。「監視」で中身を確認して、「お、こいつはカモに出来そう」と思ったら近寄っていって「戦闘」です。夜間は開戦出来ませんので、明るい時に狙いましょう!

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するとこんな画面になります。

あなたが艦隊を組んでいるなら、まずは「信号」や「作戦」で仲間の船に指示を出しておきましょう。信号はまとめて、作戦は個別に指示を出すことが出来ます。補給船なんかは、「作戦」で退避するよう言っておいた方がいいでしょう。

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次に、「移動」で敵船を求めて移動を開始します。この時、移動出来る範囲は、風向き、その船の操船難度、航海術や航海レベルで決まってきます。余りにも移動出来る範囲が狭いようなら、「この船はちょっとまだ扱い切れてないかな…」ということで、航海レベルを上げるか、違う船を調達することをお勧めします。

画面右の方に戦場のマップがありまして、この時白い点が味方、赤い点が敵ということになります。

戦闘は旗艦を倒せば勝ちなので、旗艦がどれなのかは読んで行動したいところ。基本、一番最初に動いているヤツが旗艦になる筈です。特に一騎打ち狙いの時は、敵の動きを見定めつつ、一気に相手の旗艦に近づく動きを狙いましょう。旗艦の水夫数を0にする、あるいは耐久を0にすれば戦闘は勝ちです。

この時、なるべく風上をとることを意識して動くと、相手の旗艦を狙いやすくなるかも知れません。

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首尾よく敵を視界に納めたら、近づいて攻撃コマンドを選択することが出来ます。この時、普通の斬り込みだけではなく、敵の旗艦に直接接触した状態なら、「一騎打ち」を狙うことが出来ます。

一騎打ちは、敵の水夫数の方が多いと通りにくく、「敵兵に邪魔されてしまいました」と出てしまったりすることもあります。ガレアス以外なら甲板に200もいれば大抵通るので、なるべく水夫数が多い状態で狙いたいところ。


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一騎打ちはこんな感じで、簡単なジャンケンになっています。「斬る」は「よける」に強く、「突く」は「受ける」に強く、「強打」は「払う」に強い。とはいえ、ダメ―ジは戦闘LV、剣術、なにより装備によってかなり大きな修正を受けるので、まずはいい装備を整えるのが最重要。装備さえよければ、相当格上の相手にも勝てたりします。


一騎打ちで相手を倒して、大量の船を一気に捕獲した時なんかは、本当に脳汁が出るくらい気持ちよいので、みなさんもぜひ海賊ライフを満喫していただければ!!!!



と、いうことで。6回にわたって、まだ大航海時代IIをしたことがない人の為に、簡単な大航海時代IIのTIPSを書いて参りました。

取りあえず大航海時代IIが超名作であることは保証しますので、これら記事を読んで「面白そうだなー」と感じて頂ければ、是非購入をご検討頂ければ!!!!



ということで、今日書きたいことはそれくらいです。
posted by しんざき at 07:22 | Comment(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月30日

基礎からのSteam版大航海時代II講座 第五回 冒険の基礎

多分俺、今日本で最もSteam版大航海時代IIについての記事たくさん書いてるブロガーなんじゃないかな…!

ということで、第五回となる今回は、大航海時代IIの3本の軸の一つ、「冒険」について書いていきたいと思います。冒険は大航海時代の華ということで、冒険名声をシナリオ進行の対象とする主人公も、ポルトガルのジョアン坊ちゃん、オランダのエルネスト先生、イタリアの冒険野郎ピエトロと、主人公6人の内3人を占めています。

やはり大航海時代IIをするなら一度は冒険を堪能してみたいところで、世界各地を巡って現実にも存在する様々な遺跡や財宝、珍獣などの発見物を探し当てるのは、一種麻薬的な楽しみがあります。「集落を発見しました」と表示される時のわくわく感よ…!

ということで、冒険の基礎ということで、冒険についての話をつらつらと書いて参ります。


〇冒険の歩き方・準備編

冒険を始める前に、最低限準備しておいた方がいいことが4点程あります。

・地図作製技能を習得して、地図工房と契約する
・冒険に向いた船を用意する
・コレクターと契約する
・遠洋航海に必要なアイテムと望遠鏡を買う

順番に見ていってみましょう。

・地図作製技能を習得して、地図工房と契約する

Steam版大航海時代IIでは、冒険名声を稼ぐことが出来る方法は基本的に3つしかありません。「地図を作って地図工房に報告する」「未発見の港や集落を発見する」「発見物をコレクターに報告する」この3つです。

冒険名声は、基本「まだ見つかっていないものを見つける」ことでしか稼ぐことが出来ないので、そもそも稼げる値に限界があるんですね。

で、地図を作って報告するというのは、要は「世界地図上の未踏の部分のパネルを開いていく」という作業になるのですが、「地図作製技能を取得した後から開けた分しか報告出来ない」のです。

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上は「Information」から「航海図」で参照出来る地図。だいぶ開いてます。世界地図のネタバレなので気を付けてください。

クリアまでに必要な名声はキャラクターごとに決まっていて、一応それなりに余裕のある設計にはなっているのですが、早めに地図工房と契約した方が良いことに間違いはありません。どうせなら、地中海を出るまでには契約してしまいたいところです。

冒険主人公3人の内、地理学者のエルネストは最初から地図作製技能を持っており、最初の段階でアムステルダムのメルカトールと契約することになりますので特に問題はありません。ジョアンとピエトロは地図作製技能を持っていないので、お金を溜めて地図作製技能を取得しないといけません。

地図作製技能を習得できる地図工房は、アムステルダム、アントワープ、パルマ、バルセロナ、ヴェネチアの5か所にあります。施設の役割や契約条件なんかはどこも変わらないので、どこで習得・契約しても問題ないでしょう。技能習得の費用は爵位や魅力によって若干変わってくるのですが、金塊5個(金貨5万枚)用意しておけば足りないということはないです。ヴェネチアだけちょっと利便性が悪いので、ジョアン、ピエトロならまあパルマかバルセロナが安定でしょうか。

ちなみに、世界地図のパネルをある程度以上(大体8割から9割)埋めた上で地理報告をすると、世界地図が完成するイベントが起きて名声がどかーんともらえます。皆さん頑張って世界地図の完成を目指しましょう!


・冒険に向いた船を用意する

冒険主人公が初期に入手できるカラベル・ラティーナは、正直言って冒険航海には向いていません。燃費(運航人数と詰める食糧・水のバランス)も良くないし操船も意外にしにくいし速度も大したことはない。中にはこの船でいきなり北極海突破して東アジアまで行っちゃう人とかもいるみたいですが、縛りプレイの領域と言っていいでしょう。

冒険に向いた船というのは、ある程度交易に向いた船と被るのですが、

・燃費の良さ(最低運航人数の低さ)
・船足の速さ(逆風、凪に強いとなお良し)
・ある程度の積載(食糧を多めに積む必要がある)

この辺の条件を満たした船が冒険にもってこいの船ということになります。どうせ暴風雨にはアイテムで対応するので、耐波性は「あるにこしたことはないが、まあなくてもそんなに困らない」という感じでしょうか。

ただ、交易目的であれば「運航」だけに水夫数を割いておけばよかったのが、冒険をする場合は「視認」にも人数を割り振りたい、というのは気を付けておきたいところです。画面端の港や集落を見逃さない為には、10〜15人程度の視認人数は割いておきたいところ。

例によって、船についてはみなさんご自分お気に入りの船をあちこち探して見つけて頂きたいところではあるのですが、しんざきお勧めの冒険船を3つ挙げるとしたら、スループ、ラ・レアル、ジーベックの3種になります。


スループ:なんといっても圧巻の最低運航人数5。積載量も250あるので、視認に人数を振っても相当の長期間航海をすることが出来ます。風がある限りは速度も速く、縦横無尽に冒険航海が可能。中古でも売っている港を見つけにくいのがちょっと見つけにくいのが玉に瑕。下位互換ですが、ピンネースで妥協する選択肢もあり。

ジーベック:交易編でも出てきた万能船。最低運航人数25に積載量650は、航海可能日数という点ではスループに一歩を譲るものの、十分冒険航海に耐えるものです。特にイベント戦闘があるキャラでは、その場で改造して戦闘船に早変わりさせることも可能というのが非常に有用。ジョアンでは特にお勧めできます。

ラ・レアル:船足最強(2回目)。最低運航人数30に積載量は450と、燃費という点では上記二船に遅れをとっているのですが、船速が速すぎて燃費を余裕でカバー出来るという特長を持っています。ガレー船である為、風が弱くても全く苦にせず常時最高スピードで走り回れるという点が素晴らしく、風が弱いところでは上記2船をぶっちぎることが出来ます。また、何故か航海レベルが低くても全然問題なく操船出来るという特徴もあります。

上記3船であれば、どれを使っても冒険航海を完遂することは可能でしょう。個人的な好みとしては、凪を全く苦にしないラ・レアルがお気に入りですが、勿論皆さんお気に入りの冒険船をあれこれ迷って頂くに越したことはありません。バスだってダウだってタレッテだって、やってやれないことはない!(2回目)


ちなみに、日本で手に入る船の中には上記3船すら上回るポテンシャルを持った船種も存在するのですが、ピエトロはともかく、ジョアンとエルネストは終盤になるまで日本の港を発見できないのが悩みの種です。。。何でこの二人が事実上関船・安宅船の使用を封印されなくてはいけないのか。


・コレクターと契約する

発見物に対してお金を払ってくれるコレクターと契約しましょう。

これについては書いてしまっていいと思うんですが、コレクターには、「金払いがいいコレクター」「普通のコレクター」「金払いが悪いコレクター」の3種がありまして、獲得できる名声には差がありませんので、まあ後者と契約するメリットは基本的にありません。

基本的には、ボルドーのモルデス教授か、リスボンのマルコと契約しておけばまず間違いはないでしょう。ピエトロは契約先がマルコ固定、ジョアンはストーリーの都合上マルコとは契約出来ないので、大体モルデス教授に落ち着くことになります。

コペンハーゲンのモーリス伯とか、なんか毛生え薬についてのボツイベントがあったという話を聞いたことがあるのですがよくわかりません。


・遠洋航海に必要なアイテムと望遠鏡を買う

まず、望遠鏡は必須アイテムです。視界を一気に2倍に広げることが出来まして、視認の人数を確保していれば港や集落発見の取りこぼしをだいぶ減らすことが出来ます。リスボンやアムステルダムやロンドンなど、各国の首都で売っていることが多いです。

もう一点、聖なる香油もかなりの重要アイテムです。暴風雨を止めることが出来るアイテムなのですが、遠洋航海時にこれがないと、上陸して嵐をやり過ごすことも出来ずなすすべなく沈没、といったことが普通に発生します。2,3個は常に確保しておきたいところ。ボルドーやバルセロナに売ってます。

同じく、船首像も可能な限りつけておきたいです。主人公の運にもよりますが、あるとないでは嵐の発生頻度が全く変わります。出来ればポセイドンかドラゴンくらいはつけたいところ。

ネズミの発生に対応出来るネコイラズ、壊血病を回復出来るライムジュースもあるにこしたことはないんですが、これらはかなり長期間の無寄港航海をしないと発生しませんので、序〜中盤はそこまで必要ないかも知れません。ネコイラズは消耗アイテムなのですが、ネコを買うと一切ネズミは発生しなくなります。メッカに寄ることがあったら買っておきましょう。かわいいし。


ということで、冒険前の準備はこんな感じです。


〇冒険の歩き方・実践編

さあ、船も用意して、食料・水も満載!地図作製技能も完璧!!

となると、さて何をすればいいのでしょうか?

冒険の基本は、「行ったことがない場所に行け」です。目指すのは、地図にない世界。初期では地中海しか知らなかった主人公たちが、世界に漕ぎ出していくのが大航海時代IIの冒険です。

要は、「まだ地図に載っていない海域」に向かえばいいわけです。アフリカ、新大陸、北極海。更にそれを越えてアジア、太平洋、西アメリカ、オセアニア。行先は完全にプレイヤーの自由です。

地図埋めを兼ねて海岸線沿いを走っていると、やがて「集落を発見しました」と言われる筈です。その時こそ、発見物捜索のチャンス!!

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集落に船を横付けして、「INSTRUCTION」から「上陸」を選びましょう。すると、集落で「探索」をすることが出来るようになります。


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一度の探索で見つからなかった場合も、「歓待」を選ぶと集落の住民との友好度が上がり、探索の成功率を上げることが出来ます。歓待→探索を繰り返す内に、発見物を見つけることが出来ればミッションクリア。

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この瞬間が大変気持ちいい訳です。大航海時代IIには100種類近くの発見物が発見出来ますが、1回のプレイではその内半分くらいしか見つけることが出来ないようになっています。どんな発見物があるのか、何度もプレイして探し回ってみたくなること請け合い。

誰もが知っている遺跡が、誰にも発掘されたことのない財宝が、誰も見たことがない生物が、あなたを待っています

ちなみに、「歓待」をすると食糧を2消費します。その為、探検航海をする時には食料を多めに積むことが鉄則です。


水は、主人公の運がある程度あれば、集落以外の適当なところに上陸して「探索」すれば泉を発見して補給することが出来るので、そこまで重要ではありません。とにかく食料を積みましょう。

また、集落の中には「乗組員に被害が出て人数が減ってしまう」発見物があるところもあります。特に港が少ないところでは、水夫の補充に苦戦を強いられることもあります。引き返すかどうか、慎重な判断を。

集落の場所については、世界各地に散らばっていることは勿論なのですが、特に「大河をさかのぼることで複数発見出来る」というポイントがあります。ナイル河、アマゾン河、チグリス川やユーフラテス川、黄河。世界各地の大河を探索してみましょう!


〇冒険の歩き方・TIPS編

冒険をする上でのTIPS的なことを記載しておきます。

・勅命には要注意!

冒険名声を順調に稼いでいくと、「王様があんたを探してるぜ」みたいなことを言われることが出てくると思います。いわゆる勅命です。

大航海時代には、伝統的に「国王の頼まれごとをクリアすると爵位を上げてもらえる」というミッションがありまして、最終的には一介の地理学者が公爵にまでなれちゃったりするんですが。

勅命は、「冒険・交易・海賊の内、その時一番高い名声を参照して、頼まれごとの内容が決まる」という特徴があります。

交易であれば、「同盟港を増やせ」とか「この交易品を買ってこい」とか。

海賊であれば、「〇〇国の艦隊をやっつけてこい」とか「海賊を退治してこい」とか。

その他共通で、「〇〇国と条約を結びたい」というのがあって、これはその国の王宮にいくだけなので余裕なんですが、

冒険だと「財宝を発見してこい」か「色々な発見物を見つけてこい」というのがあります。

この時問題なのが、「色々な発見物を見つけてこい」の勅命。なんと、「王に報告した場合、その発見物分の名声はもらえない」という罠がありますので、貴重な発見物を持ってかれてしまうと泣くに泣けません。しかも、発見物は基本「その時未報告のものから、上から順に」選択されるだけなので、自分で選ぶことも出来ません。勅命を断ってしまうと名声が激減してしまうので、断るに断ることも出来ません。ああブラック勅命。

「発見物を見つけてこい」の勅命を受けてしまった時は、最低限「ランクA以上の発見物はコレクターに報告してから」勅命を報告しにいきましょう。

勅命は、その時の名声の値を参照して内容が決まっているようなので、「勅命を受ける前にセーブしておいて、発見物勅命だったら名声の値を変えてから勅命を受け直す」というテクニックも割とお勧めです。まあちょっと裏技めいてますが…。

ちなみに、爵位を上げることは別にクリアに必須ではないというか、確かに爵位を上げることで「値切れる幅が大きくなる」「どの王宮にも入れるようになる」「免税証を入手出来るようになる」といったメリットもあるんですが、「一部の海賊に狙われるようになる」といったデメリットもあるので、勅命を受けるかどうかはあなた次第です。なんならガン無視してもクリア自体に支障はありません。まあ、ことあるごとに「〇〇王があんたを探してる」と言われるのもちょっと落ち着かないですが。。。

慣れた人だと、「先に冒険以外で爵位を上げ切ってしまってからおもむろに冒険を始める」などという人もいるようです。まあ、流石にそこまでやるかどうかはともかくとして、「発見物勅命に注意」というのは覚えておいて損はないかと思います。

なお、財宝探索の勅命は、面倒くさいもののそこそこ面白いので、やってみるのも一興だと思います。手順は、勅命を受ける→その港のギルドに行って仕事の情報を聞く→指定されたギルドに行って情報を聞く→地図をもっている航海士の行方を捜す(酒場で酒をおごるとどこにいるか聞けることが出来ます)→その航海士から地図を買う

の手順です。地図の場所がどこか分からなければ、地図工房にお金を払って鑑定をお願いすることも出来ます。


ということで、冒険について基本的なことをがーーっと書いてきました。あと、書ければ海戦のことも書いていきたいのですが、流石に一旦一区切りかなーという感じです。

皆さん大航海時代II遊びましょう!!!面白いので!!!



今日書きたいことはそれくらいです。




posted by しんざき at 07:10 | Comment(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月27日

基礎からのSteam版大航海時代II講座 第四回 交易の基礎

ということで、前回の続きです。え、需要が無い?読む人がいない?需要が!怖くて!ブログが!!書けるか!!!

冒険をするにしても、海戦をするにしても、まず先立つものとしてお金が必要。そして、お金を稼ぐ為の一番手っ取り早い手段は交易です。

大航海時代IIでは、どの主人公を使っても、最低でも最初期は大体交易をすることになります。全く交易をしないでクリアすることも無理ではないですが、そこそこ縛りプレイの領域になります。

今回の記事では、そんな「全ての基本」といってもいい交易について最低限のコツと、あとは冒険をする時の基本的な立ち回り方をお伝えしようと思います。


〇交易の歩き方

交易の基本原則は、勿論「安く買って高く売る」なんですが。大航海時代IIにおいて、それを実現する為に考えるべきことはたった一つ。「その港や地域でしか売っていないものを買って、他の地域で売る」。これだけです。

そもそも大航海時代って、割と重要なルーツとして「香辛料交易」ってものがあったんですよね。ヨーロッパでは香辛料が取れない!けどオスマンと喧嘩してるから香辛料が輸入出来ない!じゃあ直でインドやアジアにいけるルートを探そう!!っていう(正確にはヴェネツィア共和国が香辛料貿易独占してたり色々あったんですが、ここでは関係ないので割愛します)。

「ある地域でしか取れない交易品」は、他の地域で高く売れる。その代表格がコショウやナツメグやピメントなどの香辛料です。まあ、大航海時代II基準で言っちゃうと、香辛料取れる港が遠すぎて、近場で何度も往復した方が時間当たりの利益はでかかったりするんですが…。

ということで、大航海時代IIにおける「交易のコツ」は、簡単にまとめると以下のような感じになります。

・交易に向いた船を用意する
・港ごとの特産品を中心に、他の地域で高く売れそうな交易品を探して買いつける
・その交易品を高く買ってくれる地域を調べる
・高く売って儲ける

順番に見ていってみましょう。


・交易に向いた船を用意する

当たり前のことですが、たくさん儲ける為には、船にたくさん積めなくてはいけません。交易を開始した当初は船を新調しようにもお金が足りないと思いますが、最低限、「造船所で船を改造して船倉の割合を増やす」ことはやっておきたいです。どうせ交易中に海戦なんて出来るわけないんですから、大砲もゼロにしちゃいましょう。水夫数も運航の最低人数でいいです。

交易に向いた船というのは、ある程度冒険とも被るんですが、

・積載が多い船
・船足が速い船(逆風に強いということなし)
・必要運行人数が少ない船

上記の3条件です。つまり、「たくさん積める」「速いから何度も往復出来る」「人数が少ないから、食糧や水を積む量を減らせる」ということですね。

勿論船選びは大航海時代IIの最高の楽しみの一つですから、みなさんには是非自分であーだこーだ船選びに迷って頂きたいのですが、幾つかお勧めの船は挙げておきます。

軽ガレー:必要運航人数たったの5。積載120。積載こそそこまで多くないのですが、旋回100で向かい風に強い上、ガレーなので風が弱くても進めます。しかも安い。操船難度も高くないので、序盤、地中海内での交易でお金を溜め始めるスタートアップ船としては特にお勧めです。

スループ:軽ガレーと同様に、必要運行人数が5の割に積載250。どちらかというと冒険船ですが、交易にも使うことが出来ます。旋回が高く、向かい風に強いことも強み。ただ、ちょっとレアなので入手にあちこち探し回らないといけないことがあります。特に冒険主人公にはお勧めです。

キャラック:必要運航人数30、積載600。コロンブスの乗船「サンタ・マリア号」で有名。交易と言えばキャラック、ということで、ある程度お金が溜まってきたらこの船に乗り換える人も多いでしょう。性能的には後述のジーベックに劣るのですが、入手するのに必要な商業価値や工業価値が低く、手に入りやすいのが強み。繋ぎの交易船としてはお勧めできます。

ジーベック:必要運航人数25、積載650。なんでも出来る万能船です。積載が多い割に運航人数が少ないので、船倉を目いっぱい交易に使えることもさることながら、水夫数を300まで増やせるので、場合によっては戦闘用に転用したりも出来ます。旋回80で向かい風にも強く、船足もなかなか。

ラ・レアル:船足最強。必要運航人数30、積載450なので、一回の交易の効率という点ではジーベックに譲るのですが、なんといってもその船足の速さが最大の強み。ガレー船なので風の状態を選ばず、どういう訳か耐波までついているので外洋にも余裕でいけちゃいます。そこそこ値段は張りますが、かなりのお勧めです。

ベネツィアン・ガレアス:最強の白兵船なのですが、実は交易にも転用出来ます。必要運航人数60という多さながら、積載は驚異の950。大量の交易品を積んで、どかーんと儲けることが出来ます。ただし、耐波がないので外洋はきつい。ある程度お金と航海経験が溜まってから、更に一気にお金を稼ごうという時にはお勧めです。


上記のような船を、自分の財布と相談しながら買っていって、徐々に大きな取引を出来る様になっていくのが交易の最大の楽しみです!!勿論他にも色んな船がありますので皆さんお気に入りの船を探していただければ。バスだってタレッテだってダウだって、やってやれないことはない!


