こちらの記事を拝読しまして、内容について特に異存はないんですが、自分の言葉でも書いてみたくなりました。
でも、あなたが「自分が成長すること」が自分の仕事だと思っているとしたら、それは大きな間違いです。寧ろ求められているのは、今この瞬間に、できるだけ良質なものをできるだけ良質なサービスでできるだけ安価に提供してほしいという部分の方です。
この点、もうちょっとシンプルに言うと、「ビジネスの上では、成長は目的ではなく手段の一つでしかない」という話になると思うんですよね。
つまり、そもそもなんの為に「成長」が必要なんですか、と。成長という言葉自体、含んでいるフィールドが広過ぎてあまり一言でまとめられるような話ではないですが、基本的には「今の能力や経験では出来ないことをする為に」成長が必要な訳です。
例えば、今より質の高い成果物を出す為に。
今より速い仕事でバリューを出す為に。
今まで知らなかった分野で仕事をする為に。
今までより複雑な問題を解決する為に。
今よりもっと高い給与を得る為に。
目的や、解決しなくてはいけない課題があって、それを解決する為の手段の一つとして必要なのが本人の「成長」である、と。まず、この点は明確にしておいて損はないと思うんですよね。
およそ、ゴールラインが明確でないプロジェクトが成功した試しがないように、自分が何を目指しているかを考えないままに積むキャリアは有効性が薄くなります。短期的な話でも長期的な話でも構いませんが、「自分は今、何を解決したいからどのように成長したいんだ」ということは、常に考えておいて然るべきでしょう。ゴールがあるからこそ、そのゴールへの道筋が明確になるのだ、というのは当然です。
逆に、ゴールが明確であり、かつその手段が「成長」にないのであれば、むしろ「成長」などガン無視してもいいんだ、という話でもあると思うんです。
成果を出す為にかけるコストは、低ければ低い程良いわけです。一切努力せずに成果が出せるのであればそれが一番いい。
例えばの話、あなたにしか出来ない仕事があって、それが努力によって質が高まるような、あるいは質が高いことで得られる報酬が上がるような類のものでない場合、あなたがすべきことは「努力して自分の能力を成長させること」ではなく、「安定してその仕事で食っていけるニッチを見つけること」です。
勿論、「いつかその仕事で食えなくなる」ということを想定して、他の分野でも食っていけるよう能力を磨くことは悪いことではありませんが、それは飽くまでリスクヘッジであって、短期的に「ニッチを見つける」こと以上の価値を出せる活動ではありません。
「成長は単なる手段でしかなく、場合によっては必須のものですらない」という認識は、案外重要じゃないかと思うんですよね。
ところで、世の中には、「成長は目的である」「成長は目的になり得る」と色んな人が思っていた方が都合のいい人たち、というのがいます。そういう人たちは、「成長」を餌にして、あの手この手でお金やら労力やらを搾取してこようとしてきます。
例えば、「今後の成長の為に」という名目で、成長自体を報酬にして低賃金長時間労働を強いるブラック企業であるとか。
例えば、具体的でない「成長」という言葉自体をネタにして、なるべく多くのユーザーを囲い込もうとするオンラインサロンや情報商材屋さんであるとか。
この前段階として、「成長が感じられない」「成長出来ない」ことに対して危機感や不安を煽る、成長を不可欠なものとしてビジネスパーソンにアプローチしようとする向きというものもあると思います。マッチポンプの一種ですよね。
そういう「成長至上主義」みたいなものに対する防御線は、一本引いておいた方がいいんじゃないかと。
勿論、成長することが重要ではない、というつもりは全くありません。全くレベル上げをしないでクリア出来るRPGが希少であるように、全く成長しないで生きていける人生というのも相当希少でしょう。
ただ、
今言っている「成長」というのは何をどう成長させることなのか、
それは今の自分に必要なのか、
それは何を解決する為に必要なのか、
「成長」以外のアンサーは他にないのか、
その辺のところは、常に頭のどこかに置いておいた方が、人生上手く渡っていけるんじゃないかと。
そんな風に考えた次第なのです。
今日書きたいことはそれくらいです。









