女子力が高い女子はさらわれて、かつ救出されなくてはならない。
これはレトロゲームにおける絶対的な普遍真理であり、反論は許されない。魔界村を、チャレンジャーを、ナッツ&ミルクを、スパルタンXを、影の伝説を、忍者じゃじゃ丸くんを、ドルアーガの塔を、ハイドライドスペシャルを見るが良い。「主人公の救出の対象」になる女子以上に女子力が高い女子など世に存在し得るであろうか。
レトロゲームは我々にこう教えてくれている。さらわれ力(さらわれぢからと読む)は女子力の最終到達地点であり、至高の女子力、究極の女子力である。我々は、彼女らのさらわれ力に学ばなくてはならないのだ。
間違ってもざっくざっくとタッタを切り刻むワルキューレであるとか、数限りないパトカーを灰燼と化すシティコネクションのクラリスなんかに女子力を学んではならない。フルータジアでぶんぶん木を切ってクジラ待ちで一夜を明かしたい、といったアウトドア志向女子であればまた話は別だが。
ということで、幾つかのケースを取り上げ分析することによって、さらわれ力を磨く為のワンポイントテクニックを抽出していきたいと思う。
Case1.魔界村のプリンセス
そもそもプリンセスはとある平和な王国のプリンセスであり、19歳であり、ヒゲ面いちごパンツとはいえお付の騎士までついていることを考えると、彼女の女子力はスタート地点からカウンターストップしている。正直女子力振り切れてる。シリーズの度に毎回欠かさずさらわれている点では、女子力における隙も極めて少ないといえるだろう。女子力界における室伏広治、女子力界におけるフリーザ様である。私の女子力は53万です。
とはいえ、彼女の行動には何点か特徴的な部分もあり、そこを模倣することで女子力を向上させることも可能であろう。
・何故か墓場でデートしている。(しかも男はパンツ一丁)
・身につけているアクセサリーは使いにくいが強力な兵装。
・アーサーが腕輪を持ってきていないと、情け容赦なく追い返す。
この辺りがポイントなのではないだろうか。先生、このプリンセスちょっとサドいです。
とりあえず墓場でデートは基本だな。基本。
次のケースを見てみよう。
Case2.スパルタンXのシルビア
24周するとラスボスとして襲ってくるであるとか、途中の笑い声が実はシルビアのものであるとか、根も葉もない都市伝説の犠牲者として名高いシルビアだが、彼女も立派なさらわれヒロインである。もっとも、ゲーム中では毎回律儀に椅子に縛られていること以外それ程強い印象はない。
影の伝説における霧姫もそうなのだが、とかくレトロゲームにおけるさらわれヒロインに共通している要素は学習能力の無さである。一般的に考えれば、一度さらわれたらいかづちの杖であるとかロケットランチャーの一つや二つ、護身用に持ち歩いてもおかしくないと思われるのだが、彼女らはとにかくさらわれる。律儀にさらわれる。霧姫なんか、助けられてスタッフロールが流れた5秒後にはもうさらわれているわけである。もはやこれは伝統芸能の域、ブートキャンプにおけるワンモアセッ、さらわれ芸と称しても違和感はないであろう。
ここで学ぶべきはワンパターンを恐れない、という心意気である。さらわれ道を極める為には、一度や二度の同一パターンでめげてはいけない。幾千万のさらわれ頻度をこなす覚悟が必要である、ということを彼女は身をもって教えてくれている訳である。
Case3.ドラゴンクエストのローラ姫
お楽しみしている場合ではない。竜王はこの人をさらって一体何がしたかったのか、という点が問題点としてしばしば挙げられるローラ姫ではあるが、彼女に学ぶべきは根性である。
ローラ姫必殺、恐怖の永久ループ「そんな ひどい…」を挙げるまでもなく、彼女の根性は想像を絶するレベルにある。救出された直後から割と自己完結した会話を繰り広げる根性、洞窟の中の段階から勇者にお姫さま抱っこを要求する根性まで含めて、ローラ姫の根性は王族の枠を完全に逸脱したものがあると見て間違いあるまい(これには当然、「いい根性してる」という意味での根性も含まれる)。
下手するとヤンデレの域に片足を突っ込みかねない、彼女の根性もまたさらわれヒロインの要件の一つなのである。
さらわれる側にもそれ相応の根性が必要である、という見本のような人物であると私はローラ姫を評価している。世の女子達よ、根性をつけよう。
ということで、急ぎ足ではあったが、女子力考の一助として3ケースのさらわれ女子を見てきた。
ここまでの議論をまとめると、
・女子力の到達点は「さらわれぢから」及び「救出されぢから」である。
・墓場でデートしているとさらわれる頻度が若干上がるかも知れない。
・ローラ姫は実はヤンデレヒロインの元祖的存在だったりするのではないか。
・ナッツ&ミルクのヒロインはヨーグルであってナッツでもミルクでもないのだが、何故こうも勘違いしている人が多いのか。
・誰か霧姫に外出禁止令を出してください。
という物凄くどうでもいい結論が導き出せるわけである。よかったですね。>私
今日はこの辺で。
(この記事は、ブログ企画NoBorderに寄稿したものです)
2011年09月10日
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「プリンプリン」て名前です。
さらわれヒロインのみならず
主人公とラスボスの2名を含めた攫われ芸の極みを見せてくれました。