・港ごとの特産品を中心に、他の地域で高く売れそうな交易品を探して買いつける
・その交易品を高く買ってくれる地域を調べる

次にこれです。なにはともあれ特産品探しと、それが高く売れる地域探し。

港の交易所に行くと、その港で売っているものを参照することが出来ます。

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このマークの建物ですね。

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こんな感じです。この時、港にいるお爺さんに話しかけたり、交易所のおっさんから「特産品」について聞くことが出来ます。

港の交易品は、「その地域の交易品 + その港独自の交易品」という構成でメニューが決まっています。で、特に特産品は、その港独自(ないし幾つかの港独自)の交易品であって、他の地域で高く売れる可能性が高いです。勿論例外もあるんですけどね。

で、更に、交易所では各交易品の相場についても調べることが出来まして、

dktrade_2.png

こんな感じで、「何がいくらで売れるか」というのを品目ごとに確認することが出来るんです。

これで、「高く売れる交易品を他の港から持ってくる」というのが、大航海時代IIの交易の唯一最大のキモです。これを調べる過程が楽しいんですよ、これがまた。

勿論先人が開拓した定番の交易ルートというものはいくつかあるんですが、出来ることなら皆さんも「自分独自の交易ルート」というものを開拓していただければなーと思うこと大です。

ただ、幾つかヒントをお伝えしますと、

・最低限の資金があれば、元々の価格が高い交易品の方が、大きく儲けることが出来る場合が多いです
・特に絹織物、美術品、絨毯、金辺りは儲けが大きい品目の代表例です
・ガラス玉みたいに、「他の地域では値がつかないが、アフリカでだけ高く売れる」みたいな特殊な交易品もあります
・序盤は食品が優秀。特にマディラの砂糖は大抵どこにもっていっても利益が出ます
・鉄鉱石も序盤かなり優秀。イベリアで高く売れます
・商業価値がある程度上がらないと交易所に並ばない交易品もあります。交易投資で商業価値は挙げられます
・爵位が上がって免税証を発行申請すれば、同盟港での仕入れが安くなります

こんな感じでしょうか。是非、あなたならではのルート開拓を!

あと、交易品を買い付ける時には、「主人公が交渉技能を持っているか、人事で会計技能を持った航海士を主計長に任命すれば、購入する時に一度「NO」を選択すると値切れる」というのが大きなポイントなので覚えておきましょう。会計技能を持った仲間がいない?よし、ロンドンの酒場に行くんだ。

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・高く売って儲ける

特に商品を売る際には、「相場」にも気を付けるといいです。100%が基準で、高ければ高い程物価が高く、安ければ安い程物価が安くなります。港での画面右側の「〇〇%」というのがその値です。

これ、交易品を売れば売る程相場は安くなっていくので、「売る時は一気に売った方が儲かる」というのは交易の重要ポイントの一つです。何回かに分けるとその分売値が安くなっていってしまうんですね。

この関係上、もしも複数の船で艦隊を組むなら、「水や食料は一隻に集中して配備しておいた方がいい」のは間違いないです。違う船で何回かに分けて売りたくないので、交易品は一隻にどかっと積んでおいた方がいい、なので船倉を集中させましょうって話ですね。

ちなみに、この相場を利用して、「空き船でその港の商品を購入して相場を吊り上げておいてから、本命の商品をどかっと売る」という高等テクニックが存在します。これを利用するとそりゃもうものすげー勢いで稼げたりするんですが、まあ結構裏技的なテクニックです。序盤はあまり使う機会はないと思いますが、頭の片隅にでも入れておいていただければ。


ということで、今回は交易の基礎について簡単に書いてみました。

大航海時代IIの交易は、探索してると実に奥が深くて超面白いので、みなさん是非大儲けしてください!!!特にアルとかでプレイすると、稼いでも稼いでも金が足りなくて死にそうになるのでお勧めです!!!

今日書きたいことは一旦以上です。


↓ここまでの記事


posted by しんざき at 07:00 | Comment(5) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月24日

Steam版大航海時代IIのキャラデータの保存に関して

確認していた件、多分これかなーと思っていたんですが、光栄さんから回答があって解決しました。
以下、引用いたします。


セーブデータフォルダに作成されるキャラクターは
1キャラクター分となっております。

そのため、別キャラクターにてプレイされる場合は
セーブデータフォルダにあるセーブデータ・ファイルについて
別のフォルダにバックアップを保存を行ったうえで、お楽しみいただきますようお願い申し上げます。


セーブデータ、設定データはいかに保存されております。

ドキュメントフォルダ
C:\Users\【PCのユーザー名】\Documents\KOEI\35th\大航海時代 II


お手数ではございますが
ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
これからも弊社製品をよろしくお願いいたします。


ということなので、上記フォルダの

セーブ(ディスク#4).DAT
設定.DAT

というファイルをバックアップしておけば、新たにユーザーディスクを作っても後から元のキャラを遊ぶことが出来るようです。安心!

取り急ぎ、以上です。
posted by しんざき at 20:15 | Comment(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

基礎からのSteam版大航海時代II講座 第三回 港の歩き方

ということで第三回です。なんでお前そんなに必死なの?と言われたら、「そこに大航海時代IIがあるからだ」と答えます。俺は書きたいから書いてるんだ!!!!

昨日に引き続き、今回は

・港の各施設について私見にて解説

上記を中心に解説していこうと思います。マニュアルと被る部分も含めて、初めての方向けにTIPSも交えて解説しようと思いますので、よろしくお願いします。


〇大航海時代IIにおける「港」のお話

勿論大航海時代IIは実際の大航海時代の話ですので、マップは地球ですし、至る処に実際に存在する港街が存在します。リスボンやらセビリアやらセウタやらチュニスやらバルセロナやらイスタンブールやら、このゲームを遊んだことがある人なら、大体「お気に入りの港」「良く使う港」やらをお持ちでしょう。地中海を中心に、沿岸の地理にやたら詳しくなれるので地理の勉強をしたい人にも大航海時代IIはお勧めです。そこの受験生の方、いかがですか?

で、港にはそれぞれ、色んな施設があります。全ての港に必ずある施設もあれば、結構探し回らないと見つからない施設もあります。

下記は、港にある施設のそれぞれのマークと、その機能についてのTIPSです。


・出航所   利用頻度:☆

port.png 補給港を含めて、全ての港に必ずある唯一の施設です。どんなプレイであっても必ず利用することになります。
選択可能な行動は「出航」と「補給」と、首都の港のみで使える「ドッグ」。

出航は読んで字の如くであり、通常「〇日航海出来ます」とか副長、ないし航海士の誰かが教えてくれます。
補給は水、食料、補修資材、砲弾を補給出来ます。この時結構重要なのが、水・食料の消費は艦隊単位であって、船ごとに必要量を積む必要はないこと。どれか一隻に水と食料がたっぷり積まれていれば、他の船は船倉空っぽでも別に問題はないのです。これ、海戦で勝って相手の船を分捕った時にも重要な概念なので覚えておきましょう。

ドッグでは艦隊の船を預けることが出来ます。この時、主人公が船長をやっている船(旗艦)は預けることが出来ないことに注意。あと、預ける時に乗組員は全員解雇されますのでそこも気を付けましょう。


・造船所 利用頻度:A

ship.pngコンパスのマークが目印。この施設も、補給港以外の全ての港に存在する施設です。選択可能な行動は「船の新造」「中古購入」「修理」「売却」「改造」「工業投資」。

新造と中古購入は、船を新たに調達する時に使います。船新調するのめっちゃ楽しいですよね!!!!あんな船いいなこんな船いいなと悩むところですが、中古はすぐ使えるけど品揃えが運次第、新造はスペックを全て自分で決められるけど出来上がるまで時間がかかるというメリットデメリットがありまして、どちらもその港の工業価値次第で登場する船のラインナップが変わってきます。ここぞという戦闘艦を作る時以外は、大抵中古船を探して買った方が早いでしょう。

「改造」は船の積載割合を変えられる大事なコマンド。商船や冒険船なら、大砲載せる必要はないのでゼロにしちゃって、その分倉庫を増やしましょう。水夫数も必要運航人数 + 視認要員でおk。一方海戦をするなら色々事情が変わってきますが、これはのちの記事で。大砲や船首像を買えるのもこのコマンドで、こちらも工業価値でラインナップが変わります。工業価値や商業価値が極めて高いと、隠し大砲や隠し船首像が出てくることも。

で、その工業価値を上げられるのは「工業投資」。これをすると港の支持率も変わってきまして、港の支持率で母国がトップをとると、その港は母国の影響下にある「同盟港」になります。

「修理」と「売却」は読んで字のごとく。大体の場合、海戦で相手の船を分捕った後活用することになるコマンドです。


・酒場 利用頻度:A

bar.png こちらも、補給港以外のほぼ全ての港に存在する施設。酒場と言っていますが、オスマン圏だとミント茶を飲むことになります。選択可能な行動は「酒をおごる」「水夫を雇う」「航海者と話す」「(いれば)酒場女と話す」「賭博をする」。

船を新調したり乗組員に被害が出た時は、急いで酒場で水夫を雇いましょう。「MANAGEMENT」から乗組員割合を変更して、運航や視認に人数を割り振ることも忘れずに。酒をおごると、水夫を雇える人数が増えたり、情報をもらえたりします。ただし、水夫を雇えるのは1日に1回だけなのにご注意。雇える人数が足りなかったら、日付を変えてまた来ましょう。

一方、航海者を雇って仲間を増やすのは、特に海戦をやる人には重要。船長になれる仲間がいないと相手の船を分捕れないのです。航海者はそれぞれ航海レベルと戦闘レベルを持っていて、大抵の場合、主人公のレベルが自分のレベルより低かったら雇われてくれません。断られたらレベルを上げて再挑戦しましょう。

雇う前に酒をおごりまくると、雇った後忠誠度が最初から高い状態になるのが一つのポイント。15回もおごってやれば彼はもはやあなたの忠臣になります。なんでしょうこれ、洗脳か何かでしょうか。

酒場女(看板娘)と話すと、自慢話をしたり、プレゼントを贈ったりして仲良くなれます。看板娘によって「親切/冷淡」「無口/饒舌」といった値が決められていて、あと好みも人それぞれです。自慢話を聞くのが好きという奇特な看板娘もいれば、宝石が好き、服飾品が好きといった看板娘もいます。仲良くなると仕事関連の調査を頼んだりも出来るので、一人は馴染みの看板娘を作っておくのが良いでしょう。個人的には、アレキサンドリアのネリーさんとかかわいいと思います。

賭博は今回、ブラックジャックとファイブダイスというポーカーみたいなゲームを遊ぶことが出来ます。勝つのは結構難しいのでほどほどに遊びましょう。


・宿屋 利用頻度:B〜A

inn.pngこちらも、大抵の港にある施設です。選択可能な行動は「航海者と話す」「港の支持率」「宿泊」。

酒場には行かないで宿屋にいる、という航海者も結構います。多分酒が嫌いなんですかね?彼らには宿屋でしかアプローチできません。雇う際、酒をおごりまくって忠誠度を上げることが出来ないのがやや厄介。

港の支持率は、単純にどの国の支持率が最も高いかを調べることが出来ます。支持率が最も高い国がその港の支配国になります。

宿泊をすると、必ず翌日のAM 8:00になります。0時になってから泊まっても、きっちり「翌日」のAM8:00まで時間経過してしまうので、日付を進めたくないときは注意しましょう。このゲーム、基本宿屋に泊まらなくても主人公は全く疲れる様子がないので、時間経過をさせたい時だけに必要なコマンドです。なんでしょう、彼らサイボーグか何かなんでしょうか。


・交易所 利用頻度:A

trade.pngこれも大体の港に存在する、重要施設の一つ。前に立っている人に話しかけると、その港がどの国の同盟港かを教えてくれます。選択できる行動は「交易品を買う」「交易品を売る」「相場を確認する」「商業投資」。

交易品の売買については後述しますが、物価と相場が何より重要。その港では何が買えるのか、何を高く売れるのか、という情報が全てを決します。

一方、商品の中には「商業価値を上げないと並ばない」というものもあり、商業価値を上げるには商業投資が必要です。これも港の支持率の変動要因で、同盟港を作る時にも使えます。


・銀行 利用頻度:B

bank.pngミツバチのマークが目印のシャイロック銀行。結構大き目な港にしかありません。出来ることは「預金」「出金」「借金」。あと、ギルドで借金取り立てをした時にはヴェネチアの銀行に届けにいくことになります。

銀行にお金を預けておくと、海賊に降伏した時も資産が無事ですし、後述する教会に寄付する時も持ち金を減らせるので非常に有用。ただ、国との敵対度が上がって逮捕され、財産を没収される時は銀行も見逃してくれないので注意です。預金の利子が、現在日本から考えると頭おかしい月3%という高さなので、積極的に預けていきましょう。

借金も初期には使えるかも知れません。利率は月10%と、こちらもかなりの暴利なので注意。


・ギルド 利用頻度:C 〜 B

guld.pngギルド。大体の港にあるんですが、人によってはあんまり使いません。出来ることは「仕事の斡旋」「各国の情報」「港の位置の情報」。

仕事の斡旋では、交易名声と海賊名声を上げることが出来る、幾つかの仕事を請け負うことが出来ます。手紙配達はお手頃。海賊退治は自分の戦力と、商品輸送や商品購入は船の容量と相談。借金取り立ては、人探しがちょっと大変ですがお手頃に海賊名声が稼げます。アル以外の主人公なら、借金持ち逃げなんていうテクニックも。。。

各国の情報は、どの国がどの国を狙ってるとか教えてくれるんですが、あんまりあてになりません。港の位置は、その港の場所を適当な緯度経度で教えてくれるだけで、正直なんの利用価値もありません。仕事の斡旋を受けないなら行く必要はあんまりない場所。


・アイテムショップ 利用頻度:C 〜 B

item.png色々なアイテムを売ってくれるところ。ある港とない港がありますし、港によって売っているものが違います。出来ることは、アイテムの購入と売却。

最強の暴風雨対策アイテム「聖なる香油」は、遠洋航海の必須品といっていいでしょう。バルセロナやボルドーに売っています。
ネズミを防止する「ネコイラズ」ないし「ネコ」も出来れば備えておきたいところ。壊血病を防止する「ライムジュース」は、正直余程の遠距離航海でないと使いませんが、代替品はないのでスケジュールに応じて買っておきましょう。

冒険に出るなら、視界を広げてくれる「望遠鏡」は必須アイテムに近いです。遠くの集落もチェック出来るようになります。リスボンやセビリア、アムステルダムなど、多くの本拠地で売っています。海戦で一騎打ちを考えるなら武器や防具もそろえておきたいところ。リューベックやコペンハーゲンが武器防具職人の本拠として有名です。

一方、港によっては秘密のアイテムを売ってくれることもあるようです。午前2:00〜2:40という、ごく限られた時間にアイテムショップにいくと…?


・占い師 利用頻度:C

fortune.pngちょこちょこある施設。夕方にしか開いておらず、「人生運」「仕事運」「恋愛運」「仲間運」を占ってくれます。

人生運は結構重要で、このゲーム「運」のパラメータが隠しパラメーターで、確認するには占ってもらうしかありません。「なんという強運…」と言われたら運がマックスということで、暴風雨に会いにくくなったり発見物を見つけやすくなったり、色々といいことがあります。

仕事運は次のレベルまでの必要経験値、仲間運は仲間の忠誠度を教えてくれます。恋愛運はその港の酒場女との親密度を教えてくれるだけでほぼ無意味です。


・教会/モスク 利用頻度:C

charch.pngキリスト教圏だと教会、イスラム教圏だとモスクですが、出来ることは「祈る」「寄付」で同じです。

「寄付」はかなり重要で、基本的に「運」を上げる為には寄付するしかありません。しかも、所持金額の大きな割合を寄付すればするほど、一度の寄付で上がる運も大きい仕様です。銀行を上手く利用すると…?

運が下がる要素は基本バッドイベント(幽霊船)しかありませんので、一度運をMAXにしてしまえば利用する機会はあんまりありません。


・邸宅 利用頻度:C 〜 A

mark.png色んな有力者が住んでいる邸宅です。町によって役割も違えば重要度も違います。

冒険者にとっては、「コレクター」「地図工房」と契約すると、利用頻度がぐんと上がるでしょう。発見物を報告したり、地図を報告することで名声と報奨金を稼ぐことが出来ます。

技能を教えてくれる有力者もいます。測量スキルを教えてくれるナポリのジュリアーノ教授、砲術を教えてくれるハンブルクのウォルフガング先生が有名。


・王宮 利用頻度:C 〜 B

各国の首都に存在します。勅命を受けたり、勅命を報告したり、免税証や私掠許可証を発行してもらったりできます。

名声を上げると、自国の王様から呼び出しを受け、色々な勅命を受けることがあります。勅命を達成すると爵位が上がり、色々な優遇措置を受けられるようにします。とはいえ、海賊に狙われるようになるといったデメリットもありますので、特に冒険家組は慎重な判断を。一部のキャラクター以外は、基本爵位を取得しなくてもゲームはクリア出来ます。

免税証は交易で大きな利益を上げる時にはあると非常に便利。私掠許可証は海賊名声が上がりやすくなるメリットもあるのですが、自国と仲が良い国を襲いにくくなるなどデメリットもあります。

資金援助や船舶援助は正直あんまり意味がないような…。どうせならもうちょっとどかっと援助して欲しいところですよねー。



施設とは違うのですが、港には様々な通行人が存在します。

・その国の言葉で挨拶をしてくれる通行人
・何故か欠かさず造船所にある中古船を教えてくれる女性
・その港の特産品を教えてくれる老人
・Bowwww!と唸ってくる犬

あたりが定番のオプションですが、他にもちょこちょこ、小ネタや独自情報を喋ってくれる通行人が存在します。正直話しかけなくても別に問題は出ませんが、気が向いたら話してあげてください。



ということで、港の施設について解説してまいりました。次回は、交易や冒険についての解説にシフトしていきたいと思います。

posted by しんざき at 07:20 | Comment(3) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月23日

基礎からのSteam版大航海時代II講座 第二回 ゲーム起動・操作方法基礎編

どうもしんざきです。引き続き大航海時代の話です。

「起動方法がよー分からん」というお声がありましたので、マニュアルにも一応記載はあるのですが、ちょっと画面写真つきで解説してみます。スクショ多めです。既に普通に起動出来て操作も出来てると、という人は読み飛ばしてください。

まず、steamから大航海時代IIを起動すると、こんな窓が出てきます。

dk2inst08.png

これ、真ん中の二人ってジョアンとカタリーナなんですよね…?カタリーナはともかく、ジョアンの方は当時から「誰??」って感じなんですが…

以下、画像が多いので折りたたみます。


続きを読む
posted by しんざき at 23:47 | Comment(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

基礎からのSteam版大航海時代II講座 第一回 導入/ゲーム開始編


大航海時代シリーズ、特に大航海時代IIの面白さの根源って、「計画を立てて、それを実施する楽しさ」じゃないかなあと思うんです。


言うまでもなく、大航海時代IIというのは航海のゲームです。プレイヤーは、6人のキャラクターから1人を選び、個々様々な目的を達成する為に、船を調達し、仲間を集め、大海原へと漕ぎ出します。

dk2_6.png

このゲーム、元々「〇〇をしなくてはならない」「××をしないと先に進めない」という、いわば進行上の制約になる要素が、キャラにもよるんですがものすごーーく少ないんです。

勿論、キャラクターごと大筋の目的というものはあるんですが、基本的にはなんでも出来る。何やっても良い。「大航海時代の世界」という舞台で、プレイヤーは広大なキャンパスに「自分が描きたい絵」を描いていく。例えば冒険家のキャラクターで海賊をやってもいいですし、交易のキャラクターで新大陸を大冒険してもいいですし、しかもそれが縛りプレイでもなんでもなく、ちゃんとゲームクリアに沿った行動に繋げたり出来るわけです。

ただ、勿論ゲームの軸というものはありまして、それは「冒険」「交易」「海戦」の3本の軸です。これらそれぞれについて、どんな比重、どんな方針でプレイするかをプレイヤーは考えて、それに基づいて行動することになります。


例えば冒険なら、次はどこに行って、どんなルートでどこを探索するか?アフリカ?新大陸?北極海?ナイル川?アマゾン川?補給はどこで行って、水夫に被害が出たらどこで雇うか?ヨーロッパにはどんなルートで帰ってくるか?食糧と水は足りるか?暴風雨には対処出来るか?

例えば交易なら、どこで何を買って、それをどこで売るか?仕入れの資金は?相場は?船倉に余裕はあるか?交易品を積み込んだ上で帰ってくるだけの食糧は積めるか?港の商業価値は足りているか?免税証は?仕入れ港を同盟港に出来ないか?

例えば海戦なら、どう戦力を整えて、どんな敵を狙うか?戦闘の方針は砲撃か切り込みか一騎打ちか?それに合った装備、艦隊になっているか?どのあたりで敵を捕捉するか?戦利品の処分はどうするか?各国との敵対度の状況は?


3本の軸それぞれに共通した要素も含めて、それぞれの方針ごとに、物凄い自由度の中で「あれこれ計画を考えて、イレギュラー要素にも対応しつつそれを実現する」というのが、「大航海時代II」の最も面白いところなのではないかと。私はそう考えている訳です。


ということで、昨日書いた通り、よーやく、よーーーーやくシブサワ・コウアーカイブスで大航海時代IIが発売されましたので、Steam版の紹介をしつつ、出来ることなら大航海時代IIをやったことがない皆さんにもちょっとうっかり大航海時代IIの世界に漕ぎ出して頂きまして、大航海時代外伝もついでに移植しちゃってくださいよどうですかKOEIさん、という話を進めたいと思った次第なわけです。よろしくお願いします。



〇Steam版大航海時代IIについて

一通り遊んでいる限り、98版の完全移植です。エミュレーターによるローカライズ移植と考えていいと思います。

その為、

・グラフィックが完全に98番準拠。船のドット絵とか超絶美麗
・サウンドの音色もほぼ98番当時そのまま
・ピエトロのテーマやエルネストのテーマがきちんと流れる
・リョコウバトやら先住民やら、ローカライズに当たって他の発見物に変更されてしまった発見物がそのまま発見できる
・当時使えた交易ルートは全てそのまま使える
・エンディング後もそのままゲーム続行可能

といった点は個人的に実に実に素晴らしいわけなのですが、一方で

・起動手順も完全再現されているので、エミュレーション上のディスク入れ替え手順などが存在する
・UIも98版そのままなので、操作し辛い部分もある
・SFC版で追加された自動全補給や時間指定宿泊などは出来ない
・港の出入り時などに、「just a moment」と表示され若干の読み込み時間がある(個人的には気にならない程度)

という点は、人によっては不便に、ないし煩わしく感じるかも知れません。

例えば、港の中では基本的にテンキー or マウスで移動するのですが、この辺の操作についても昔の98ゲーに触れていなかった人は最初戸惑うんじゃないかなー?と感じました。とはいえ、必要なことは基本マニュアルに書いてあるので、初めて遊ぶ方にはまず

「マニュアルは一通り読む」

ことをお勧めしたいです。昔のゲームは、今のゲームと違って、ゲーム内でチュートリアルが完結するような作りじゃなかったんだよ…!!!

ここ不便だなあ、とかこういうこと出来ないのかなあ?といった疑問は、マニュアルを読むことで解決する可能性があります(解決しない時もある)。是非ご一読を。

個人的には乗組員割合の入力はテンキーに対応させてほしかったなあ、と思うんですが、まあ全体から見れば些細な問題点だと言えます。

グラフィックはとにかく完璧の一言です。個人的に、大航海時代IIのグラフィックって一番最初のPC98版が原点にして最強だと思っているので、これを堪能するだけでも購入の価値があります。

しかもたったの1200円とか!!いいんでしょうかこれ!!!!


dk2_3.png



〇ゲーム開始に当たって

まず最初に、プレイヤーは6人のキャラクターから一人、ゲームの主人公を選択することになります。

上で書いた通り、大航海時代IIには「冒険」「交易」「海戦」の3つの軸がありまして、これら6人のキャラクターも、一人一人自分の「専門軸」というものを持っています。他のことも出来るんだけど、取りあえずその軸を進めればシナリオが進むよ、というような専門分野ですね。

それぞれの軸でやることをざっと書いてみますと、


冒険:未知の海域に漕ぎ出して、何かを発見する。各地の集落を見つけて遺跡や珍獣、財宝を発見したり、未踏の海域の地図を作ったり。

交易:交易で金を稼ぎ、稼いだ金を投資して自国の領域を増やす。各地の特産品を買い付けて他の地域で売って利益を出したり、港に投資して同盟港を増やしたり。

海戦:海戦で敵を倒す。海賊と戦ったり、敵対国の戦艦隊と戦ったり、あるいはこちらが海賊として商船隊を襲ったり。


で、元々の軸が「冒険」のキャラであれば冒険をすることでシナリオが進むし、「海戦」のキャラであれば海戦をしまくることでシナリオが進む、という話なんです。


では、各キャラクターの紹介をしてみましょう。

dk2.png

【冒険】ジョアン・フェレロ:ポルトガルの貴公子。前作「大航海時代」の主人公、レオン・フェレロの息子。冒険名声を稼ぐことでシナリオが進む。ゲーム開始時に18歳。

序盤から優秀な航海士が仲間にいたり、月一でお小遣いがもらえたり、色々と優遇措置もあるのですが、その実全キャラで最もイベントてんこもり。大航海時代IIを存分に楽しむことは出来るのですが、強制イベントで一騎打ちや海戦があったりしますので、シナリオをクリアするにはそれなりに気合いが必要です。一見初心者向きキャラのような立ち位置なのですが、どちらかというとむしろ初心者殺し。けど、「冒険も海戦も交易も全部やりたい!」「イベントがたくさんないと物足りない!」という人には最もお勧め出来るキャラクターです。


【冒険】エルネスト・ロペス:オランダの地理学者。冒険名声を稼ぐことでシナリオが進む。ゲーム開始時に23歳。

ジョアンとは一転して、イベントがめっちゃ少ないキャラクターです。シナリオクリアまでに「やらなきゃいけないこと」は全キャラでぶっちぎり一番少ないです。その分冒険に集中出来るということでもあり、当然交易や海戦に寄り道しまくることも、一方一切の戦闘を回避することも出来ます。クリアするだけなら恐らく一番簡単なキャラで、大航海時代IIの自由度を満喫するには最適かも知れません。あと、エルネストは言うまでもなく通訳少女パウラと親密度を上げまくれるキャラクターでもあるので、パウラさん好きには是非。



【冒険】ピエトロ・コンティ―:イタリアの冒険家。冒険名声を稼ぐことでシナリオが進む。ゲーム開始時に33歳。

立ち位置的には、ちょうどジョアンとエルネストの中間のようなキャラクターです。イベントもそれなりにあり、宝探しあり人探しあり、とはいえ強制戦闘などのイベントはないので、「単純に冒険を満喫したい」という人には最適なキャラかも知れません。他シナリオの人たちとの絡みが何気に多いのもポイント。エルネストだと、ほんと一切他主人公と絡みませんからね。最序盤はもっとも金銭的に困窮しているキャラで、昼間はオスマン港に入れなかったりもするので、序盤の交易には一工夫必要です。



【海賊】カタリーナ・エランツォ:イスパニア出身の女海賊。海賊名声を稼ぐことでシナリオが進む。ゲーム開始時に18歳。

プレイヤーキャラ中の紅一点です。ジョアンと同じく、イベントはかなり豊富。また、シナリオの関係上、当のジョアンとの絡みもかなり多いです。ただ、このゲーム海戦自体に結構コツが必要なことと、序盤イスパニアとの関係がいきなり最悪になること(イスパニア港に基本入れない)、序盤に手に入るガレオン船が実はあまり海戦向きではないことなどを考えると、難易度はそこそこ高いです。シナリオはかなりドラマチックなので、海戦をしつつ大航海時代IIのシナリオを楽しみたい方にはお勧め。


【海賊】オットー・スピノーラ:イギリスの軍人。海賊名声を稼ぐことでシナリオが進む。ゲーム開始時に25歳。

ザ・イギリス紳士。軍人コンビのもう一方。めっちゃ渋い顔でどう見ても25歳には見えません。カタリーナと同じく海戦をしているとシナリオが進むのですが、カタリーナ程イベントは多くありません。序盤のイベント戦闘が少々厳しいのですが、別に逃げてもいいということもあり、カタリーナより難易度は若干落ちるでしょう。純粋に海戦を楽しみたい人には一番お勧めかも知れません。あと、相棒のマシューが実にいい味を出しています。


【交易】アル・ヴェザス:オスマンの商人。交易名声を稼ぐことでシナリオが進む。ゲーム開始時に19歳。

イベントはそこそこ多め。間違いなく、クリアまでに最も金を稼がなくてはいけないキャラです。お金を稼ぐこと自体は、コツさえ分かってしまえばそこまで難しくないのですが、彼は交易名声を上げるにも、またシナリオ上も、「投資して同盟港を増やす」ということをどうしても行わなくてはならず、その結果各国からの恨みを買いやすい、爵位もシナリオ上上がるので海賊に狙われやすい、一方で本人の戦闘力が非常に低い(主人公キャラで最弱)といったこともあり、シナリオクリアまでの難易度はゲーム中では最難の部類に入ります。とはいえ、ある程度コツがつかめれば全然いけるレベル。ラディアと愛を育みたい方は是非。



ということで、長くなりました。取りあえず第一回は、「Steam版の紹介」「キャラクター選択」について書いてみました。

次回以降は、冒険、交易、海戦それぞれ個別の内容について書いてみます。


posted by しんざき at 07:21 | Comment(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月07日

レトロゲーム万里を往く その138 キングオブキングス

めっっっちゃ面白かったんです。


「家庭用ゲームにおける戦術級ウォーシミュレーションの系譜」というのは、追っかけてみると割と面白いテーマです。ネクタリスとか戦闘国家とかアースライトとかファミコンウォーズとか、ああいうのですよね。

話をファミコンに限定すると、おそらく「ボコスカウォーズ(1985 アスキー)」が戦術ウォーシミュレーションの草分けに近いと思うんですが、勿論1987年11月には「ガチャポン戦士スクランブルウォーズ」が出てますし、1988年の8月にはファミコンウォーズが出ています。同じく87年11月の「宇宙船コスモキャリア」88年3月の「ナポレオン戦記」、あるいは同じく88年の「半熟英雄」あたりもその系譜のどこかに含めるべきなのかもしれません。まあコスモキャリアはちょっと毛色違いますけど。


おそらく、コンピューターゲームにおける戦術級ウォーSLGは、その多くがシステムソフトの「大戦略」の影響を受けていると思います。

ユニットの生産、マップの進軍、都市の占領、移動力の概念、兵種同士の相性。このあたり、「大戦略」がパッケージした要素というのは実に実に完成度が高かったですし、それを様々なゲームが取り入れていったのは当然の流れとも言えます。それをそのまんまファミコンに持ち込んだのがファミコンウォーズでしたし、「戦闘シーンをアクションに」という吹っ切れたアレンジを加えてガンダムゲーにしたのがガチャポン戦士でした。え?いや、すいませんボコスカウォーズは違うと思います。


で、「大戦略」をがっつりファンタジー世界観に持ち込んだゲームの一つが、「キングオブキングス」だったという訳です。

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キングオブキングス。ファンタジー風ウォーシミュレーションゲーム。1988年12月9日、アトラス開発、ナムコより発売。「最大4人での同時プレイ可能」という、特に対人戦に寄った宣伝を行い、当時もかなりの好評を博していたと思います。上記画像がタイトル画面なんですが、このタイトル画面のBGMが、透明感あって超いい曲です。

この当時、アトラスはまだ自社名義でのゲーム販売を行っておらず、「えりかとさとるの夢冒険」や「デジタルデビル物語女神転生」「女神転生II」もアトラス開発、ナムコ販売のタイトルでした。その流れなのか、キングオブキングスのキャラクターデザインも、女神転生で著名になった金子一馬氏が担当されています。(注:えりかとさとるの夢冒険も)

ちなみに、ジャレコ発売のバイオ戦士DANなんかもアトラス開発のゲームですよね。後の話になりますが、初めてアトラス名義で発売されたゲームはゲームボーイの「パズルボーイ」で、以降「チキチキマシン猛レース」や「真・女神転生」などなどがアトラスから送り出されることになります。


さて、ゲームの話をしましょう。


〇FC最高峰の「ウォーシミュレーション」

アトラス開発のゲームに「高難度、高品質」なものが多いことは、現在はほぼ定評を得ていると思いますが、実はその傾向はファミコン時代にすでに始まっていました。女神転生がそうでした。えりかとさとるの夢冒険がそうでした。そして、キングオブキングスももちろん、「高難度、高品質」の評価を欲しいままにする名作だったのです。


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キングオブキングスは、上記した通り、ファンタジー世界観の「大戦略」型ウォーシミュレーションです。プレイヤーは、一つの陣営の「キング」を操作し、お城でユニットを生産したり、ユニットを進軍させて街を占領させて収入を増やしたり、グリフォンやコカトライスを倒しまくってユニットのレベルを上げたり、うっかり相性の悪いユニットに不意打ちされて大事なユニット壊滅に悲鳴を上げたりします。

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戦闘画面はこんな感じ。弓ユニットのエルフはハーピーに対する相性がとても良いので、サクサク撃ち落とすことが出来ます。

ウォーシミュレーションとしてのキングオブキングスの特徴は、以下のような要素で表せると思います。

・ファンタジー世界観のユニットがバラエティ豊かに存在し、ユニットによっては特殊能力などもある
・ユニット間の強弱の相性がかなり大きい
・経験値とレベルの概念がある
・レベルが上がっても守備力自体は変わらない為、相性の悪い敵に先制攻撃されるとどんな強力ユニットでもいきなり大ピンチになる
・多人数プレイに対応しており、4人までの同時プレイが出来る
・CPUと戦うキャンペーンモードもある
・キングを倒せば勝ちなのだが、キングはかなり強く、「ファイター」や「ナイト」など一部のユニットでしか効果的な攻撃が出来ない
・ユニットごとに「食料」の概念があり、補給なしで移動出来る範囲が制限される
・BGMがめっちゃいい

これくらいです。

この中で、ウォーシミュレーションとして特に大きな要素は、「ユニット間の強弱の相性がかなり大きい」と、「レベルが上がっても守備力自体は変わらない」の二点だと思います。このゲーム、この二点がすごーーーく絶妙なんですよ。

キングオブキングスのユニットは、それぞれ強弱を設定されています。

たとえば、一番基本的な三すくみユニットのハーピー・エルフ・ゴブリン。エルフは弓キャラでハーピーに強く、ハーピーは空を飛べてゴブリンに強く、ゴブリンは頑強でエルフに強い。こういう相性差が、殆どのキャラに設定されているんですね。

king_of_kings_(j) 201707050301465.bmp

ユニットを雇う時に毎回お話することになるお城のおじさん。顔色が悪いです。

で、各ユニットは、戦闘を重ねるごとにレベルアップしていき、どんどん強くなっていきます。ナイトなんかはレベルがある程度上がると「シルバーナイト」「ドラゴンナイト」などにクラスチェンジしていき、そりゃもうドラゴンナイトまでいけば無双感が楽しめて非情に爽快感が強いわけなんですが。

ただ、これも「ビショップ」や「ドラゴンナイト」などの一部キャラを除いて、殆どのユニットには明確な「苦手ユニット」が設定されています。しかも、「レベルが上がっても守備力自体は変わらない」という要素がある為、どんなに鍛えたとしても、苦手ユニットに先制攻撃をされたら壊滅的な被害を受けることがあり得ます。

これによって何が起きるかというと、

・使い道がないユニットが存在しない
・どんなに強くなっても終盤ゲームがダレない

という二つの特長が発生するわけなんです。

とにかくこのゲーム、あらゆるユニットに使い道があるし、本当あらゆるユニットを使いこなさないと勝てないんですよ。ゲームバランス自体はかなりシビアで、特に敵のキングを落とす時には、かなり綿密に「攻撃を通す」やり方を考えないといけません。支配領域(ZOC)システムがあって、敵のユニットの横をすり抜けるということはできないので、「弱いけれどキングには強い」ファイターなんかを、なんとかキングまでたどり着かさなくてはいけないんですね。

そこで、手持ちのあらゆるユニットを動員して、最後まで倒しきる方法を考えないといけないわけです。

一般的なウォーシミュレーションだと、一部の強いユニットを集中運用していれば自然と勝てたり、終盤は戦力差が多くなりすぎてダレたりといったことがあまり珍しくないとおもうんですが、「キングオブキングス」はそういった問題と無縁です。手ごわい敵軍を倒す為に、最後の最後まで死力を尽くさないといけない。このバランス感覚は、キングオブキングスを「FC最高峰のウォーシミュレーション」と評してしまっても問題はないレベルのものだ、と私は考えています。

まずは、「ユニットの相性を軸にした絶妙なゲームバランスこそ、キングオブキングスというゲームの面白さの源泉だ」とまでは言ってしまっていいように思います。


〇その、素晴らしいユニットのバラエティよ。

「あらゆるユニットに使い道がある」と書きましたが、キングオブキングスのユニットは本当にバラエティ豊かで、「使い道がないユニット」が全くいません。

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都市が占領出来、キング攻略の切り札になる最弱ユニット「ファイター」。
クラスチェンジで天井知らずに強化されていく育成推奨ユニット「ナイト」。
三すくみの基本、「エルフ」「ハーピー」「ゴブリン」。ちなみに、この中でも「エルフは飛行ユニット全般に強い」「ハーピーは移動力が高い」などの特徴があります。
最強ユニットとはいかないが、苦手キャラが少なく、育成も出来る「リザードマン」。
補助魔法やユニットの召還が出来、育てば怖いものなしになる「モンク」や「ソーサラー」。
最強格だが苦手キャラも明確に存在する、「ドラゴン」「サーペント」「ワイバーン」。

遊軍として神出鬼没な活躍を見せる「グリフォン」やら、拠点防衛が得意な「ジャイアント」やら、とにかくキングオブキングスは「こいつどう使おう」「こいつどう育てよう」と思わせてくれるユニットであふれているのです。

収入を増やして強力なユニットが雇えた時の満足感、育成に成功した時の達成感、敵を蹴散らす爽快感、うっかり弱点ユニットに育成ユニットを倒される喪失感などなど、キングオブキングスは「ユニットの使いで」にあふれまくっています。

私自身は、ユニット間の相性や成長要素を含めて、「このゲームのユニットに個性づけをしたらファイアーエムブレムになる」と考えており、ある意味キングオブキングスはファイアーエムブレムの前身と言えると思っているのですが。ただ、「ユニットの使い分けによる楽しさ」という一点においては、キングオブキングスはファイアーエムブレムを上回っていると思うのです。


ちなみに、「FOOD(食糧)」の概念も重要な話で、中には「移動力が高いが食糧は少ないので、頻繁に街で補給しないといけない」といったユニットもいます(リザードマンとか)。どこでどうやって補給するか、ユニットごとに考えるというのもキングオブキングスの醍醐味の一つです。


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上記はシステムコマンド表。アタック表で、いつでも相性が確認出来る親切設計です。


こんな感じで超絶完成度の「キングオブキングス」なんですが、数少ない欠点が「現在の環境で遊ぶことが難しい」ことなんですよね。

PSの「ナムコアンソロジー2」にはアレンジ版とセットで収録されてはいるのですが、このアレンジ版がまた非常に出来がいい反面、PSVITAなどで遊ぶと頻繁にフリーズするという情報が出ています。どうも、PS2以降オミットされた描写機能が使われてるっぽいんですね。

このゲーム自体すげー面白いんで、是非ちゃんとVC化してもらって、最新機でも十分遊べる形にして欲しいところ大なのですが。取りあえず、キングオブキングスが「今遊んでも面白い」ソフトであることは間違いないと思いますので、今後の展開に期待しつつ、本項を閉じようかと思う次第です。


今日書きたいことはそれくらいです。
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2017年02月13日

今でもB+C同時押しを超必コマンドに導入しまくったSNKを恨んでいる

皆さん、ネオジオ遊んでましたか?


ネオジオの話というか、MVS筐体の話から始まるかも知れません。

当時、ネオジオといえば100メガショーーーック!!!っていう例のアレでして。ネオジオ発売当初はナム-1975とかジョイジョイキッドとか戦国伝承とか人気今ひとつでしたけど、91年の餓狼伝説以降、格ゲー人気の高まりと歩調を合わせるようにして凄い人気出ましたよね。ネオジオ。私はクロスソードとかもめっちゃ好きだったんですけど。

ネオジオが一台置いてあると、そこはゲームセンターになる。当時はそれが誇張でなかったくらい、「MVS筐体一台で、ゲームが複数タイトルの中から選べる」というのが、ゲーム小僧たちには物凄く画期的なことに思えたんです。何これゲーム選べるじゃん!!!すげえ!!!!って。いやもう盛り上がった盛り上がった。

龍虎の拳や餓狼2、サムスピ以降は、大体「格ゲー3タイトル + フライングパワーディスク」っていうセットでスーパーの軒先に置いてあるのが定番の光景になってましたよね。ビューポイント大好きだったんで、ビューポイントが入ってるMVS筐体あちこち探し回ったりとかしたんですけど。

で、その当時、ネオジオの筐体って台によってボタン配置にバリエーションがあったんです。

例えば、単純に「ABCD」の順で並んでいる横一列配置。

次に、

AC
BD

の配置で並んでいるボックス配置。これ、AとCがパンチで、BとDがキックだった2以降の餓狼に対応してたと思うんですが。

これ、厄介なことに

AB
CD

で並んでる筐体もあったんですよ。これは多分サムスピ・真サム対応だったんですかね?AB同時押しで大斬りになるから。

もうちょっとあとになってくると、6ボタン筐体にネオジオを入れた関係で横一列配置が出来ず、

BCD
A

で並んでる配置とか、

ABC
D

で並んでる筐体とかも出現してきました。

今から考えてみると、同じハード、同じゲームシリーズでここまでボタン配置が統一されてないのってどうなのって思わないでもないんですけど、当時は何せ「ゲーセンごとにボタン配置が違う」「下手すると同じゲーセンでも筐体ごとにボタン配置が違う」というのが割と普通だったんで、みんなそれに順応するべく必死で練習してたんですよ。

で、当時私、餓狼とかやる時、主に

AC
BD

のボックス配置で練習してたんです。上列がパンチ、下列がキックっていうの自体は、ストIIも同じだったんでそこまで問題なかったんですけど。

ただ、この配置、何が問題ってBC同時押しがめっちゃやりにくいんですよ。指が斜めにまたがるじゃないですか、この配置。ただでさえ同時押し苦手で、サムスピの半蔵のモズ落としですらどうしても小モズになっちゃって毎回悔しい思いをしていたのに、もう入力出来ないこと出来ないこと。

皆さん覚えてらっしゃると思うんですが、一時期、特にネオジオのゲームってやたらコマンドが複雑化していったじゃないですか。あれ、ネオジオっていうか主にSNKのせいだと私思ってるんですけど、そのスタート地点が餓狼2だったと思うんですよね。餓狼2の超必です。超裂破弾とか鳳凰脚とかダイナマイトいずな落としとか。

龍虎の超必はコマンド自体は簡単だったんでまだよかったんですよ。ただ、餓狼2の時って、21416+BC同時押しとか、21416+BD同時押しとか平気で入力させたじゃないですか。あ、この数字の意味が分からない方はテンキーの矢印表示を見てみてください。

21416の時点で既に大概なのに、しかもBC同時押しって。お前はパワーゲイザーを出させる気があるのかと問いたい。小一時間どころか18時間くらいぶっとおしで泣くまで問い詰めたい。その上ガロスペになったら、ブレイクスパイラルが4123692+BDとか、レイジングストームが1632143+BCとか、ふざけてんのかマジで。

コマンド入力だけでも泣く程しんどいのに、とどめに待ち受けているのが斜め同時押しですよ。どんだけトラウマかという話です。

いや、勿論事情はある程度分かるんです。龍虎の当時、超必は「対戦上でのテクニック」というよりは「隠し技」という、「隠れている」ことの方が役目として大きい存在だった。龍虎乱舞とか、当時は完全に存在隠蔽されてましたもんね。「出たらビックリ」という技であって、簡単に出される訳にはいかなかった。だからコマンドを複雑化させた。

ただ、言ってしまえば、餓狼スぺの頃なんかもう完全に超必の存在なんて知れ渡ってたじゃないですか。ある程度、超必が出せることが対戦の前提にすらなんていたんですよ。対戦のテクニックの中に、「超必のコマンドが入力できるかどうか」というものが必須の要素として組み込まれてしまっていた。しかも、ボタン配置は筐体ごとに統一はされていなかった。

それであれか、レイストかと。ブレスパかと。ブラッディフラッシュかと。

コマンドの複雑化って、格ゲーの高速化と共に、「俺はもうこのジャンルについていけない…」という人を大量に生んでしまった二大要因の一つだと思うんですよ。私、SNKのゲームは基本的に大好きなんですが、「一時期超必のコマンドを非常に複雑化させてしまった」ことだけは弁護の余地がないと考えています。


鳳凰脚やパワーゲイザーのコマンド考えた人おなかこわせ、というピュアな思いで心がいっぱいなわけです。単純に言ってしまうと不器用勢としての個人的な恨みです。


それはそうと、こののちカプコンは「ヴァンパイア」において、モリガンのダークネスイリュージョンのような「ボタン順番押し」というコマンドを考案しまして、一時期は「カプコンお前もか!!」とか思っていたんですが、こっちはなんか割と早く慣れました。なんでだろうな。ただ、それでもマーヴルのエリアルレイヴは大変だった。


まあ、手先が不器用な人も不器用なりに、格ゲーの世界を渡っていたんだよーという思い出話なのか愚痴なのかよくわからない話でした。


今日書きたいことはそれくらいです。




posted by しんざき at 12:28 | Comment(4) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月01日

レトロゲーム万里を往く その137 ホテルの「ゲームコーナー」とスピードレースの思い出。

昔、毎年泊まっていたホテルに「ゲームコーナー」がありました。


「ホテルや旅館のゲームコーナー」というものには、みなさん色々な思い出をそれぞれお持ちのことと思います。ホテルに泊まった時、館内地図に「ゲームコーナー」という文字を見つけた時のわくわく感には、一種独特のものがあります。一体どんなゲームがあるのか、真っ先にゲームコーナーに確認の足を運んでいた人も少なくはないのではないかと思います。


時には見たこともないエレメカに目を輝かせ、時にはUFOキャッチャー数台が並んでいる空間に落胆し。人によっては、「ゲームコーナー」は新しいゲームとの出会いの場でもありました。ゲームコーナーでアフターバーナーIIに出会ったことも、ゲームコーナーでリブルラブルに出会ったこともありました。


幼稚園から小学校中学年くらいの時期ですので、30年は昔のことだったと思います。毎年、東北は宮城の祖父母の家に、夏休みになると家族旅行に行っていました。旅行中、殆どの期間は祖父母の家に泊まっていたのですが、うち2泊だけ、白石蔵王のかんぽの宿に宿泊していたのです。

近くに川が流れている、ホテルと旅館の中間のような宿でした。宿泊エリアとは別に長期療養の人用のエリアのようなものもあり、「ちょっとおさんぽに行ってくる!」と言って部屋を飛び出して、ホテルのあちこちを探検したことを覚えています。静まり返ったホテルの通路を一人で歩き回るのに、妙な高揚感を覚えたものでした。

何故か今でも、そのホテルの通路の匂いだけは鮮明に覚えています。匂いの記憶は、時には視覚よりも聴覚よりも長く残るものです。


そのホテルのゲームコーナーには、卓球台と、ケロケロパックンと、当時ですら古めかしく見えたジュークボックスと、三択を当てるとキャラメルが出てくるエレメカと、そして「スピードレースCL5」がありました。皆さん、スピードレース、ご存知ですか?


「スピードレースCL5」。レースアクションゲーム。タイトーから発売。

元となる「スピードレース」は1974年に発売されたんですが、そのホテルにあったのはそのだいぶ後に出た別バージョン、「CL5」だったことを記憶しています。

大型筐体と通常のビデオゲーム筐体の中間のような機体でして、筐体にハンドルと、ハイローのギアチェンジレバーと、アクセルがくっついているような構造になっていました。アクセルを踏むと自機の赤い車が走りだし、上から凄い勢いで突っ込んでくる(というかこちらが突っ込んでいる)ライバルカーを次から次へ避けまくる、というようなシンプルなゲームです。

動画がありました。興味がある方はみてみてください。音結構迫力があるんですよね。ぶつかった時の「ガガーーーー」みたいな音とか、当時は結構怖かった記憶があります。


ちなみに、ケロケロパックンはこんなエレメカでした。これは多分、ご存知な方結構多いんじゃないでしょうか。結構力加減が難しいんですよね、コレ。



これが、私と「ゲームコーナー」の出会いであり、私とタイトーとの出会いでもありました。また、「見知らぬ誰かとのスコアアタック」を初めて経験したタイミングでもありました。


スピードレースはシンプルなゲームでした。ゲームシステムとしては、「弾が出せずに敵をよけまくるSTG」といってもそれ程支障はありません。しかし、シンプルなだけにその熱中度は相当なもので、私と5歳年上の兄は、そのホテルに泊まる度、親にあきれられながらスピードレースに血道を上げていました。


スピードレースは、ライバルカーを避けまくっていればいる程スコアが上がっていき、5位までのハイスコアが記録されるシステムになっています。当時、ホテルでは定期的に電源を落としていなかったのか、ハイスコアを出すと翌日でもそのスコアが残ったままになっていました。そして時には、私が出したハイスコアが、翌日他の誰かに塗り替えられている、ということが起こったのです。


スコアを出す。抜かれる。抜き返す。知らない誰かとの無言のスコアアタック。それも当時、ゲーセンの、あるいは「ゲームコーナー」の大きな醍醐味の一つだったと思います。ずっと後になって、私は「ダライアス外伝」で同じようなことをすることになります。



やがて、私と兄が成長する内に、夏休みごとに祖父母の家に旅行に行くことはなくなりました。そのホテルに泊まる機会も自然となくなりました。


そして、随分時間が流れました。時代が変わりました。

家庭用ゲームはファミコン時代、スーファミ時代を過ぎPS2やドリームキャストの時代になり、アーケードは格闘ゲームブームもぼちぼち終わる頃でした。私は、とある用事で白石に足を運ぶことになりました。

ホテルの建物は川沿いに残っていましたが、運営会社は変わっていたようでした。通りがかった時に、中を覗いてみました。館内の調度は、記憶に残っているよりずっと新しくなっていました。

館内地図に「ゲームコーナー」の文字は既にありませんでした。昔を思い出しながらホテルをうろついていると、温泉の横の休憩室に、一台の「ジャンケンフィーバー」だけが、まるで奇跡のように残っていました。わざわざコインを入れました。「ジャンケン、ポン!」「アイコデ、ショ!」「アイコデ、ショ!」「ズコー」昔と変わらない展開でした。


今では、ホテルや旅館に泊まっても、館内地図に「ゲームコーナー」という文字を見る機会は随分と減ってしまいました。

それでも。たまに「ゲームコーナー」という文字を見た時は私は相変わらず新鮮なわくわく感に包まれますし、もしかするとそこで見たこともない出会いが待っているんじゃないか、あるいは懐かしい旧友に再会出来るような機会が待っているんじゃないかと、私は胸をどきどきしながら足を運ぶのです。

今でも、これからも、「ゲームコーナー」が一つの出会いの場であり続けることを、願って止みません。

今日書きたいことはそれくらいです。
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posted by しんざき at 18:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月13日

ファミコン版スペランカーについてもう一度ちゃんと振り返ってみようじゃないか


ちょっと思うところがあったので、「ファミコン版スペランカーとは何だったのか」ということを、皆さんと改めて考えてみようと思います。ご存知の方には今更の話が多いと思いますが、ご勘弁ください。


皆さんよくご存知の通り、ファミコン版スペランカーは、ブローダーバンドからライセンスを受けたアイレムが、1985年の12月に発売したアクションゲームです。元々はAtari、コモドール64で発売されたタイトルだったのですが、ファミコンに移植された際、アイレムが大幅に難易度を上げたことで結果として有名になりました。


コモドール64版のプレイ動画を見つけたのでちょっと掲示させて頂きます。基本的な画面構成やゲームシステムは同じなんですが、「デブが軽快に洞窟探検をするゲーム」としてデザインされていることを見て取って頂けるでしょう。何故こんなにデブなのかは知りません。


この頃のスペランカーは、のちのファミコン版で取沙汰されるような、「自分の身長の高さから落ちたくらいで死ぬ」「ひざ丈から落ちただけで死ぬ」というような難易度デザインはされていません。死ぬときゃ死ぬんですが、1:06くらいでも、エレベーターのちょっと高いところから落ちた主人公が、その後も元気に走り回っているところを確認して頂けると思います。


さて。スペランカーは、アイレムが移植したファミコン版において、「繊細な操作をしないとすぐ死ぬ」という形での難易度アップを施されました。のちに公式を含めた様々なところでネタにされる、「虚弱体質探検家」の誕生です。


今更くだくだと書く必要はないとは思いますが、一応動画をリンクさせていただきます。エレベーターから降りた直後にキャラクターが死んでいることが分かります。


いきなり余談なんですが、スペランカーのオープニングBGMはめっちゃ名曲です。この重厚なメロディを、1985年というファミコンド初期に作り込んだアイレムのスタッフは本当に素晴らしい。



さて。ちょっとここで、ファミ通.comに掲載された、スペランカーオリジナルスタッフのインタビューを参照してみましょう。原作開発者であるティム・マーティン氏も参加している、非常に貴重なインタビューだと思います。


注目して頂きたい部分はここです。(強調筆者)

――ちなみに、ファミコンソフトの中で『スペランカー』の難しさは突出していましたが、難度設定にはどのような意図があったのでしょうか?

津村 アーケードゲームを開発していた当時、家庭用ゲームは難度調整のツメが甘いなと感じていました。我々は “数分間でおもしろさがわかって長く遊ばせない”という方針でアーケードゲームを開発していましたから、ファミコン版『スペランカー』も、おもいきり難度を高く設定しました。ですが、ただ難度を高くするのではなく、学ぶことで達成感を得られるようにしようと。試行錯誤すれば達成できるけど、達成するには根気が必要。それを我慢できない人からはつまらないゲームと言われるでしょうが、我慢強い人は“やり甲斐のあるゲーム”として評価してくれる、そういう意図を持って調整していましたね。


早い話、スペランカーの「すぐ死ぬ」という特徴は、「試行回数を増やしてだんだん学習していってね」「繊細な操作に習熟して達成感を得てね」という、開発者の意図的な仕様なのです。「スペランカー」を語るとすれば、大前提としてここを了解していないといけません。

そして、その試み自体は間違いなく成功していました。ファミコン版スペランカーは、「何度も死ぬことによってだんだん上手くなる」「上手くなればなるほど気持ちよくなることが出来る」ゲームに仕上がっていたのです。それを楽しめるかどうかは別として、後々数多くゲーム業界に送り出される、「死んで覚える」ゲームの草分けの一つとまでは言ってしまってもいいでしょう。


アクションゲームの楽しさには、「操作感」と「達成感」という二つの代表的な軸があります。

「動かしているだけで楽しい」「動かすことによって直接的な気持ちよさを得られる」というのが、操作感の軸。

「何かの課題をクリアするのが楽しい」「だんだん上手くなっていき、難しい壁を乗り越えることが出来るのが楽しい」というのが達成感の軸。

この二つは、別に矛盾する訳ではないのですが、両立させるのが難しい場合があります。達成感を得させる為には難度を上げなくてはいけない場合が多く、それが「操作しているだけで楽しい」と結びつかないことがあるんですね。


そこから考えると、ファミコン版スぺランカーでは「達成感」の軸に大きく寄せたデザインが行われていることが分かります。「ドット単位の繊細な操作を身に着けることで、困難なステージを次々クリアしていくことが出来るようになる気持ち良さ」。それがスペランカーの楽しさ、面白さの本質であることは議論を必要としないでしょう。

1985年というのは、ファミコン全体の歴史を考えれば初期も初期です。キン肉マンマッスルタッグマッチやチャレンジャー、忍者じゃじゃまるくん辺りが発売されていた時代です。「ドルアーガの塔」という先達があったとはいえ、はっきりと「達成感寄り」のゲームデザインを行ったタイトルとしては、スペランカーがかなりの先駆者だったことは間違いないでしょう。


さて。


これもみなさんよくご存知のことかと思うんですが、スペランカーは、一時期のテキストサイトの隆盛時代、「クソゲーの代表格」みたいな取沙汰をされてしまったことがありました。そのころの文脈の代表的なものは、上のような高難度のレベルデザインを取沙汰して、「ひざの高さから落ちただけで死ぬ!クソゲー!」というようなものでした。

そしてこの、「すぐ死ぬ」というところだけを面白おかしくクローズアップした文脈が、高難度レベルデザインにあまりなじんでいなかった一部のネットユーザーにウケてしまったのです。

勿論、ゲームが面白いかどうかは人それぞれです。例えばこの当時大ヒットしていたスーパーマリオブラザーズのような、「繊細な操作を意識しなくても十分楽しめる、直感的で爽快なジャンプアクション」を期待してこのゲームに触れた人が、「求めていたものと違った」という感想を抱いてしまうのは仕方がないところでしょう。そこに文句はないんです。


ただし、スペランカーは決して「UIが優れていないから遊びにくい」ゲームではない。「理不尽なゲームデザインが施されている」ゲームでもない。操作は直感的だし、レスポンスは早いし、ギミックは豊富だし、アクションゲームとしてみれば実に良く出来ています。「すぐ死ぬ」というのは開発者が達成感の演出の為に導入したデザインであって、しかもそれは間違いなく成功しているのです。


だとすれば、私はこれだけは断言できます。


未だに「すぐ死ぬからスペランカーはクソゲー」などと言っているヤツがいたとしたら、そいつは何も分かっていない。下手すると30分以上スペランカーをプレイしたことすらないスペランカード素人だ、と。



かつてのゲーム開発者たちの数々の試みが、たくさんの人々の心に残ることを願って止みません。


今日書きたいことはそれくらいです。

posted by しんざき at 07:12 | Comment(3) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月17日

レトロゲーム万里を往く その136 食欲をそそるファミコンレトロゲームのお話・前編

FF15のおにぎりのグラフィックが話題になっていましたね。


大変美味しそうですよね。どうもFF15では、食事をするという要素も大変重要なものであるらしく、「美味しそうなおにぎり」をモデル化するのに並々ならぬ苦労をされた、というインタビューもみかけました。


元ツイートの方は批判的ですが、「ここにはこだわる」という意志があった上でこだわるのであれば、それはそれでアリなんじゃないかと私は思います。


ところで、「おにぎり」というのは食料のアイコンとしては極めて一般的なもので、かつてファミコンでも、数多くのゲームが「おにぎり」を体力快復のアイテムや空腹回避のアイテム、あるいはボーナスアイテムとして採用してきました。その範囲は和ゲーだけにとどまりませんでした。


一般に体力回復のアイテムとした「がんばれゴエモン」やそのシリーズ。

イベントアイテムだった、「桃太郎伝説」や「新鬼ヶ島」。

おにぎりを食うとなぜかごろごろ転がりだして無敵になる「東海道五十三次」。

川のぬし釣り。ケルナグール。熱血物語。水戸黄門。魔界島。


これらの共通点は、「グラフィックはチープなのになぜか食欲をそそる」という点です。

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分かって頂けるでしょうか?当時のファミっ子の間では、こんなグラフィックでも何故か十分に「美味しそう」だったんです。なんか梅干しおにぎりの味が口の中に広がって、妙に食欲がわいてきたんです。「夕飯おにぎりにして」と親にリクエストして、怪訝な顔をされたことも一再ではありません。

ここでおそらく重要なのは、「統一感」と「没入感」。そのグラフィックが全体として「浮いて」さえいなければ、そのゲームの中に入り込むにあたって、そのチープさは全く障害にならない。この世界の中で、このおにぎりのグラフィックは十二分に「リアル」なのです。

その世界に没入することが出来てさえいれば、グラフィックのチープさは必ずしも問題ではない。私はかつて、それを「おにぎり」から教わりました。


ということで、今回の万里では、おにぎりに限らず「食べ物が出てくるファミコンタイトル」を幾つかピックアップして、その「美味しそう感」を皆さまにも味わって頂きたいと思います。


1.オバケのQ太郎 ワンワンパニック

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FC初期の食い物ゲーとしては非常に著名な一作です。Q太郎が空を飛んだりジャンプをしたりで犬を避けつつ、その辺に浮いている食べ物を食いまくってエネルギーを補給、友人たちのいろんなトラブルを解決します。

恐らく、コンシューマーゲーにおける「満腹度」「空腹によってゲージが減っていき、ゼロになるとミスになる」というシステムの草分けであると考えていいでしょう。そういう意味では、遠く「風来のシレン」や「ダンジョンマスター」の始祖であると言っても過言ではありません。あ、過言ですか。そうですか。

このゲーム、おにぎりやキャンディー、ケーキなどのグラフィックもさることながら、Q太郎が食べ物アイテムを食べる時の「ぱくっ」という効果音が妙に印象的で、音も併せて「なんかケーキ食べたくなる」という効果がかなり強いのです。ゲーム自体は若干理不尽難易度ゲーな側面もありますが、バンダイ作品の中堅どころと言っていいでしょう。


2.デビルワールド

デビルワールド.png

デビルワールドです。すいません、ちょっと画像が見えにくいかも知れないですが、ソフトクリームと、タマゴンの右下にある黄色いのわかるでしょうか。これ、目玉焼きなんですよ。

ソフトクリームの妙に気合いの入った造形もさることながら、目玉焼きを食べる時の「もきゅ!」という感じの効果音が、ワンワンパニックと同じくこれまた絶妙でして。このゲームやってると目玉焼きを食べたくなること請け合いです。

ただ、ソフトクリームと目玉焼きってあんまり食べ合わせよくないような気もするんですが。目玉焼きの原料とか考え始めると食欲なくなるんで注意です。


3.プーヤン

Pooyan0000.png

プーヤンです。母さん豚が一番おいしそう、とかそういう話ではなくて、これ骨付き肉を投げてるところなんですが、分かりますか?

「原始肉」というのはゲームにおいても一種特別な地位を占めている食料でして、ゲームにおいてはファイナルファイトで大きく出世したような気もしますが、コンシューマーでの「原始肉的な肉」の初出は多分これの筈です。狼に肉料理として食べられてしまいそうなところ、肉料理で反撃するというのは非常にウィットに富んだ演出ですよね。

ただ、やはりどちらかというと豚肉が食べたくなってしまうのが若干の問題点です。あと、プーヤンって最初にさらわれた子豚の名前なんですけど、ご存知ですか?母豚の名前は謎です。


4.アイスクライマー

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野菜枠ではアイスクライマーを外すわけにはいきません。ナスから始まって、ニンジンキャベツにトウモロコシ、かぶにかぼちゃにとより取り見取りです。めっちゃ食物繊維豊富。

造形がやけに細かいこともさることながら、ここでもやはりポイントになってくるのは効果音。表現が難しいんですが、とった瞬間の「むぎゅ!」という感じの音は、本来野菜食っても出るような音ではないんですが、なぜか妙に小気味よく、新鮮そうな野菜の色合いを含めて食欲をそそります。野菜大事だよねって思うこと請け合い。

一番うまそうなのは多分トウモロコシだと思うんですが、個人的にはキュウリのとぼけた表情もイチオシです。


5.サラダの国のトマト姫

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なにこの色艶。いや、実際には柿っ八は食料でもなんでもなく旅のお供でして、主人公もキュウリの戦士なので野菜枠なのですが、このグラフィックにおける柿っ八がやけにおいしそうだったので紹介してみます。

サラトマはみなさんご存知野菜や果物がキャラクターのアドベンチャーゲームでして、道中バナナロンやらウォーメロンやらモモ子やら、結構おいしそうな造形のキャラクターが出てきます。野菜嫌いの小学生にもお勧め。

柿っ八は主人公の所持品を勝手に持って落としまくってくれるという、なかなか印象的な相棒ポジションなのですが、実はあっち向いてホイをやってくれるのも彼なので割と重要なポジションです。間違ってもバナナロンに食べさせてはいけません。


6.くにおくんの時代劇だよ全員集合

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料理のグラフィック自体は出てこないのでちょっと番外ですが、個人的に非常に思い出深いのが時代劇。あちこちの食べ物屋で「そば」だの「うどん」だの「にぎりめし」だの「てんぷら」だのを注文できるのですが、それをかき込んでいるくに政のモーションが妙によくできていて、「ぎゅぎゅぎゅっ!」というような効果音もあいまってむやみやたらと食欲を煽るのです。

グラフィック自体は出ていないのにこの誘因力というのは、ある意味出色だと言っていいでしょう。このゲームやってると妙にそば食べたくなります。あと店員の女の子が地味に可愛い。


番外.アップルタウン物語

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食欲をそそるかどうかはちょっと別問題として、スクウェアの暗部こと「アップルタウン物語」にも食事シーンは出てきます。このゲーム、女の子「キャシー」と猫一匹の生活をただひたすら窃視するだけという、作ったヤツは一体何考えてたんだ的な恐ろしいゲームなんですが、元ネタの「リトル・コンピューターピープル」ではなんかよくわからないおっちゃんが窃視対象だったので、それよりは女の子にしようという判断がおそらく働いたのでしょう。

食事の時間になるとキャシーは1階に降りてきて、ちゃんと自分で冷蔵庫から材料を取り出し、コンロで調理してから食べ始めます。この時口を動かすモーションは結構よく出来ていて、スクウェアの底力を感じさせます。


ということで、速足ながらざっと見てまいりました。まだ前編ということで、他にも注目すべき「食事ゲー」はまだまだファミコンにあふれておりますので、残りは後編で、ということにしたいと思います。

posted by しんざき at 13:33 | Comment(1) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月19日

レトロゲーム万里を往く その135 1990年までのファミコンカートリッジ742本の色について本気出して調べてみた

ちょっと前になるんですが、「ファミコンカセットで名作が多い色」みたいな話題を観測したんです。カートリッジの色ですね。

「あー、そういえば赤はキャプテン翼とかあったよなー」とか「ナムコは基本黒ばっかだよなー。たまにメッキあるけど」とか思ったんですが、ちょっとWebを検索してみたところ、カートリッジの色についてちゃんと調査したページは存在しないように見受けられました。


じゃあちょっとやってみるかと思いまして、取り急ぎ1990年までのソフトのカートリッジの色を調べてみました。最終的には、他のカートリッジまで全部調べて、ついでにファミマガのロムカセットカタログの点数を入力して色別の点数傾向を集計、とか考えているんですが、そこまでやってると相当しんどい作業になりそうで、傾向だけ見るなら今の時点でも十分そうだったので一旦ここまでで公開してみます。

調査方法は下記の通り。

・「タイトル名 ファミコン カートリッジ」でGoogle画像検索して、ヒットした画像中のカートリッジの色を記録
・微妙な色や経年劣化したものもあるので、なるべく複数画像から確認
・ゴールドカートリッジなど、通常版とは異なる特殊なカートリッジは考慮しない
・燃えプロ、カプセル戦記などバージョン違いで色違いがあるカートリッジは出現頻度が高い方に寄せる

ヒットしなかったらメーカー名とか一緒にぐぐると結構出てきます。


元のファミコンリストについては、こういったサイト様を参考にさせて頂いております。





なるべく複数ソースから確認するようにしてますが、誤りがあったらすみません。


で、色の区分けの際、例えば「濃緑 - 薄緑 - エメラルドグリーン」とか「オレンジ - 黄色」「濃青-水色」みたいな微妙な区分けが問題になるんですが、大体以下のような方針で寄せてます。

・緑については、「ポパイ」のような真緑のカートリッジがかなり少なく、分けると細分化し過ぎになりそうなので、エメラルドグリーンっぽくても基本「緑」に寄せる
・青については、水色を分けても濃青のタイトルが十分多いので分ける
・他は大体複数画像を検討して「こう見える」という色にカテゴライズする

なにせ若干微妙なラインもある話ですので、一部感覚的な話になってしまうことはご承知おきください。一応、CSVの「備考」のところに、疑問があったタイトルについてはその旨記載してあります。

で、こちらが調査データとなるCSVです。


ちょっとやっつけですが、幾つかグラフっぽいものも作ってみました。

まず、これが各色別の個数集計ですね。

カートリッジの色_集計.png

ヒストグラム.png


想像していたよりも偏りました。黒圧勝。まあ、考えてみると確かに、黒いカートリッジのソフトってたくさんありましたよねー。まずナムコのソフトが殆ど黒だったし。コナミやタイトーだって、カートリッジのイラストはカラフルでしたけど、色自体は殆ど黒でしたよね。確か、ファミコンのカートリッジって一部の生産ラインがまとめて供給していた、というような話も聞いたことがある気がするんですが、その辺の影響もあるんでしょうか。

ナムコやコナミの殆どのシリーズ、ドラクエ、ウィザードリィ、スペースインベーダー、ダウンタウンなどの錚々たるメンバーを考えていくと、「名作の数が最も多い色」というのは多分黒になるのではないかと。あまり評価が高くないソフトもたくさんあるんで、ファミマガレビューの平均点とか考えるとまだどうなるかわかりませんけどね。


黒の他には、白もかなり多いですね。例えばバルーンファイト、例えばハイドライドスペシャル、ファイナルファンタジー1〜3、桃太郎伝説だのわんぱくダック夢冒険だのまじかるキッズどろぴーだの、こちらもかなりの強力メンバーです。黒に対抗できる最右翼といえるのではないでしょうか。

アイレム、サンソフト、ニチブツ、ハドソン辺りは白のカートリッジのソフトをかなり出している印象。アイレムのスペランカー、ジッピーレース、10ヤードファイトあたりの特殊カセットは全部白ですしね。

色合いが微妙なものが多く、細かく分けるとかなりの数になりそうなんですが、青いカートリッジも相当数ありました。初代ベースボールを皮切りに、デビルワールド、エクセリオン、イース、レインボーアイランド辺りは青グループの代表格といっていいでしょう。ミシシッピー殺人事件とか時空の旅人とか、独特なAVGも結構いるんですけど。

ちなみに、ファミコンローンチタイトルのトップバッターであるドンキーコングのカートリッジは赤。「キャプテン翼」や「ロックマン2」、「マザー」辺りが赤チームの代表選手でしょうか。燃えプロは、バージョン違いで赤と黒両方ありましたね。


エメラルドグリーン勢も全部いっしょくたにしてしまった緑はというと、初代のポパイを代表格として、「フィールドコンバット」「半熟英雄」「サラダの国のトマト姫」「ドラえもん ギガゾンビの逆襲」辺りの影に隠れて、「元祖西遊記スーパーモンキー大冒険」がキラリと光ります。まあ、画像検索していただくとわかるんですが、この辺個々のカートリッジの色は相互に随分違うんで、「緑」でくくっていいものかどうか難しいんですが…


他、経年での色合いの問題もあり、黄色と区別がつきにくい画像も多かったんですが、「スーパーマリオ」「スーパーマリオ3」が率いるオレンジの存在感も決して小さくありません。マリオブラザーズもオレンジでして、この辺色のイメージは統一されていたんですかね?「ソロモンの鍵」「クルクルランド」の戦力も文句のないところ。

みんな大好きナムコのメッキカセットシリーズは、便宜上まとめて「金」にカテゴライズしています。「スーパーゼビウス」「ドラゴンバスター」「スターウォーズ」の三作ですね。唯一の「特殊・スケルトン」枠は言うまでもない沙羅曼蛇。


ちなみに、こちらはちょっと主要なメーカーを抽出してみました。

主要なメーカー.png

ナムコ、タイトー、コナミの3大メーカーが黒に偏っているところ、実は任天堂のカートリッジがかなりカラフルなんですよね。これは、もちろん自社でラインを管理できるからということもあるんでしょうが、ソフトごとに色合いでイメージコントロールする、おもちゃ会社ならではの感性とかもあるんでしょうか。ハドソン、カプコン、バンダイ辺りも色がばらけています。

全体として見ると小数派の「紫」なんですが、任天堂は7作も出してるんですね。「テニス」「ワイルドガンマン」「ダックハント」「ホーガンズアレイ」「F1レース」「レッキングクルー」「スパルタンX」などの初期組がそのメンバーです。初期生産のカートリッジの使いまわしでもあったんでしょうか。


さて、長々と書いて参りました。


取り敢えず結論として、

・ファミコンカートリッジの色分けは、黒に相当偏っている。色ごとに戦ったら多分物量で黒が勝ちそう
・が、白も相当強力である
・青カートリッジのネタAVG戦力は侮れない
・灰カートリッジの希望はジーザスと星をみるひと
・ファミマガのレビュー得点集計もやりたいけどデータ入力で死にそう


これくらいの感じになりそうです。よかったですね。

なんにせよ、1990年以降についてもぼちぼち集計していきたいと思いますので気長にお待ちください。

今日書きたいことはそれくらい。

posted by しんざき at 13:22 | Comment(6) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月14日

レトロゲーム万里を往く その134 バンゲリングベイは何故大人になればなるほど面白いのか

私、ファミコン史上で最も「売り方を間違えた」ゲームってこのゲームじゃないかと思ってるんです。


ファミコン時代、ハドソンって「コロコロコミック」と頻繁にタイアップしてましたよね。コロコロ以外でも、例えば攻略本とか、複数ゲームのガイドブックとか、「ゲームのコミカライズ」「漫画でゲームの面白さを表現する」という手法を盛んに使っていました。

当時、いろんな雑誌、ガイドブックに「ハドソンゲーネタの漫画」が載っていたことを、覚えている方も結構いると思います。高橋名人の登場以降は、それが更に顕著になりました。


ナッツ&ミルクはそれで良かったんです。ロードランナーも、チャレンジャーも、ボンバーマンも、バイナリィランドやスターソルジャーだってそれで問題なかった。


けど、バンゲリングベイはそれじゃいけなかった。このゲームは、「コロコロが対象としているようなちびっ子」に理解出来るゲームではなかった。「ヒーローの少年が帝国を破壊して、空母が沈没しかけていたところでヒロインを救い出す」なんてヒロイックなストーリーで了解されるようなゲームではなかった。本来、「シューティングゲーム」として売り出すべきゲームですらなかったんです。


当時、1985年2月22日時点にファミコンで出ていたSTGって「ギャラクシアン」「ゼビウス」「エクセリオン」「ギャラガ」ですからね。エクセリオンだけちょっとトリッキーですけれど、どれもこれも分かりやすいタイトルばっかりです。こんなわかりやすいゲームタイトルと同じつもりでこのゲームを手にとった小学生が、「このゲームわけわかんねー!」となってしまったのは、ある意味仕方ないことだったかも知れません。

結果的に、ファミコン時代初期についたイメージは長きにわたってこのゲームに張り付いてしまい、一時期は「クソゲー」とまで言われてしまっていた。ここ十年くらいで流石に認識も改まってきましたが、それだって一部の人たちが頑張って再評価を広め始めてからのことです。


「あまりにも革新的過ぎて、発売当時凄絶な誤解を受けてしまったゲーム」。それがバンゲリングベイだったと思うんです。もう少しファミコンユーザーの年齢層が広がった後、適切な売り出し方をされていれば、このゲームの評価は多分180度違っていた。


何故かというと、バンゲリングベイはすっげえ面白いからです。


「バンゲリングベイ」。1985年2月22日、ハドソンより発売。もともとはブローダーバンド社によって、欧米で大ヒットしたホビーパソコンである「コモドール64」に供給されたタイトルでした。「ロードランナー」「チョップリフター」の二作とともに「バンゲリング帝国三部作」を構成するタイトルでもあります。


Raid on Bungeling Bay (J)0000.png

まずはゲームの話をしてみましょう。


〇バンゲリングベイという「フライトシミュレーター」。

バンゲリングベイは、恐らく家庭用ゲーム市場初の、「マップ探索型ゲーム」でした。

ちょっと今更ながらですが、簡単にゲームの内容を解説してみます。

ゲームを始めると、プレイヤーは新型ヘリコプター「シーアパッチ」に搭乗した状態で、空母「R・レーガン」の艦上に駐機しています。

Raid on Bungeling Bay (J)0001.png

ここから、プレイヤーはシーアパッチを駆って、100画面にも及ぶ広いマップを縦横無尽に飛び回り、バンゲリング帝国の兵器工場を爆撃して撃破しなくてはいけません。

ヘリの操作は、「十字キー上で加速、下で減速」「十字キー左右で旋回」「Aボタンで着陸、ないしショット」「Bボタンで爆撃」というものです。

巡回艇やレーダー、時には戦闘機を撃破しながら兵器工場を探し、細かく機動しながら工場を爆撃し、工場の耐久を0にしたら工場破壊。マップ上に存在する工場全てを撃破することがマップクリアの条件です。

Raid on Bungeling Bay (J)0002.png

これの左下のやつが工場ですね。背景は時間経過でちょっと夕方っぽくなってます。

まず第一に、「操作方法」が当時のファミコン小僧の最大のネックだったことは議論を俟たないでしょう。当時は、「左を押せば左に、右を押せば右に移動」という直感的な操作がデフォルトだった時代です。それが、まるでフライトシミュレーターのような複雑な操作方法をいきなり提示されたら、「なにこれ上手く動かせない」となるのはある意味当然です。「操作性に難がある」みたいな評価はそれに基づいていると思います。


が、ある程度慣れてくると、あるいは大人になってから触ると、この「ラジコンヘリみたいな操作方法」がこのゲームの最大の楽しみどころだってことが分かるんですよ。

これ、操作してるとまさに「まるでラジコンヘリをいじくっているような」楽しさを味わえますし、ピタッと狙ったところに止められる、あるいは戦闘機とのドッグウォーを上手く制したりできると、ただそれだけでえらい気持ちいいんですよね。「加速・減速」という操作のキャパシティが物凄く大きいんです。

ヘリの操作として考えれば実に納得感のある仕様で、そもそも「左を押せば左に動く」という方が物理法則を考えればおかしいわけです。そういう意味で、バンゲリングベイの操作系は極めてリアル志向、フライトシミュレーター的ですらあります。

まずは、「操作性」こそバンゲリングベイというゲームの肝だ、と言い切ってしまいたいです。


〇ヘリを使った「オープンワールド」。


他にも、バンゲリングベイの革新的な要素というのは山ほどあります。

・マップをあちこち見渡して、どこに何があるのかを探索する楽しみ
・どの順番でどう工場を撃破していくか、ということを自分で決めていく戦略性
・空母に駐機して、「ダメージを回復する・爆弾を補給する」という「拠点」「補給」の概念
・必要であれば敵の空港に駐機して爆弾を補給することも出来るというサバイバル要素
・「ALERT」後の爆撃機襲来や、「WARNING」の戦艦登場などの危機感のあるイベント要素
・それによって、拠点である空母を「守らないといけない」という防衛の要素
・相手の工場破壊によって敵の攻撃頻度が変わる、レベルコントロールの要素
・1P・2Pの「対戦」要素
・非常に細かく設定されたバックストーリー

などなどなどなど。本当にこのゲーム、革新的過ぎてとても1985年なんてド初期に出たゲームとは思えないんです。グラフィックをちょいちょいいじれば、5年後に出たとしても納得感があるゲームデザインです。


100画面にも及ぶ広いマップを縦横無尽に飛び回って、時には攻め、時には補給に戻って、作戦を達成する。時には拠点を守らないといけないし、時には敵の攻撃に対して先制攻撃を仕掛けないといけない。敵の思考ルーチン、拠点防衛や攻撃の戦略性などなど、「やればやるほど深い」というのがバンゲリングベイの世界です。

空母という「拠点」の重要性はいうに及びませんが、「ALERT」などのイベント時には拠点を全力で守らなくてはならなくなります。が、万一拠点を失ってしまったとしても、残機は1機になってしまうものの、敵の空港を利用することで戦闘の継続は可能。これ、「たった一人の戦争」感あって滅茶苦茶熱いと思いませんか。

「WARNING」後に建造開始される戦艦は非常に強力で、放っておくと確実に空母が撃沈されてしまうので、これもなんとか建造中に破壊しなくてはいけません。が、極まってくるとこの戦艦も、出航してしまってから倒すことが出来るようです(私は一度も倒したことがありませんが…)。「出航してからの戦艦を倒すこと」は、ある意味やり込み要素の前身でもあります。

1P・2Pの対戦では、2P側はバンゲリング帝国サイドを操作することになり、これも非常に革新的な要素です。とはいっても、マイクで戦闘機を呼び寄せることを始め、2P側で出来ることは限られており、1P側がある程度慣れた人だと帝国側が勝つことはかなり難しいそうです。詰めればこの要素も面白そうなんですけどね。


「広いマップを自由に探索」という点では、遠く遠く「オープンワールド」系ゲームのご先祖と言ってもいいかも知れません。このゲーム、画面端と画面端はつながっているというループ設計になっているんですが、その理由すら「バンゲリング帝国が作り出した謎の空間」という形で設定されていたりします。


ウィル・ライト氏自身が、この「バンゲリングベイ」のマップエディターから「シムシティ」を発想した、というのも有名な話ですよね。これは、当人のインタビューでもそのように話されていたようです。



私がなにより「惜しい」と思っているのは、このゲームがその後バーチャルコンソール化されておらず、今遊ぶのがかなり難しいということです。ロードランナーはバーチャルコンソールになってるんで、版権とかはなんとかなりそうな気もするんですが…。

私自身は実機でもまだこのゲーム持ってるんですが、「大人になってから落ち着いて遊ぶ」ことこそ楽しめるゲームだと思うので、是非バーチャルコンソール化されて欲しいなーと思っております。


ということで、長々書いて参りました。

私が言いたいことはたった一つ、

・バンゲリングベイは大人になってからこそが楽しいのでバーチャルコンソール化してください、もしくはリメイク希望

ということだけだということを最後に申し添えておきます。


今日書きたいことはそれくらい。


posted by しんざき at 15:41 | Comment(3) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月13日

俺たちはかつて、ゲームを遊べない時、説明書や攻略本だけ舐めるように読んで遊んだ気になっていたんだ

皆さん、こういう表紙に見覚えってありませんか。

メチャガイド.png

必勝作戦メチャガイドですね。すげー面白かったですよね、メチャガイド。大体、終盤にさしかかると「この先は自分の目で確かめてくれ!」パターンでしたけれど。

懐かしいかというと実は別に懐かしいわけではなく、1集から3集までは自宅にあるんで今でもちょくちょく読んでいるんです。4集以降はもってないです。欲しいです。

攻略大全.png

こちらはファミマガ付録の「〇〇攻略大全」シリーズ。確か最初は「RPG攻略大全」の赤と黒だったと思うんですが、RPG攻略大全もどんどん巻を増していき、その内「SLG攻略大全」とか、この「AVG攻略大全」とかが出るようになっていきました。袋とじでクリアまでの攻略ルートとかありましたよね。


私たちに-----私は、「私は一人ではなかった」という確信をもってこの「私たち」という言葉を使うのですが-----私たちにとって、かつて「攻略本や説明書を読むこと」は「ゲームで遊ぶこと」と同義でした。


例えば、「ゲームは一日一時間」という高く分厚い壁にさえぎられて、ゲームを続けることが出来なくなった時。

例えば、「このゲーム買ってー!」とねだってもゲームは買ってもらえず、何故か480円くらいで売っていた攻略本だけ買ってもらった時。


私たちは、「本を読んでる分には親から怒られない」という最強のシールドを得て、ひたすら説明書や攻略本を読み込んで、ゲームを遊んだ気になっていたのです。

攻略本を読むのは、面白かった。説明書を読むのは、楽しかった。

攻略本の最後の方には、最終面の手前くらいで大体「この先は君の目で確かめてくれ!」とかいう短いテキストだけが載っていました。お前それのどこが完全攻略本だよ、とか思わないでもないですが、そんなことは全然なんの問題もなく、私たちはただ「ゲームのことが載っている本」を読んだだけで、十分ゲームの世界に旅立つことが出来ていたのです。


メチャガイドもそうですが、昔のゲームは比較的ボリュームが小さいので、ものによっては10ページくらいで最後までいってしまうこともありました。だから、昔のゲーム攻略本の中には「色んなタイトルの攻略が一冊に詰め込まれている」ものがたくさんありました。そのお得感たるや、ゲームそれ自体を遊ぶことと同等かそれ以上か、というくらいに、私は「攻略本」が好きだったのです。


そこに、ネタバレなどという概念はありませんでした。

それは体験でした。それは遊戯でした。それはゲームを遊ぶこと、ゲームの世界を味わうことだったのです。


だから私は、今でも、「説明書を読まない」などと言われると「え?何で?」とすら思ってしまいます。「説明書めっちゃ楽しいやん」と。その習性の為か、電子レンジを使わなくても電子レンジの説明書だけ読み込んでしまい、奥様に「いや使いなよ実地で」と突っ込まれたりします。

だから私は、今でも、「攻略サイト」や「攻略wiki」を読むのは好きです。たとえ全然遊んだことがないゲームでも、いやむしろ遊んだことがないゲームだからこそ、攻略情報を読むことでそのゲームを「味わった気に」なれるのです。キャラクターをビルドしたような気になれるのです。

だから私は、ネタバレという概念には比較的寛容です。知っていても十分楽しめるから。知っていても、むしろ二度楽しめたような気がするから。勿論作品にもよるわけですが。


時代は変わりました。あれから何年経ったでしょうか。20年?30年?


「ゲームの攻略本」という昔あったようなうっすい本は姿を消し、「メチャガイド」のような複数ゲームのガイドブックもどこかにいなくなり、ゲームの攻略本は「参考書」というよりは「資料集」とでもいうべきものになりました。攻略情報を集めるだけであれば、ネットを少し検索するだけで、なんの手間もなく事足りるようになりました。


なんの問題もありません。なにも悪いことはありません。ただ、変わった、というそれだけです。


ただ、今でも昔の攻略本を読んでみると、私は何故か「このゲームおもしれーー!!!」という感覚に包まれるのです。やったことがないゲームだろうが、何度もやったゲームだろうが、何の変わりもなく、私は攻略本を読むことで「そのゲームを遊べる」のです。

そんな体験を、今でも他の人に味わってほしいなあと。

今でもそんな風に思いながら、私はレトロゲームの記事を書き続けているのです。


私が書いたレトロゲーム記事が、誰かの「遊んだ気になる」手助けになるのであれば、それ以上幸いなことはありません。
posted by しんざき at 12:09 | Comment(19) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月10日

レトロゲーム万里を往く その133 星をみるひと

「星をみるひと」とは何だったのかを、ちょっと考えてみたいと思います。長文ですのでお暇な時にどうぞ。


歴史の話から始めさせてください。といっても、そんなややこしい話ではありません。


以前から何度か書いていますが、ファミコンにおけるRPGの歴史は、1986年に始まりました。

1986年2月21日にゼルダの伝説。3月18日にハイドライド・スペシャル。5月27日にドラゴンクエスト。8月1日にワルキューレの冒険。11月6日に銀河伝承。12月19日にディープダンジョン。1986年は、「コンシューマー市場におけるRPG元年」とでもいうべき年でした。


最初はアクションRPGから始まった一筋の流れが、1987年1月26日の「ドラゴンクエストII」で決定的な「王道RPG」の流れになった、というのはまず論を俟たないでしょう。当時のドラクエIIのお化けゲームっぷりは今さら言うまでもなく、ゲーム業界は否応なく「RPGというジャンルへのアプローチ」を考え始めることになりました。開発陣が「ドラクエの次」「確立された王道RPGの次」を模索し始めたであろうことは想像に難くありません。


RPGを作ろう。しかし、「ゼルダ」や「ドラクエ」そのまんまにするわけにもいかない。そしたらどうするか?


一つのアプローチとして、「既存のアクションゲームにRPG要素を付け足す・取り入れてアクションRPGにする」というものがありました。成長要素、メッセージによる情報収集、アイテム要素、謎解き要素。87年では、例えば「アルゴスの戦士」「ドラキュラII」「グーニーズ2」「ボンバーキング」「奇々怪界 怒涛編」辺りがその代表格といっていいと思います。


もうひとつのアプローチとして、夢幻の心臓・ドラクエ型のRPGに対して、システム面・シナリオ面・バランス面などで様々な差異を取り入れて、「別の王道RPG」を作ろうというものがありました。

87年6月12日の「ヘラクレスの栄光」、6月30日の「未来神話ジャーヴァス」9月5日の「ゾイド中央大陸の戦い」、移植作ですが10月13日の「覇邪の封印」辺りが、(成功失敗はともかく)その一つの試みであることは間違いないでしょう。


つまり、1987年は「ゼルダ・ドラクエじゃないRPG」を皆が模索していた年、とすら言えるのではないかと私は考えているのです。


そして1987年の12月に、ゲーム業界は「ファイナルファンタジー」の登場を見ることになるわけですが、その少し前、1987年の10月に、3つの見過ごせないタイトルが、たった5日間の間に集中して世に送り出されました。


私はこれら3作品を、「ドラクエに対する3種類の回答」として捉えています。


10月23日に、タイトーより「ミネルバトンサーガ」。これは、世界観は「王道RPG」でありながら、数々のシステム的な試みを結実させた傑作でした。

10月26日に、ハドソンより「桃太郎伝説」。これは、システムは「ドラゴンクエスト」に近いものでありながら、世界観・シナリオで全く違ったRPGを完成させた、同じく傑作でした。


そして、これらを背景に、1987年10月27日に発売されたのが、まさに「星をみるひと」だった、という話なのです。

Hoshi wo Miru Hito (J)0000.png

「星をみるひと」。RPG。1987年10月27日、ホット・ビィから発売。ホット・ビィは、他に「ザ・ブラックバス」「バズー!魔法世界」「武田信玄」「鋼鉄帝国」などが著名で、「世界観や、細かいところは非常に優れているのに、バランスや仕様に若干難がある」というのが割とどの作品でも共通しています。タイトーの下で「中華大仙」や「インセクターX」も開発していた様です。



まずはゲームの内容の話をしてみましょう。ネタバレについては遠慮なく飛び交いますのでご注意ください。



○「星をみるひと」に見るシステム的な理不尽カタログについて


「星をみるひと」がシステム面に数々の難点を抱えており、これが現在の視点どころか、当時視点ですら理不尽にゲームを遊びにくくしていた、というのは否定の術がない事実です。まずはここに触れないわけにもいきません。

「星をみるひと」ならではの難点は、大きく分けて「UIが全体的に不親切」「戦闘バランスが非常に不安定」「マップ仕様が異常にわかりにくい」の三点だと言っていいでしょう。


・UIが全体的に不親切
→移動速度が全体的に遅い、戦闘でコマンドをキャンセルすることが出来ない、戦闘シーンでHPが10の位より上しか表示されない(50なら「5」と表示される)、ダメージ床やアイテム取得時の演出が非常にわかりにくい、などなど

・戦闘バランスが非常に不安定
→最序盤から絶対に勝てない敵が出てくる、「逃げる」コマンドが存在しない為出会うとゲームオーバー確定(「てれぽーと」を覚えるまでは戦闘から逃げることは出来ない)、一部の武器を装備すると逆にダメージを与えられなくなる(素手はランダムダメージなのでまだ素手の方が若干マシ)、成長バランスが不自然でHPだけ異常に上がりが速い(最終的に主人公のHPは3万近くまで上がる)、それでも「かりう」などの凶悪な攻撃が存在する為ゲームオーバーとは常に紙一重、などなど

・マップ仕様が異常にわかりにくい
→あるマップに入った時と出る時の接続が一致しておらずワープしまくる(基本的にはエリアのスタート地点に戻される)、IDカードで開ける扉ではカードが2枚必要であり1枚しかないとハマる、一部のマップでは不可視のジャンプポイントがあちこちにあり避けないと進めない、マップ上のオブジェクトが一部カモフラージュされていて見えない(有名なのは最初の村だが、他にも色々ある)、ぶれいくで壊せる壁が明示されていない、などなど

上記は難点のごく一部であって、他にも正直色々あります。

特に戦闘バランスについては情け容赦がないレベルでして、最序盤でも安定して勝てる敵は「じゃんく」「ふらっか」のせいぜい二種類くらいで、この二種類以外にエンカウントしたら生き残れるかどうかは運次第、「ふっかつしゃ」や「くらっしゃ」にエンカウントした日には即ゲームオーバー確定、リセット押した方が早いという状態でした。なにせ逃げるコマンドが存在しないので。

最序盤をなんとか切り抜け、ある程度のHPと幾つかのESPを確保した後でも、「かりう」によるびょうき状態など、いついかなる時でもパーティ崩壊の危機はつきまといます。

みさを仲間にする時の複雑怪奇なルート、酸素ぱいぷを見つける場所のわかりにくさ、上述したマップ仕様のわかりにくさなど、厳しいところは枚挙に暇がありません。

ファミマガの「ファミコンロムカセットオールカタログ」ですら「ゲームを進めていくのが非常に辛いゲーム」と評されてしまっているこれらの難点が、後にこのゲームをおもしろおかしくバカにする向きを産んでしまったことは、ある程度やむを得ないこととも言えます。正直、テストプレイによるバランス調整が行われたのかどうかが疑われるレベルです。


星をみるひと.png

「ファミコンロムカセットオールカタログ」の記載。この採点、音楽・オリジナリティは低すぎるし逆に操作性は高すぎる、と思わないでもないんですが、点数が出ているだけでも良しとしましょう。

勿論、これらの難点の中には説明書で説明されているものもありますが、説明されていればいいというものでもなく、コンシューマRPGというジャンル自体の黎明期であったことを考慮に入れても苦しい点は多いです。


ただ、「理不尽さ」という点については、分からないでもないんです。


○ゲームにおける理不尽さと、「PARANOIA」的ディストピアとの関係


「星をみるひと」のストーリーを、説明書から引用してみましょう。

 未来のある場所に、「みなみ」という少年がいた。彼には、そこがどこかも自分が誰なのかも分からなかった。しかし、彼を目のかたきにおそいかかるものたちがいる。メカニックなロボット・軍隊であるガードフォース・攻撃本能しかない異様な生物・超能力者狩りをするデスサイキックたちが、彼を見つけるといきなり攻撃してくるのだった。なぜなら彼は超能力者であるから。…………

 彼らのいる巨大都市“アークシティ”では、その都市の管理を“クルーIII”と呼ばれるコンピュータが行っていた。“クルーIII”は、より完全な都市管理のため居住者の心の中まで干渉していて、わずかでも、都市に有害な心がめばえた居住者に対して絶えず矯正を行っていた。このシステムをマインドコントロールといい、その効力は“クルーIII”自身の存在も忘れさすほど強かった。しかし、ごく一部の人々にはマインドコントロールがきかないのがわかった。そこで“クルーIII”は、その人達を“サイキック”となづけてサイキック狩りをはじめた。サイキックは、捕らえられアークシティに連れ去られた。そこに、取り残された4人の子供がこのゲームの主人公である。


早い話、これ「1984年」とか「すばらしい新世界」、あるいは「PARANOIA」などのディストピアものSFの世界なんですよね。特に「PARANOIA」の影響があるんじゃないかと、私は勝手に思ってるんですが。


ご存知の方も多いと思いますが、「PARANOIA」は1984年に生まれたSFものTRPGの傑作でして、「マザーコンピューターに管理された社会」「コンピューターによる反逆者狩り」などの要素は「星をみるひと」の世界観と共通しています。


「星をみる人」の「クルーIII」の目的は、蓋を開けてみると結局人類の管理・統制ではなかったので、その点PARANOIAとは異なる点も勿論あるんですが。この「PARANOIA」的なディストピアの世界観や理不尽感を、「非ドラクエ化」の手段の一つとしてスタッフが取り入れようとしたんじゃないか、という推測は、時期を考えるとあながち無理筋でもないんじゃないかと考えています。

ディストピア世界観において、人命は時として紙よりも軽いものですし、視聴者はその理不尽さに容赦なく打ちのめされるものです。そこに親切さなどというものは存在せず、主人公は生き残る為に全てを賭けなくてはならないことが専らです。

その上、星をみるひとのシナリオは、「超能力者狩りが行われている世界である」ということを最初から明示しています。当初の戦闘バランスも、「メカニックなロボット・軍隊であるガードフォース・攻撃本能しかない異様な生物・超能力者狩りをするデスサイキックたちが、彼を見つけるといきなり攻撃してくる」というシナリオ通りには違いないんです。(シナリオ通りならいい、という話ではありませんが。。。)

つまり、「星をみるひと」の理不尽さの内2割くらいは、「ディストピアもの」としての「狙った」表現の一環なのではないかと私は考えるのです。(あと8割はテストプレイと調整不足)


上記したとおり、1987年って家庭用RPGの歴史からすれば初期も初期ですからね。そんなド初期に、いきなり「ディストピアものSF」とかいうとんでもないブラックな題材をもってくる、ホット・ビィの企画者がただものでなかったことは間違いないと思います。

ファミコンにおけるSFRPGという試み。この試みは、この数年後、「ラグランジュ・ポイント」という形で一つの到達点を見ることになります。



○「星をみるひと」のBGMの素晴らしさはガチ

上記の理不尽さを考慮した上でも、「世界観・シナリオの独創性」と「BGMの素晴らしさ」という少なくとも二点については、我々は「星をみるひと」をはっきりと評価しなくてはいけません。


「世界が実は巨大な宇宙船の中だった」という設定は、「宇宙の孤児」や「第二の太陽へ」なんかでSF小説では定番のテーマになりかけていましたが、当然ファミコンでやろうとしていたひとなどこの頃誰もいませんでした。

クルーIIIの正体が「イルカとシャチ」という海洋生物であること、彼らとテレパシーで交信することで判明する意外な目的、そして待っているマルチエンディング、とこれらの要素についても、当時基準で言えば「数年早い」と言うべき革新的な内容です。

このゲームの大きな要素として、「テレパシーを使うことによって、普段の台詞とは異なる思考の中身を覗くことが出来る」というものもありまして、それも情報から小ネタに至るまでかなり芸コマです。中には、自分がテレパシーで考えを読まれていることを悟っている人なんかもいるんですよね。ゲーム上必要な情報が明かされることは滅多にないんですが。

そして、あーくCITYで「この世界が巨大な宇宙船の中である」ことが明かされた後の、唐突な宇宙マップに出会った時の衝撃。あーくCITYのコクピットにたどり着いた後の怒涛の展開は、「世界観の見せ方」としては当時十分以上に衝撃的なものだったと思います。


シナリオが独創的であっただけに、上述したようなゲームシステム的なアラが数々あったことは残念という他ありません。同じようなことを考えた人は他にも多いらしく、フリーソフトで「星をみるひと」を遊びやすくした「STAR GAZER」といったリメイク版も存在します。バランスなども十分に改善されていますので、ご興味ある方は是非こちらを触ってみることをお勧めします。私もプレイしましたが、戦闘のテンポの良さ、謎解きの理不尽感改善、展開のサクサク感など、こちらは手放しでお勧め出来る出来です。



一方。「クソゲーの要件は「BGMだけは良い」と言われること」などという言葉もありますが、それを承知の上で断言しますと、「星をみるひと」のBGMの素晴らしさはガチです。

ひとつ動画を挙げさせていただきます。タイトルBGMからパスワード入力BGMだけでも聴いてみてください。

(タイトルBGMは0:11くらいから、パスワード入力BGMは0:54くらいから始まります)

タイトルBGMの、神秘的でありながらどこか不安を煽る印象的なメロディ。パスワードBGMの、透明感のある流麗な雰囲気から、一気に軽快なメロディにジャンプアップする展開などは、今の目から観ても十分「名曲」といっていいBGMなのではないかと思います。


と、ながながと語って参りました。


最後に書きたかったことをまとめておくと、

・星をみるひとには数々のシステム的な難点がある
・が、ファミコンRPG黎明期のこの時期に、「ディストピアものSF」などというダークなテーマを実現しようとしたことは評価されるべきである
・ただ、マップ仕様の意味不明さだけは勘弁して欲しい
・BGMの素晴らしさはガチ
・説明書のあいねは可愛いと思います。

大体これくらいになります。よろしくお願い致します。

今日書きたいことはこれくらいです。




posted by しんざき at 17:53 | Comment(3) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月07日

ファミコン版「ゴーストバスターズ」の話、ないし「面白くない」をせめて自分の言葉で語って欲しい、ということ

昔ファミコンで、ゴーストバスターズというゲームが出ました。発売年は1986年、発売元は徳間書店です。

言うまでもなく「ゴーストバスターズ」は84年のオバケ映画(文字通りの意味で)でして、北米では大ヒット、確か日本でもかなりのヒットを記録していたと思います。「コミカルなお化け退治映画」ということで、今の視点でみるとB級感もあるんですけど、それでもその軽妙な展開とラストのマシュマロマンは十分楽しめる内容です。すいません、リブート版はまだ見てないんですが。

で、そんな「ゴーストバスターズ」のファミコン版なんですが、元映画のB級感だけをただひたすら煮詰めたような内容になっていました。ちょっと動画を引っ張ってみます。


基本的には、

・ゴーストを捕まえるためのアイテムを店で購入
・レースゲームのようなドライブ面を通過して各ビルに移動
・アクション画面でゴーストを捕獲
・ゴーストを捕獲することで報酬get→またアイテム購入
・最終的にズール寺院にいってゴーザを倒せばクリア

という流れのゲームですね。細かくは上の動画を見てみてください。

Webでは「クソゲー」として取沙汰されることが多いタイトルなんで、ご存知の方も多いと思うんですが、よく挙げられるのは

・全体的にグラフィックがチープ
・マップ画面が意味不明、かつ説明不足
・ドライブ面のバランスが理不尽。すぐガス欠になるくせに、急ぐために加速すると他の車にぶつかりやすくなり、ぶつかると金が減る
・なぜかショップに行くときまでドライブ面を通過するハメになる
・ズール寺院に入る条件がよくわからない(実際にはお金を$15000貯めることが条件なのだが、説明書にもその明示がない)
・ズール寺院でやることは、ゴーストをかわしながらひたすら連打で進んでいくこと。23階もあり手が疲れる
・ズール寺院では、こちらから攻撃をしてゴーストを倒すことが出来ない
・エンディングで処理がバグっており、エンディングメッセージが正常に表示されない(いわゆる「りり」問題)

この辺りでしょうか。

いや、「面白いか面白くないか」で言えば、多分面白くないんですよこのゲーム。今の視点で遊べば十二分に面白くない感が楽しめますし、当時の視点だってそこまでは面白くなかったかも知れません。そこに異存はないんです。


ただ、正直言いますと私このゲーム大好きなんです。すげー好きなんです。


このゲームは、私にとっては「お買い物ゲーム」でした。Shopに行ったときに画面に並ぶアイテムに、「$2500」とか「$12000」とか値段がついている。ただこれだけで、当時は十分面白かったんです。「あーこのアイテム買うのにこれだけ金がいる!あーあとちょっとで溜まる!溜まったーーー!!」という、せこせことゴーストを捕まえてお金が溜まっていく感。これが、無意味に好きだったんですよ私。

アイテムにしても、スーパートラップを初めて買った時にはその便利さに感動しましたし、ハイパービームを買った後はゴースト捕獲がサクサクと楽になりました(そんだけ貯めたなら先にズール神殿いけよって話ですが)。

その辺、「アイテムを買うことで明確に便利になってる感の演出」は結構上手かったと思うんですよね。サウンドジェネレーターはあんまり意味なかったですが。

このゲーム、徳間書店が出しているだけに、当時の「ファミリーコンピューターマガジン」では結構特集もされていまして、それと合わせて「このアイテム買えばこんな効果があるのかー!」とか考えながらお金を溜めるのも楽しかった。

アクション画面だって、ゴースト捕獲パートについて言えば決してつまらないものじゃありませんでした。

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画面上部でふよふよしているゴーストたちにビームを当てて、トラップに放り込む。で、お金ゲット。確かにやることは単純ですが、単純というだけで言えば他にも単純なゲームはいくらでもあります。ゲーム&ウォッチだって、ギャラクシアンだって見方によっては単純でしょう。ゴーストを捕獲すると同時に右下のお金表示が溜まっていく、その辺も十分楽しみになっていました。

批判が激しいズール寺院の階段画面だって、「ひたすら長い」という点を除けば(正直これについては弁護の余地ないと思います)、やってることは「山登りゲーム」の「タイミング測って連打」と同じようなものです。

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ラスボス戦について言えば、明確に「遊びどころ」のあるシューティングになっていまして、敵弾をかわしながら一発一発ゴーズに打ち込む感覚は、ここだけ言えば十分に「楽しい」ゲームになっていました。

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当時、ゲームをしていない間は攻略本や説明書を舐める様に読んでゲームをやった気になっていた勢の皆さまにはわかって頂けると思うんですが、カーチェイスだってショップだってガソリンスタンドだって、またマップ画面の仕様だって、説明書には全部記載されていました。このゲームに、「意味不明」な要素なんてなかったんです。


断っておきたいんですが、「このゲームはクソゲーじゃない!!」と言いたいわけでも、「このゲームバカにすんな!」と言いたいわけでもありません。実際に遊んで、「なにこれつまんねー!!!」という人がいれば、そこになんの文句もないんです。実際大多数の人はそう感じるでしょう。

ただ、

・当時視点で言えば、「〇〇が意味不明」という批判は当たらない点が多い(この頃のゲームで、説明書がない状態を意識して作られているゲームなど滅多にない)
・決して「全く遊べない」ゲームではなかった。質の高い低いはともかくとして、遊びどころもちゃんとあった
・私はこのゲーム好きです(賛同者滅多にいないけど)

という三点だけは言っておきたかったんです。


ところで以前、こんな記事を書きました。


「ほしをみるひと」でも、ロマンシアでも、コンボイの謎でも。いや、ゲームに限らず、全てそうだ。そのゲームをちゃんと遊んだ上で、「これはクソゲーだ!」と言うなら、文句をつける筋合いは一切ないと私は思う。

例えば、ある音楽について、「聴いたことないけどひどいって聞いたからひどい曲だ」と論じている人がいれば、アレ、なんかおかしいな、と誰でも思うだろう。

ある漫画について、「読んだことないけどつまんないって聞いたからつまんないマンガだ」と論じている人がいれば、ちょっと違うんじゃないかな、と誰でも思うだろう。

これは経験主義だろうか?そうかも知れない。しかし、「何かを批判するなら、最低限対象について知っておくことが礼儀」だと私は思うし、「けなすんなら人の言葉を借りてきてないで自分の言葉でけなせよ」とも私は思う。

ここ最近、また「やってないけどクソゲーって聞いたからこれクソゲー!!」的なレビューをたまに見かけるようになりました。どこかで面白おかしくプレイ実況している動画を引き写して、そこから面白おかしいところだけを抽出しているような感じの記事です。アクセス流したくないのでリンクはしませんが。

むかーしむかし、「スペランカー」「バンゲリングベイ」「たけしの挑戦状」「星をみるひと」といったタイトルで、同じようなことは頻繁にありました。ただ、面白おかしくクソゲーをけなしている人の言葉だけ借りてきて、つなぎ合わせてお手軽クソゲー批判記事に仕立てる、みたいな手法でした。


正直、かっこ悪いなー、と。「面白くない!!」ということだけでも自分の言葉で語れないのか、と。


以前から書いてある通り、私は「人の尻馬にのってけなすだけけなす」というスタンスが嫌いなので、「面白くない!!」ならせめて自分の言葉で「面白くない!!」と言えよ、とは思ってしまいます。


別にクソゲー批判してもいいと思うんですよ。クソゲー談義、全然いいと思うんですよ。馬鹿ゲーならガンガンバカにしていいと思うんですよ。

ただ、少なくとも自分で遊んで、自分で思ったことを書いて欲しいなーと。そうしてこそ、レトロゲーム談義界隈がもっと面白くなるんじゃないかなーと。遊んでないなら、そもそも「クソゲー」としてバカにする必要は一体どこにあるのかな、と。

そんな風に思った次第なのです。



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2016年08月20日

レトロゲーム万里を往く その132 幽☆遊☆白書 (SFC版)


「キャラクターものをどうゲーム化するか」って、ファミコン時代の黎明期から、ずっとゲームメーカーの主要なテーマの一つであり続けていたと思うんですよ。


ファミコンにおける「キャラクターものゲーム」の歴史をちらっと振り返ってみましょう。

まず、キャラクターもののゲーム化における、もっともシンプルな回答は「何も考えずにアクションゲームにしてしまう」というものでした。

ファミコンにおけるキャラゲーメーカーの雄といえばバンダイとハドソンかと思いますが、特にファミコン初期、バンダイは幾つもの「キャラクターものアクションゲーム」を出しています。


たとえばキン肉マンマッスルタッグマッチ。

たとえば オバケのQ太郎 ワンワンパニック。

たとえば ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境。

たとえばドラゴンボール神龍の謎。


勿論、バンダイ以外にもアクションキャラゲーは山ほどあります。ハドソンの「ドラえもん」「忍者ハットリくん」、ジャレコの「うる星やつら ラムのウェディングベル」、コナミの「火の鳥」東映の「北斗の拳」あたりは代表的なところでしょう。

ファミコン初期はまだゲーム化の引き出しが少なかったとはいえ、「取り敢えずアクションゲーム」というのが、キャラゲー化の一つの定番だったことは間違いないでしょう。名作もあれば、「うーん?」というゲームもありましたが、何はともあれ「漫画やアニメのキャラクターが動かせる」というのが、ファミコン小僧にとって一つの喜びだったことは間違いがありません。

ただ、「原作あんまりアクションと関係ないのにアクションゲームにしてしまっている」という例もままありまして(オバQもその口だったと思います)、その極端な例が東宝による「タッチ」のゲーム化だったと思います。まさか「野球ラブコメ漫画」が「ボールを投げまくって敵を倒す」ゲームに変貌するというのは、当時想像の範囲外の出来事でした。いやホント、あのゲームなんで野球ゲームじゃなかったんでしょうか。ファミスタの丸パクリの方がまだ原作ファンは納得したと思うんですが。


もうちょっと時代を下ってみると、「ビジュアルを活かしてアドベンチャーゲームにする」というソリューションが出てきます。これは、アクションゲームよりもだいぶ「ビジュアル的な原作再現度」を上げることが出来るという点もあり、ファミコン中盤から終盤にかけて名作も生まれました。

たとえば「めぞん一刻」。たとえば「ビー・バップ・ハイスクール」。たとえば「孔雀王」。たとえば「おそ松くん バック・トゥ・ザ・ミーの出っ歯の巻」。たとえば「かってにシロクマ」。

ただ、アドベンチャーゲームの欠点は「シナリオとテキスト次第では簡単にゲームがぶっ壊れる」というものでして、「AKIRA」や「美味しんぼ」などはだいぶ賛否が別れる内容になっていました。私も正直「美味しんぼ」のアレはどうかと思います。


ジャンルとしてはアクションとアドベンチャーの比率が高いと思いますが、他のジャンルを選んだキャラゲーも色々あります。

STGというジャンルを選んだ「機動戦士Ζガンダム・ホットスクランブル」「超時空要塞マクロス」「ガルフォース」、RPGというジャンルを選んだ「ドラえもん ギガゾンビの逆襲」「悪魔くん」「天地を喰らう」、他にはSLGやボードゲーム(おぼっちゃまくんとか)なんてのもありました。あるキャラクターものを、「そう来るか」でゲーム化するのは、一つのアイディア勝負でもあります。


そんな中、サッカーゲームをコマンドRPGに近いビジュアルゲームにした、「キャプテン翼」と「キャプテン翼2」が一つの『キャラクターものの到達点』だったことは間違いありません。

レトロゲーム万里を往く その5 〜キャプテン翼〜

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「漫画的なビジュアルと、サッカーというジャンルを両立させており、ゲームとしてもちゃんと面白い」というのは一つの奇跡だったと思います。このゲームを作れたというその一点だけで、テクモというメーカーの物凄さが分かります。


で。


めちゃくちゃ前置きが長くなりましたが、スーファミにおける「幽☆遊☆白書」も、私にとっては一つの「そう来るか!!」のゲームだったわけです。


幽☆遊☆白書。ジャンルは「ビジュアルバトル」。1993年12月22日、SFCでナムコから発売。

その最大の特徴は、「アクション性を大部分オミットして、完全ビジュアル重視の対戦ゲーにした」というところでしょう。

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これが、「幽☆遊☆白書」の対戦画面です。
御覧いただける通り、ビジュアルはSFCゲーの中でも相当頑張っていた部類だったと思います。しかも結構動くんですよ、これ。

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プレイヤーは、十字キーとX/B/Y/Aのボタンの組み合わせで、そのターンの行動を選びます。選べる行動には「攻撃」「防御」「技」「霊撃(いわゆる必殺技)」の大きく4種類がありまして、更に使うボタンとキャラクターによって、ビジュアルと技は枝分かれします。

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で、技の相性や使ったタイミングによって、当たる、かする、よける、技が成功する、失敗するなど、様々な結果が出ます。これによって、最終的に相手の体力を削りきったら勝ち、というわけです。

技を使うタイミングや、相手の技との駆け引き要素などは勿論ありますが、アクション性は殆どありません。「ビジュアルバトル」の名の通り、そのゲーム内容はどこまでも「ビジュアル重視」でした。

幽☆遊☆白書は格闘マンガです。そして、当時まだ、メガドライブの名作「幽☆遊☆白書 魔強統一戦」は発売されていませんでした(あっちは1994年です)。当時が、1991年のストIIを端緒とする格ゲーブームまっさかりであることを考えれば、「幽☆遊☆白書」のゲーム化をするとき、普通に考えれば「じゃあ格ゲーにしよっか」というのが自然な流れであるように思います。

しかし、ナムコはその道を選びませんでした。ナムコは、独自の「ビジュアルバトル」というシステムを開発し、それに幽白を乗っける方を選びました。

これは私の推測なんですが、恐らくナムコは、「格ゲーファンじゃなくて、漫画の幽白ファンが一番喜ぶゲームはどんなのかな?」というところから始めたのではないか、と思います。そして、原作の格闘要素を削ることなく、幽白独特のキャラクター、独特のビジュアルが最も映えるゲームシステムを選んだ。


ここには、「キャプテン翼」でテクモが起こしたイノベーションと通じるものがあるんじゃないか、と私は思うのです。


ゲームとしては、格ゲーはかなり忙しいシステムですし、プレイヤーを選ぶ側面も正直あります。特に、当時幽白のファンに多かった女性読者の中には、格ゲーブームと無縁に過ごしていた層もかなり多かったでしょう。

それに対して、「シンプルな操作でビジュアルが楽しめる」というシステムを用意することによって、「ゲーム慣れしていないファンでも、十分にビジュアルが楽しめる」というゲームを作り上げる。これも「キャプテン翼」と同じく、ナムコの一つの大英断だったと思うわけです。


後にトレジャーが送り出した「幽☆遊☆白書 魔強統一戦」は、今でも愛好する人がいる程の、「深く、どこまでも遊べる」格ゲーに仕上がっていました。一方、SFCの「幽☆遊☆白書」は、「誰でも遊べて、ビジュアルが楽しめて、しかもちゃんと面白い」ゲームに仕上がっていました。

二つの、全く違った「幽☆遊☆白書」。これもまた、「キャラクターもののゲーム化」における好対照、歴史に残る分岐だと私は思います。




もうちょっとSFC版「幽☆遊☆白書」の話をしますと。なによりもそのキャラクターの選択にセンスを感じます。

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メインキャラクターの5人は当然として、プレイアブルキャラクターの中には六遊会チームの是流だの、魔性使いチームの吏将だの、「そいつが来るか」というキャラクターもかなり含まれています。是流なんて、原作中での戦闘シーンはめっちゃ短かったですけれど、ちゃんと技作りこまれてますよ。すばらしい。

そして、なんといってもキラリと光る「美しい魔闘家・鈴木」の存在。彼の美しい技の数々も、流石に限定されてはいますがきちんと再現されまくっており、開発者の愛を感じること大なわけです。鈴木いいですよね。このゲームではめっちゃ性能低いですけど。

キャラクターごとの性能差は結構極端でして、飛影なんて黒龍波は強力なんですけど他の技が軒並み近接なんで飛ばれると全部スカされたり、相手の行動をキャンセルする技がやたら強かったりと、対人のバランスには正直少々難がありました。あと100%戸愚呂めっちゃ強い。


このゲームの続編では「幽☆遊☆白書 特別篇」も発売されており、ストーリーモードがなくなった代わり、キャラクターバランスの改善、魔界の扉編キャラの追加などが行われています。ドクター神谷とか、刃霧要とかめっちゃいい味出してます。あと、若幻海がそのまんま使えたりします。


私の疑問は正直たったひとつで、「このゲームのシステムってキャラクターものゲーム化するのにはすごい適してると思うのに、なんでフォロワーがほぼいないんだろう?」という点です。なんでしょうね?ゲームとしても結構面白かったと思うんですが…。


と、長々書いて参りました。

結論として、

・キャプテン翼と「幽☆遊☆白書」はキャラクターものをゲーム化する際の革命児
・「幽☆遊☆白書」面白かったですよね
・ただ「剣よ伸びろ!」が強かったためにプレイヤーキャラでは桑原がやたら強かった印象
・魔強統一戦もすげー面白いですよ!!
・全然関係ないけど若幻海かわいいですよね

という5点だけを申し添えて、本エントリーの結びとさせていただこうと思います。


今日書きたいことはそれくらいです。


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2016年06月30日

地球規模で知って欲しい、基礎からの「バルーンファイト」対戦攻略


みんな!!!!!バルーンファイトの対戦しようぜ!!!!!


ということで、今日はみなさんに、バルーンファイトの対戦の面白さをお伝えすると同時に、対戦初心者の人でもある程度中級者以上のプレイヤーと戦えるようになる考え方をお伝えしようと思います。日本のバルーンファイト対戦ステージの隆盛に少しでもご協力出来れば幸いです。

一般的な、バルーンファイトの対戦レギュレーションは以下のような感じになると思います。

・Bモード(2-PLAYER GAME)で対戦する
・あらゆる手段で相手の残機を0にした方が勝ち
・時間無制限
・CPUを倒してステージを進めることは可とする

ローカルルールによっては、ステージを進めることを不可としたり、ステージ毎に時間制限を設けたり、スコアアタックで戦ったり、CPUを魚に食わせた数を競ったりといったルールもあるようですが、ここでは上記の「スタンダードデスマッチ方式」をレギュレーションとしたいと思います。


今更いちいち説明するまでもないと思いますが、バルーンファイトの画面は下記のような感じです。

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赤い方が1P、青い方が2Pです。

勝利条件は単純で、「相手の風船を2つ割ると相手は一機死ぬ」「全機なくした方が敗北」という、ただそれだけです。風船を割るには、相手の風船に対して相手の上方向から体当たりをすることが必要です

操作方法として重要なのは、「Aボタンは押すごとにゆっくりと、Bボタンは押し続けると急速に画面上へと上昇する」ということです。これと十字キーでの方向操作さえできれば、バルーンファイトの対戦シーンに突入することが可能です。

この時期の「協力型2Pゲーム」には珍しく、バルーンファイトでは「自分でも直接相手を攻撃する」ことが可能になっています。例えばアイスクライマーの対戦では、「画面をずんずん先に進んで相手をスクロールアウトさせる」ということが主な対戦要素であるのに対し、直接の戦闘というのがバルーンファイトを熱くしている要素jの一つです。

必殺技?コンボ?特殊入力?そんなものはない。

十字キーと、AボタンBボタンが使えれば、もはや最上級プレイヤーと同じ条件で戦えるのです。この驚異的なハードルの低さは、今の対戦格闘シーンなどではなかなか見られないものでして、「対戦したいけど今の格ゲーむずかしいし…」という日本全国に4億6000万人くらいいる潜在的対戦プレイヤーにこそバルーンファイトを手にとって頂きたいですね。

尚、私が独自に検証したバルーンファイトの対戦ダイヤグラム(作成時間45秒)は下記のような感じになります。

ダイアグラム.png

かなり各キャラクターの性能が拮抗していることが見て取って頂けるのではないかと思います。選んだキャラクターによって大きな有利不利が発生せず、公平な対戦が実現できることも「バルーンファイト」というゲームの魅力の一つです。


○バルーンファイトの対戦のキモは、「位置関係の管理」である

バルーンファイトにおいて、相手に勝つ為に考えなくてはならないことはたった一つ。「相手より有利な位置取りを、どのように確保するか」ということです。

バルーンファイトで相手を倒す方法は、基本的には3つしかありません。

1.自分で相手の風船を割る
2.CPUを利用して相手を倒す、ないしCPUに倒させる
3.雷を相手に当てる

この3つです。

そして、これらすべてにおいて、「位置取りの把握」というものが極めて重要な要素になってきます。
順を追ってみていきましょう。

1.自分で相手の風船を割る

上でも書いた通り、相手の風船を割る為には、少しでも相手より高い位置から相手に体当たりをする必要があります。

その為、バルーンファイトの対戦攻略における基本は「画面上部を確保すること」です。


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なるべく画面上部に位置し続けて、相手に自分の頭上を取らせない。これが、バルーンファイトにおけるベーシックポジションになります。

バルーンファイトというゲームの操作感は良く出来ていて、単に「急上昇」ボタンであるBボタンを押し続けていると、画面の天井にがっつんがっつんぶつかって反動で位置が下がり、逆に不利になってしまいます。その為、天井に近い位置ではAボタンによる細かい浮遊を駆使しつつ、相手の隙を伺うことになります。

ただ、お互いにずっと天井に張り付いているだけだと膠着状態になってしまい、相手が天井からはじかれる隙を求めて体当たりし続けるしか打つ手がなくなってしまいます。(これはこれで、Aボタンの微調整によるテクニックが重要になるところです)

ここで、「誘い」と「雷」と「CPU」が重要になってくるわけです。

ひとつ目、「誘い」とは何かというと、敢えて相手に隙を見せて、相手がこちらを狙って下がってきたところを、すかさずBボタンで相手の上部に回ることです。

これが、2.CPUを利用して相手を倒す、ないしCPUに倒させる

にあたります。

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この画面の例でいうと、下の方の敵を倒しにいくと見せかけて、相手が下がってきたところをすかさず狙う、であるとか。


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当然、逆に相手がCPUを倒しにいく時、すかさず相手の頭上を狙う、ということもありです。

重要なのは、「今相手とCPUはどこにいるのか」「相手は画面上のどこに動こうとしているのか」「その意図は本当なのか、あるいは見せかけなのか」という諸要素の把握です。ここでは、心理的な読みあいも発生します。

CPUは、一度倒すとパラシュートで下に降りるのですが、その後着地すると、少ししてからスピードアップして復活します。このスピードアップは白→緑→オレンジの二段階あるのですが、特にオレンジの敵はかなりの速さと鋭い動きで、オレンジが対戦相手を狙っているのならば挟み込んでCPUと連携をすることも必要になってきます。

また、このステージの例でいうと、画面下部は疑似的に画面上部と同様の天井になっていますので、

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敢えてこの狭い空間に占位して誘いこみ、隙を見て画面上部に戻る、という動きも有効です。

もう一点重要なのが「雷」です。

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これです。あたると死にます。

雷は、不定期なタイミングで雲から発射されます。この時、発射される方向はランダムでして、右上・左上・右下・左下の4方向のどれかに発射されます。そして、地形などの障害物にあたると、当たった角度と同じ角度で反射します。

この時、「雷の軌道を先読みして、相手をそちら側に誘導する」ことによって相手の動きを制限して、有利な位置どりを得るというテクニックが非常に有用になります。

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これは、丁度雷が右上に向かって発射されたところです。ここから素早く軌道を判断して、軌道と自分とCPUで相手を挟み込むように動くと、相手の動きはかなり制限されます。

場合によっては、空中のぶつかりあいから相手を雷に突っ込ませることも可能になります。特に上級者同士の戦闘では、雷が勝負の決め手になることが極めて多いです。いみじくも、ゲーテの箴言に「雷を制すものはバルーンファイトを制す」という言葉がある通り、軌道の予測と雷の位置の把握はバルーンファイト対戦における必須テクニックといっていいでしょう。


・バルーンファイト対戦における緊急回避

CPUは慣れてくると雑魚以外の何物でもありませんので、「危ないな、と思ったらCPUを倒してしまってステージを進める」という思考が重要になってくる場合もあります。

バルーンファイトにおいて、プレイヤーの風船は二つありますので、一つ割られても即死はしませんが、風船が一つになってしまうと上昇力がかなり落ちてしまいます。その為、風船を一つ割られたら取りあえずステージを進めることに集中して、ボーナスステージでの回復を狙うという手もあり。勿論、それを見越してCPU狙いの相手をすかさず叩き落すのも対戦テクニックの一つです。

ちなみに、上級者同士の対戦では逆にあまりステージが進まない為、対戦プレイではあまり見なかったりもするのですが、バルーンファイトには「ぐるぐる」というオブジェクトもあります。

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これにあたるとランダムな方向にはじかれてしまう為、予想外の位置取りになってしまって不利になってしまうこと、逆に相手を不利にすることも可能になります。是非ご利用してみてはいかがでしょうか。


○対戦以外のバルーンファイトの遊び方

無論バルーンファイトの華は情け無用、仁義無用のデスマッチではあるのですが、その他にも2Pと競い合う要素はたくさんあります。

・シンプルな得点稼ぎ勝負(10ステージまで、といった制限を設ける手もあり)
・ボーナスステージでどちらが多く風船を割れるか一本勝負
・水の中をくぐってお魚に捕食されるかされないかのデスマッチ
・CPUをなるべくたくさんお魚に食べさせた方が勝ちというお魚養育勝負(通称「アクアノートの休日」)

などなど、ABA(全日本バルーンファイト協会)に認定された種目はたくさんあります。バルーンファイトというゲームの懐の深さを感じさせてくれるところ大です。

特に魚にCPUを食わせまくるゲームは、CPUのパラシュートの軌道を予測したり修正したりと、かなり奥が深いので是非一度挑戦してみてください。


ということで長くなってまいりましたが、私が言いたいことは

・バルーンファイトはシンプルイズベストで超面白いし対戦も異様に深いのでみんなバーチャルコンソールとかでバルーンファイト遊ぼうぜ!!!

という一点だけであり、他に言いたいことは特にない、ということを最後に申し添えておきます。

今日書きたいことはそれくらいです。

posted by しんざき at 12:18 | Comment(2) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月27日

レトロゲーム万里を往く その131 ぎゅわんぶらあ自己中心派2


イ ナ ヅ マ ヅ モ!!!(効果音つき)



「脱衣麻雀ゲームの系譜」という話は、それこそ万里を4回くらい使わないと終わらない訳ですが、世の中には「脱衣ではない麻雀ゲームの系譜」というものも当然存在するわけです。

恐らく、コンピューターゲーム業界における「ちゃんとした麻雀ゲーム」の元祖は、1981年アーケードの「ジャンピューター」になるのでしょう。ちなみに、この「ジャンピューター」を開発したのは、後に「ワールドヒーローズ」などで著名になるADKことアルファ電子です。ある程度高齢の方は、ADKと言われてもわからないけれど「アルファ電子」と言われるとピンとくるそうです。

その後、かのニチブツが「雀豪ナイト」で脱衣麻雀への枝分かれを行い、脱衣麻雀が一大勢力を築き始めた前後も、非脱衣型の麻雀ゲームの進化は続いていました。

1983年に産声を上げた、ファミリーコンピューターの「麻雀」や翌年の「4人打ち麻雀」。SNKの「麻雀教室」。シャノアールの「プロフェッショナル麻雀悟空」。セガの「麻雀戦国時代」。

時代を下るにつれ、例えばCPUが色々な思考ルーチンを持ったり、キャラクターによって手筋が変わったりと、麻雀ゲームはよりリアルな方向に進化していきました。


そんな中。同名麻雀漫画を題材にした「ぎゅわんぶらあ自己中心派」は、ゲームアーツによって、PC-8800をプラットフォームとして生まれました。


漫画としての「ぎゅわんぶらあ自己中心派」は、片山まさゆき先生の出世作であり、オリジナルの個性的なキャラクターに混じって、時には時事ネタ、時には他の人気漫画、時にはテレビ番組だの歌謡曲だの、様々なパロディキャラクターを麻雀漫画の中に登場させまくった作風が著名かと思います。

ぎゅわん自己の魅力は、言ってしまえば「突拍子もないキャラクター達が、突拍子もないシチュエーションで、突拍子もない麻雀を打つ」ということだったと思います。持杉ドラ夫はその名の通りの豪運で、勝ち過ぎの金蔵は第一ツモで字牌カンを連発し、バッドハンドは手牌にクズ牌ばかりをもってきて、北家ケンシロウは北家神拳を使いこなして敵と戦っていました。


早い話、「ぎゅわん自己」は、後の「ノーマーク爆牌党」などとは異なり、はちゃめちゃ麻雀を旨としたコメディであったわけです(時にはちゃんとした闘牌もありましたが)。不動産麻雀(牌が「居住場所・駅からの時間・築年などの条件になっており、上がると家賃ただでその家に入居出来る)とか、就職活動麻雀とか好きでした。特に不動産麻雀、あれ実際にやったらかなり面白いような気がする。

そんな「ぎゅわん自己」がゲームになった時、麻雀ゲームに何が起こったか。


それは、「キャラクターごとに異なる「能力」が麻雀に持ち込まれた」ということだったのです。


そう、それはもしかすると、「能力バトル麻雀」の源流。



「ぎゅわんぶらあ自己中心派」。1988年11月11日、アスミックよりファミコン版発売。1990年12月には「「ぎゅわんぶらあ自己中心派2」が発売されており、私が主に触っていたのはこの「2」の方でした。

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当時、「リアルな麻雀」というお題目の元、公平な配牌・公平なツモを前提としていた他の麻雀ゲームと異なり、「ぎゅわん自己」ははっきりと「キャラクターによって配牌やツモが偏ります」と断言していました。単に「cpuがやたら強い」という麻雀ゲームは既に多くありましたが、キャラごとにツキの方向性が異なり、しかもそれを明言しているというのは、恐らく「麻雀ゲーム」全てを見渡しても初の試みだった筈です。


原作で強いキャラクターであれば、明らかに強い配牌、強いツモが。

原作で弱いキャラクターであれば、明らかに弱い配牌、弱いツモが。


例えば、原作では「半荘で一回もムダヅモをしない」ということを自らに課しているという「ゴッドハンド氏」であれば、文字通り一切ムダヅモがない、ツモって不要な牌を切っているだけで自然と上がっているという、無茶苦茶な麻雀を打つことが出来ます。(ただし、何らかの事情で一回でもムダヅモをしてしまうとその能力が消える)

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例えば、原作では「第一ツモから4回連続で字牌をカンする」という滅茶苦茶な豪運を持っている「勝ち過ぎの金蔵」であれば、配牌時点で手牌に字牌があふれることになります。

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こんな手を上がるのもごく簡単。

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まあ、金蔵もゴッドハンド氏と同じく、一度でもロン上がりされるとツキがどかっと落ちてしまうわけですが。(これも原作準拠)

上記二人程極端ではありませんが、原作通り良配牌と良ツモを欲しいままにする持杉ドラ夫、ツモの良さが光る引若丸、意味不明な鳴きをしまくるタコ宮内、上がり役を宣言してしまうE.Tなど、自分で使う時もCPUを相手にする時も、原作通りの個性あふれまくるキャラクターが満載です。

勿論、プレイヤーは「指導者なし」にして通常の配牌・ツモにした上で原作キャラと戦うであるとか、ツキ自体を無効にすることも可能です。ただ、やはり「ぎゅわん自己」の華は、「このめちゃくちゃなゲームバランスで、各原作キャラの麻雀を楽しむ」というものだったと思います。

これは、飽くまで「キャラクター漫画を麻雀ゲームで再現しようとした」が故の解答でした。テクモの「キャプテン翼」と同じように、「原作再現」を麻雀でしようとした時に、既存の麻雀ゲームの方向性を一切捨て去る。ツモや配牌の偏りを、ナチュラルにゲームシステムに取り込んでしまう。これは一つのパラダイムシフトであったでしょう。


ですが、当時の麻雀ファンは「ぎゅわん自己」をプレイしてこう思ったのです。「あれ、これ結構面白いぞ?」と。


自分で「強いキャラクター」を使って、対戦相手をなぎ倒すのには、ごくシンプルな爽快感がありました。あるいは、ソニーくんやマスターのような普通のキャラクターを使って、強い対戦相手を倒すのには、ある意味パズルのような戦略感がありました。

金蔵を相手にする際には、字牌を絞って鳴きを止め、金蔵から狙い打ってツキを落とすのが絶対条件でした。ゴッドハンド氏相手であれば、鳴きに走って一手でも早く聴牌しなくてはいけませんでした。

麻雀が元々出来る人にも、そうでない人にとっても、「偏りがあるからこその面白さ」というものがそこにはあったのです。もしかするとそれは、後の「兎」や「咲」のような、「キャラクターごとに様々な能力を持っている」という「能力麻雀」の源流であったかも知れません。


キャラクターものがジャンルに何かを持ち込む、という意味では、対戦ゲームに「キャラ差」を持ち込んだ、「キン肉マンマッスルタッグマッチ」に近いものがあったかも知れません。この「ぎゅわん自己」は、麻雀ゲームというジャンルにおいて、決して小さなタイトルではなかったのです。

人気シリーズとなった「ぎゅわん自己」は、後にスーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジン、セガサターン、プレステなど、様々なゲームハードでその姿を見せることになります。



私自身は、この「ぎゅわん自己2」が麻雀への入り口でした。脱衣麻雀ではなく家庭用麻雀ゲームが入り口になるという、もしかするとゲーマーからの麻雀ルートとしては少数派の方かも知れません。


ちなみに、「何をきっかけに麻雀に入ったか」というのはもちろん人それぞれだと思うのですが、「麻雀漫画をきっかけに麻雀を始めた」という人もかなり多いと思います。

個人的には、片山まさゆき先生の漫画で麻雀に入った人は、わりと上達が早いような印象があります。一方、「哭きの竜」や「アカギ」のような、「主人公が物凄い異能雀士」という漫画で麻雀に入った人は、ちょっとそれを引きずってしまうような印象があるのですが、まあそれは余談。最近麻雀に興味をもった人に、「嶺上開花という役は、忘れていても不都合が発生することは殆どない」ということを教えると何故か腑に落ちない顔をされるのですが、これは咲現象とでもいうのでしょうか。


ということで、長々書いてまいりました。最後に、「片山まさゆき先生の絵が30年前と比べても殆ど変わってないのは本当に物凄い」という私見を述べて項を閉じたいと思います。


今日書きたいことはそれくらいです。




posted by しんざき at 06:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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